HSPの人にも「森林セルフケア」がお勧めです
理事
降矢 英成
この度、最近話題になっている「HSP」(Highly Sensitive Person)について「ホリスティックな視点」から検討した本を出すことになりました(6月10日発売です)。
『
敏感繊細すぎて生きづらい人へ HSPという秀でた個性の伸ばし方』(さくら舎)という本になります。
昨年の今頃、クロワッサン誌に掲載された対談記事を読んだ編集者の方が「HSPについてのホリスティックな視点からの本」を、というお話をいただいたものです。
本のタイトルには残念ながら「ホリスティック」の文字は載りませんでしたが、下記のように3章のタイトルは「HSPにはホリスティック医学が生きる!」となっており、入っています。
そして、一見似ている「発達障害」との違いや、第5章には「森林療法」も含めたホリスティックな視点からの「セルフケア」も載せていただきました。
・第1章 HSPへの誤解
・第2章 HSP的自分のイメージを変える法
・第3章 HSPにはホリスティック医学が生きる!
・第4章 もっと生きやすくなるためのアプローチ法
・第5章 私がすすめるセルフケア
「ホリスティックな視点」として、具体的には、
・インテグラル(統合)理論
・ポリヴェーガル(多重迷走神経)理論
の視点からの検討がかなり詳しく載っています。
編集者の方から、この「インテグラル理論」と「ポリヴェーガル理論」の2つの見解が既存のHSP本との決定的な違いになっていて貴重です、と言っていただきました。
なお「インテグラル理論」については、8月22日に行いますレベルアップセミナーのテーマになっていますので、ご関心をお持ちの方はぜひご参加下さい。
< ご案内 >
★レベルアップセミナー
◎「インテグラル(統合)理論」からみた「森林セルフケア・森林療法」
・日時:8/22(日)13:00〜16:45
・形態:zoom受講または録画配信受講
・講師
飯田みゆき氏(薬剤師、産業カウンセラー)
松尾祥子氏(アロマセラピスト、臨床心理士・公認心理師)
・進行:降矢英成(医師、赤坂溜池クリニック)
・受講料:会員2,000円 一般3,000円
・詳細・申込先:
https://blog.canpan.info/jfts/archive/200 そして、この本では、第5章には「森林療法」の「セルフケア」も載せていただきましたので、
ちょっとご紹介させていただきます。
〜森林療法は本来、代替療法に位置づけられるものですが、HSPの人にはとても相性のよい療法であり、日常的におこなうセルフケアのひとつとして積極的に取り入れることをおすすめします。
その最たる理由としては、
〜森林の効果は、五感を通して得られるということで、この点こそ、私がHSPの人に森林療法をおすすめするいちばんの理由でもあります。
例えば、森の静けさ、木漏れ日のやさしい光、木々や土・草花などアースカラーをベースにした落ち着いた色調‥‥このような森林の中の環境は、五感の敏感すぎるHSPの人にとって、神経を逆なでされることのない心安らぐ場所になります。
ということになります。
そして、さらに森での過ごし方についても、少し触れました。
〜HSPの人は、日常的に凍りつき反応を起こしやすいため、本来必要のない防衛反応エネルギーを神経系の中にためこんでしまい、それがトラウマとなってPTSDを発症する原因となっています。
そのよけいなエネルギーを解放させるために、森林の中で身体を動かしてみるのはとてもいいと思います。周りに人のいない森林の中なら、気がねなく安心して動けます。
〜ただし、森林療法は健康のためにおこなうもので、ハイキングや山登りなどのいわゆる「アウトドア」ではありません。ですから、森林の中で身体を動かすにしても、疲労度が増すほどハードな運動は適していません。とくにHSPの人は普通の人よりも身心が疲労しやすくエネルギーが不足していますから、ストレッチやヨガ、気功など、養生法的なものを疲れない程度にするのがおすすめです。
そして、「森林」という場所の大切さについても言及させていただきました。
〜HSPの人にとって森林やそれに準ずる環境は、もっとも安心して過ごせる「安全基地」のような場所です。ちょっと疲れたと思えばすぐに駆けつけられるような身近なところに、心地よく過ごせる癒しの場所をぜひ見つけてください。
一方、「安全基地」だけに留まっているだけにならないためにも、森林が有用なことを、最後に次のように紹介しました。
〜HSPの人にとっての森林療法による効果は、疲れた自分を癒すことともうひとつ、再び日常の暮らしに戻っていくエネルギーを得ることです。いくら森林が心地のいい安全基地であっても、じっとそこに留まっているわけにはいきません。安全基地を出て、また戻ってくるまでのエネルギーを、森林は与えてくれます。
改めて「森林」、そして「森林セルフケア」の重要性を感じている次第です。