NPO法人日本森林療法協会は2022年10月30日(日)に駒澤大学にて森林セルフケアフォーラム2022を開催いたしました。
当日の様子を<基調講演><パネルディスカッション><体験会><ワールド・カフェ>と4つのパートに分けてご報告申し上げます。
今回は
<パネルディスカッション>につきましてご報告申し上げます。
NPO法人EPOの高橋様の基調講演の後、降矢理事の進行の下、高橋智様 (EPO) 小川純子さん(森林セルフケアコーディネーター) 太田博幸(協会理事) 原田純子(協会理事)の4名にてパネルディスカッションを開催しました。
【降矢】お一人ずつ気になる点、確認したい点をどうぞ。
【原田】6月に伺い実際に体験させてもらいました。至福の時間を過ごさせてもらいました。馬と一緒にいる時間はホッとする、ゆったりとした時間でした。今日のご発表の中で「卒業した方の支援」として、年齢に応じて卒業があることを知り共感する点も多く驚きました。
【太田】一般の人も体験できるのでしょうか?
【高橋】乗馬クラブのようにオープンにしていませんが、ホームページから問い合わせて頂いたらお受けすることも可能です。特に団体の場合だとお受け入れしやすいです。もちろん個人でも大丈夫です。また月に1回オープンデイも開催しています。
【小川】お話をお伺いしていましたが「体験してみないとわからない」と思い、実際に行ってきました。環境はもちろんスタッフの方が素晴らしく、自然に受入れて下さいました。体験したいと思いつつ、馬が怖かったのですが「ご自身が怖がっていたら馬も怖がってしまう」とコメント頂き、ゆっくりゆっくり教えて頂きました。
【小川】お伺いしたいのが、レストランで何人かお話されていましたが、実際にお伺いして相談する形でしょうか?また、月1回のオープンデイはどこで情報発信していますか?
【高橋】その通りです。特にいきなり馬に乗せるではなく、リスクをヘッジするためにも丁寧にお話をお伺いしてプログラムを作る形となっています。オープンデイはFacebookで告知しています。
【降矢】弊協会としてもストレスケアに特化したプログラムを計画しています。是非今日のご参加の方にもご参加頂きたいです。高橋さんは行動力のある方と感じますが、工房ではどのようなことをされていますか?
【高橋】羊毛の毛を1年に1回刈り取って製品にしています。羊毛も毎年国内のコンクールに出ており、銀賞は受賞しており羊毛のクオリティも評価してもらっています。
【降矢】素晴らしいですね。アニマルセラピストは資格がありますか?
【高橋】資格はないですが、動物管理士という資格を取って頂くことがあるかと思います。
【降矢】馬場だけでなく森の中を馬に乗ることが特徴ですが、馬場と森の中との違いはありますか?
【高橋】ものすごくあります。自閉症のお子さんの中には表情が豊かになったりと、その様子をみてお母さんも嬉しくなりケアにもなっていると思います。
【降矢】そういう意味では平坦な馬場よりも、森林コースで体験することが大切なのですね。
【高橋】そうですね。特に夏などは森の中は涼しいこともそうですし、森の中だとリラックスが高まると感じています。
【太田】仮にオープンデイにお伺いするとしたら、車でないと行けないですか?
【高橋】公共交通機関がないので車で来て頂きたいです。
新幹線の新富士駅からレンタカーで来られる方もいらっしゃいますし、タクシーでお越しになられる方もいらっしゃいます。
【太田】始めたきっかけをもう少し教えて下さい。
【高橋】子どもが2人おり、ゲームばかりでなく自然の中で楽しむことを伝えたいと思っていました。
【小川】自分自身が体験した写真が資料にありましたが、ブラッシングの様子で自分自身が笑顔だったことがとても印象的でした。プログラムの最後に心理セラピストの方と対話があり、私は自然と涙が出てきました。話をしている間に馬が突然やってきてモゴモゴ食べていたのを見ていただけなのですが。専門家の方が「小川さんにとってこのような受け取ったのではないですか?」と声をかけて下さり、専門家の方の支援の大切さを感じました。
【高橋】自分一人でリラックスするよりも専門家がいることで相乗効果もあるのではと思っています。
【降矢】体験した際に馬との一体感を感じました。これは心理セラピストさんやボディーワーカーさんがアシストして下さったからこそ感じるものだと思いました。
【高橋】各分野のスペシャリストと連携することで期待した効果が得られると感じています。
【原田】馬の心臓の波動に包まれる体験はここでしか出来ないことだと感じています。
【降矢】ここから会場とzoomの方からも質問をお受けしたいと思います。
【会場】私自身農作業を通じてメンタルケアをしていますが、馬や動物のチカラを改めて感じました。私がメンタルケアをされている方にも是非利用して頂きたいと思っているのですが、滞在などは可能でしょうか?
【高橋】残念ながら通所のみとなっており、滞在が出来ないのですが、地域によっては熱心に就労支援やホースセラピーをやられているところもありますので、各地域で盛んになってもらいたいと思っています。
【会場】演劇療法と音楽療法に携わっています。是非お伺いしたいと思うのですが、人数や費用などどうなってますか?また馬や羊以外に動物はいますか?
【高橋】あまりにも大人数ですとお受け入れが難しいのですが、1泊2日でキャンプに来られる保育園もあったりするので、是非個別でご相談下さい。また、犬や猫など小動物もいます。いきなり馬が怖いと感じる方もいるので小動物はとても大切な役割を果たしています。
【zoom】馬は特にお世話が大変だと思いました。ボロ(フン)の世話など、365日ずっとお世話をしなければならないと思うのですが、どのような体制・工夫されていますか?
【高橋】馬の調教・管理を賄うためにも、子ども支援だけでなく就労支援など3つの事業を保有しています。パズルのピースを組み合わせるような形で対応しています。経営的には決してお金が余ることはないのですが、なんとか経営できるようになっています。例えば放課後デイサービス1本だけだと、馬の経費を捻出することは難しいかと思いました。
【zoom】今後の活動計画などありますか?
【高橋】EPO自体が大きくなることはあまり考えていません。30〜40人くらいのスタッフがいますが、顔が見えて共有出来るMAXの人数だと思っています。取り組みを広めるためにも、馬JAMのように外部の方と協力して取り組みを進めたりしています。
【降矢】ストレスケアのプログラムについて少しお伺いさせて下さい。ストレスケアに広げようと思われた経緯や熱意、想いを教えて頂いても良いですか?
【高橋】福祉サービスの契約をされていない方が利用してみたいという声が多く集まったことや、地域の方々の協力もありました。
【太田】事業を展開されていらっしゃいますが、人材育成や組織育成などでご苦労おありかと思いますがいかがでしょう?
【高橋】思いの外、うちで働きたいと仰って下さる方が多いです。今はホースセラピーを軸に事業を組み立てており、子どもたちの支援でプログラム形成などみっちりやりますので、大人の方の支援もしやすいです。大学生のインターンから就職になられたりすることもあります。横連携し専門性を深めたり高めたりする機会も多く設けています。
【小川】体験させて頂いた際にポニーにお仕事モードとお休みモードがあると伺いました。どのように管理されていますか?
【高橋】アニマルセラピストがきちんと管理しておりますので、1日中働きっぱなしはありません。体調など考慮しております。
【原田】新しいパワーを入れて変わっていくことが大切であると感じました。ありがとうございました。
【降矢】今後チカラを入れたいことがありましたら最後にお願いします。
【高橋】馬JAMを通してホースセラピーを普及していくことが大切だと思っています。年老いた馬にとっても走ったりせずに、立ったままでも活躍出来る場があることもとても重要です。馬たちにもいきいきと生き甲斐を持ってもらう機会を増やすことも願い、ホースセラピーを広めていきたいと思っています。是非11月20日のイベントでお待ちしています。
【降矢】ありがとうございました。
■ご案内 NPO法人日本森林療法協会では11月20日(日)に富士宮市のEPO様にてレベルアップセミナーを開催致します。
富士山の麓で、「森林ホースセラピー体験会」として、森林×馬体験の相乗効果を活用するプログラムを、体験しながら学びます!
是非ご参加下さい。
<詳細・申込みはこちら>
https://blog.canpan.info/jfts/archive/323