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2023年11月11日

理事コラム「伝統・文化の森 〜神道や密教と自然・森」

理事コラム「伝統・文化の森 〜神道や密教と自然・森」

理事 降矢英成

 おかげさまで、協会の最大のイベント「森林セルフケアフォーラム」を「森林ミツバチセラピー」をテーマに行うことができました。

 ミツバチの蜜源として、トチノキ、アカシアなど「樹木の花」が欠かせないことは知っていましたが、トウヨウミツバチ協会の高安氏のお話から多くのことを学ぶ機会となりました。

蜜を集める可愛らしいミツバチを眺めるストレスケアとしてから、障がい者施設の作業療法まで幅広く活用されているのは素晴らしいことだと改めて感じました。

さて、日本は森林の国ですので、日本人の生活の基盤に森林・自然が関わっており、日本人の基盤となる神道も森・自然が欠かせない要素となっています。

天照大神をはじめとする太陽信仰がその中心ではありますが、さらには磐座(いわくら)信仰が数多くあり、お山がご神体になっていることなどから自然や森が信仰の対象にもなってきました。

最も古いとされる大和の大神神社は三輪山がご神体であり、伊勢神宮も豊かな森の境内の中にありますし、春日大社は御笠山の原始林を遥拝する習わしがあります。

一方では、日本人の精神に深く影響してきたのが仏教ですが、平安時代に最澄が比叡山、空海が高野山に、それぞれ天台密教と真言密教の聖地を拓きました。

最澄は形骸化しつつあった奈良の都の既存仏教を批判し、自然の中の比叡山では究極的な修行として、まさに自然・森と一体化する百日や千日の回峰行があります。

空海は18歳で儒教などを学ぶ奈良の都の大学に入ったところ、ある僧より「求聞持法」という密教の行法を教えてもらい、自然の中での修行に中心を置くように変わったそうです。

とうとう出世のための大学を中退して、遣唐使に入る前の空白の7〜8年間は、吉野や熊野の山岳地帯や自らの生まれた四国の自然の中で真理を追究していたといわれます。

このようなことも踏まえて、協会の活動の一つの柱として「伝統・文化の森」というテーマを掲げていくことになっておりますので、ぜひ今後の各地での活動にご期待ください!
posted by Yu SEKI at 09:15| 役員コラム

2023年09月10日

役員コラム 「水の星 地球に住むヒトとして 」

役員コラム「水の星 地球に住むヒトとして 」

鈴木友よ


私たちは住んでいる「地球」。
地表の7割が水が占めている、まさに水の星ですね。
イメージする姿はこんな感じです。

IMG_6861.PNG


とても潤沢にあるような気がしますね。
海の深さは地球のスケールのわりにとっても浅いので、地球上の水の全てを集めると

IMG_6859.PNG



この写真にある丸い青い球になります。
水のうちの97.5%は海水ですので
淡水の量はというと・・

IMG_6860.PNG



よく見てください!
先ほどの青い球の横の小さな丸です。(水全体の1.2%)

淡水はほとんど氷河や地下水ですので
すぐに飲むことのできるきれいな淡水は

さらに写真をよーく見てください!
その下のもっと小さな点なのですって・・(水全体の0.1%以下!)

この絵を見た私は、水資源の貴重さに驚きました。
毎日2リットルの飲み水が必要で、生活に関わる水となると、私たちは更にもっとたくさんの水を消費しています。

日本に住んでいると、ありがたいことに豊富なきれいな水の恩恵を受けることができるのでつい忘れがちですが。

では、その飲むことのできるお水、どこから来るでしょう?

海の水はそのまま飲むことはできませんよね。

じつは・・飲み水は森林が作っています。
海水が太陽の光で蒸発し、雲になり雨となって、森林へ。葉や幹を経由してゆっくりと土壌にしみこんで、地下水へ。ゆっくりと湧水となり、川へ。

樹木は70%が水分ですので、まさに水の柱。森林は緑のダムなのです。

私の愛読書であり、「空と大地が私に触れた」の一説に

IMG_6862.JPG


“樹木は、生存のために何の施しを乞わず、その恵みをすべての生き物たちに寛大に与えてくれる、無限の優しさと慈悲に満ちた存在である”(釈迦)
とあります。

その樹木に対し、

森が息を吐くとき、私は息を吸い込む。
私が息を吐くとき、森は息を吸い込む。
私たちは与えることで受け取り、
私たちは受け取ることで与える。

という詩も載っていて、とても大切なフレーズとして、心に刻んでいます。

地球上で生きていくためには、森林、土壌、そこに住むたくさんの生き物の連携が必要です。もちろんその生き物にはヒトも含まれています。

日本には「里山」という文化があります。世界に誇る、持続可能なシステムです。
森林セルフケアを行う上で、こうした視点を同時に持ち続けていければ、と思っています。


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posted by Yu SEKI at 10:17| 役員コラム

2023年08月12日

2023年7月に富士山に登ってご来光を見てきました

2023年7月に富士山に登ってご来光を見てきました


理事コラム 田川 裕則


 コロナの状況が落ち着いてきたので、久しぶりに富士山のご来光を拝みに行くことにしました。
 富士登山が初めての知人と一緒にバスツアーに参加しました。このバスツアーは6年前に富士登山した時と同じツアー会社です。前回はツアーの乗客の半分は、台湾から来日した人たちでした。今年はコロナが2類から5類になったということで、外国人の登山者が増えているという情報が伝わっていました。

新宿都庁前から、午前7時30分にバスは出発、午前11時前に富士山吉田口5合目に到着、昼食を済ませてから、11時45分に登山開始。
6年前に登った時には、ツアーガイドが先導してくれたので、ただついて登るというお気楽登山でしたが、今回はガイド無しのフリープランです。
 6合目を過ぎると岩場が延々と続きます。
登山開始から6時間で8合目の山小屋に到着、夕食後は空が赤く染まり、暮れゆく夕暮れを楽しみました。

IMG_5641 写真1.jpg


 今回一番驚いたのが、寝る場所でした。
6年前に登った時には1畳のスペースに3人で寝るという寿司づめ状態で、とても寝られるような状況ではありませんでした。
 ところが、今回は1畳に1人で、十分にスペースがあり、カーテンというか透明のビニールシートで仕切りがありました。コロナ対策のおかげでゆっくりと過ごすことが出来ました。
さて、翌朝は早朝1時に起きて1時30分に出発しました。
すでに、8合目からの登山道はヘッドライトを付けた人の列ができています。
それでも、6年前よりは登山の人が少ない?
やはり、宿泊客の数を抑えているせいか、登山の人の列が時々途切れます。
予定よりも早く、午前3時45分に「富士山頂浅間大社奥社」に到着。
日の出を待ちます。山頂の気温は2℃。寒い!!
午前4時半前に空が明るくなってきました。
日の出の時間は、4時40分くらいですが水平線付近に雲があり、太陽がくっきりとは見えませんが、逆に神秘的な雰囲気があります。
 雲の色が次々と変わり、幻想的な雰囲気を醸し出しています。

IMG_5653 写真2.jpg


IMG_5662 写真3.jpg


 ご来光を見ていると、ここまで来ないと見ることが出来ない!
やっぱり、日本一の高さで見るご来光は、いいなーと感じた、充実した1日でした。
いつかまたご来光を見に来る?
(富士山は登る山では無く、見る山という人もいます)
以上

(富士山について 説明資料)
富士山は、その孤高の美しさだけでなく、荒ぶる噴火により、神の住む山として畏れられ、崇められてきました。
古の人々にとって、富士山は遠くから仰ぎ見て崇拝する「遙拝」の対象であり、富士山の噴火を鎮めるために、富士山の麓に浅間神社が建立されました。
 噴火活動が沈静化する平安時代後期以降、富士山は、日本古来の山岳信仰と密教等が習合した「修験道」の道場となり、「遙拝」の対象から「登拝」する山へと変化していきました。
 12世紀前半には、末代上人が山頂に大日寺を築きました。また、室町時代後半になると、修験者だけでなく一般庶民も富士山に「登拝」するようになり、富士登山が次第に大衆化されていきます。

 さらに、戦国時代に現れた長谷川角行が新たな富士山信仰を教義としてまとめると、その教えが、江戸時代中期に「富士講」として、関東を中心に大流行し、多くの人々が富士登山や白糸ノ滝等の霊地へ巡礼を行うようになりました。
 明治時代になると女性の山頂登山も解禁となりました。
現在も、夏になると多くの登山者が、「御来光」を拝んだり、「お鉢めぐり」をするために、富士山の山頂を目指します。
 登山道は、信仰の生きている証として、山麓の神社や湖などとともに、世界遺産の構成資産として登録されました。


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posted by Yu SEKI at 22:16| 役員コラム

2023年07月11日

東洋医学との出会い


東洋医学との出会い

原田 純子

つい先日のこと、耳つぼ診断を受けました。西洋医学を学んで看護師になったので、どこか東洋医学にはなじみが無い…というよりも否定的な立ち位置で来た自分は、この分野の物事は意識的に避けて来たのですが、年齢を重ねるにつれて東洋医学やハーブやアロマなど他の養生法などにも少しづつ関心を持つようになっていました。実際には生活の端々で出会う様々な事が昔からの知恵だったり、これって東洋医学なのかなという程度の関心は前から薄々あったものの、踏み出すための一歩のきっかけがありませんでした。

長野に移住して間もなく、ある大きなイベントで、漢方薬局に勤めると言う薬剤師さんと知り合いました。私が協会に入ることになった飯田さん(セミナー講師でおなじみですね)も確か漢方薬局にお勤めだったな、なぜか漢方薬剤師さんとご縁があるなと思いましたが、その時点ではイベントの隣のテントの方という認識でした。そのイベント時にフェイスブックで繋がり、彼女の告知で誰でも無料で参加できる漢方茶や薬膳茶を試飲でき、ある時はお灸の無料体験ができるというイベントを開催されている事を知り、上京したチャンスに参加してみたのが彼女との距離を一気に、ついでに東洋医学との距離も少し縮めました。

その薬剤師さんは「中医学講座」や「薬膳講座」「耳つぼ講座」を開催していて、ちょっと聞いてみたい程度の軽い思いをずっと持ち続けていたのですが、やはり軽い気持ちではなかなか受講するまでには至りませんでした。ところが新型コロナウィルス感染症のパンデミックのお陰で、家から出られないと言う時期にzoomでも受講できることを知りました。ちょうど政府から特別給付金が支給され、これは有効に使わないと知らないうちに消えて行くお金だな、ならばこれを受講料に充てよう、コロナで沈んでいる気持ちを奮い立たせるきっかけにしようと決心し、ついに申し込み、受講したのです。本当にコロナに背中を押して貰った形です。

受講を通して気づきがたくさんありました。今までのいくつかの知識や分野がそれぞれに繋がってストンと腑に落ちた感じもありました。そして親しくなった今は長野の森歩きをしながら薬膳や東洋医学を学ぶ「漢方養生プログラム」としてコラボで活動するまでに進展しました。長野という非日常の世界に来ていただき、森林浴を目的に森を歩きながら自然を観察し、私からは森林セルフケアの話をし、養生法などを通して自然からのパワーを補充し、座学では漢方薬剤師の彼女から東洋医学を学ぶプログラムです(これは協会のイベントではなく、個人的に開催しているイベントですので悪しからずご了承ください)。

1人の時間.jpg


そのプログラムの中の1つのコンテンツが「耳つぼ診断」です。耳のツボに小さな小さなナデシコの種をテープで貼るだけなのですが、貼った種がツボを刺激して、体の不調部位に気血が流れる効果がその場で実感できるので、一緒に受講した看護師仲間も感動したほどでした。耳つぼ診断に関しては、ただの感想文になってしまっていますが、1泊2日の森でのプログラムで、みんな笑顔で日常の世界に戻っていきました。

こんなことも元をただせばコロナのお陰。本当に良いきっかけを貰ったなと、この点ではきっかけのコロナに感謝しているくらいです。何にしてもマイナス面ばかり考えずに、前向きに生きていく(転んでもただでは起きない)姿勢は大事だなと改めて学べたコロナでした。森で元気になるプログラムを、先ずは自分でも実践して皆様にお伝えしていく新しい切り口ができたと確信しています。

申し添えると、コロナはまだ終息したのではありません。インフルエンザなどのウィルスによる疾患同様、上手に付き合っていくことがセルフケアの基本だということを、常に忘れずに過ごして行きたいものです。

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posted by Yu SEKI at 20:43| 役員コラム

2023年06月09日

理事コラム

理事コラム

降矢英成


 5月に、理事で今年のフォーラムのテーマである「森林ミツバチセラピー」の下見に行ってまいりました。

 下見ってどこに行ったの?と思われた方もいらっしゃるかと思いますが、実際になさっているのは前回のメルマガに寄稿してくださったトウヨウミツバチ協会の高安さんです。

 トウヨウミツバチ協会の高安さんのご案内で2か所を下見させていただいたのですが、まずは東京の現場を見学させていただきました。

1, 東京・銀座のフィールド

 この東京の現場がすごいのですが、何と銀座三越のすぐ近くのビルの屋上に巣箱があり、10階のテラスに空中花壇を作って蜜源にされているのです。

 この空中花壇が、春はカモミール、夏はホーリーバジルなどを植え替えていらっしゃり、いつもミツバチさんのために花盛りとなっています。
トウヨウミツバチさん花壇の花盛り.jpeg
トウヨウミツバチさん花壇で高安さんレクチャー.jpeg


 そして、ミツバチは半径2キロくらいの範囲で蜜源の樹木を探すそうでして、西は皇居、東は隅田川岸までの範囲となっています。

 われわれは、隅田川岸の聖路加国際看護大学・病院までの東側のフィールドを見学させていただきましたが、銀座の並木はトチノキ、アオギリ、プラタナスなどでした。

 そして、途中のツツジの植え込みのあちらこちらにも、可愛らしいミツバチが採蜜に訪れていました。

2, 茨城県笠間市のフィールド

 そして、翌日にはもう一つ、茨城県笠間市の自然豊かな田園地帯で素晴らしい養蜂をされている獣医師の方がなさっているフィールドを見学しました。

 この獣医さんのミツバチ愛はものすごく、果樹園の果樹をほぼ蜜源として整備していらっしゃいました。

 そして、それだけではなく、昨年にはとうとうミツバチさんの蜜源になる樹木だけを植えた専用樹木園を写真のように開墾されたのです。
 
トウヨウミツバチさん笠間の蜜源の樹木圓.jpeg


 そして、こちらのフィールドは周囲が田園地帯になっており、少し離れたところには修験道の滝場がありました。

 そこまでののどかな風景をながめながら歩いていましたら、玉置浩二さんの田園が流れてきたのですが、原田理事長はベートーベンの田園が流れてきたそうです・・。

 30分ほどで写真のように、真言密教と天台密教の両方の修験道の滝場になっている滝入り不動につきましたが、一気に空気が清浄になるのが分かりました。

トウヨウミツバチさん滝入り不動.JPG


 来年には、レベルアップ講座などで皆様に体験していただく機会をつくる予定としておりますので、まずは、「森林ミツバチセラピー」がテーマの今年のフォーラムにご参加下さい!


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posted by Yu SEKI at 22:49| 役員コラム

2023年05月17日

焚き火と森林セルフケア

焚き火と森林セルフケア

理事 太田 博幸


ゆらめく炎を眺めながら癒される焚き火。森歩きとともに焚き火が好きで、仕事が休みの日に時間があれば、焚き火やバーベキューをしてから森歩きをします。森歩きをしてから焚き火をすることもありますけど。

焚き火は単純に面白い。いつまでもゆらめく炎を見ながら、薪をくべることができます。飽きることなく、頭をからっぽにすることが出来ます。
焚き火をすると五感が一気にひらきます。勢いよく燃える炎を見て、薪が爆ぜる音を聴き、煙のにおい、土のにおい、森の香りを嗅ぎ、くべる薪の木の感触を感じ、焼き芋の味覚、コーヒーやお茶を淹れて、飯盒でご飯を炊いて、肉を焼いて、マシュマロを炙ってといろいろな味覚を味わいます。

「1/fのゆらぎ」木漏れ日や小川のせせらぎと同様に焚き火も「1/fのゆらぎ」があり、不規則でランダムなゆらぎによって、心身共に落ち着きます。脳波にはリラックス状態を示すアルファ波が増えます。
楽しく、癒され、心が整えられる焚き火も、できる場所は限られています。森林セルフケアを行うフィールドでも焚き火ができるところはほんのわずかではないでしょうか。

20230510105517.JPEG


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6月3日(土)森林セルフケア体験会のフィールド「里見公園」では火気の使用ができます。体験会の最後の方では、森のなかで薪(小枝など)を拾い、着火し、焚き火を囲んで楽しく話しをする時間を持ちたいと思います。是非ともご参加ご検討ください。サポートスタッフも募集しています。よろしくお願いします。

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posted by Yu SEKI at 23:43| 役員コラム

京都伝統文化の森視察報告記

京都伝統文化の森視察報告記

理事 降矢英成


 この度、会報誌などでご紹介しております「京都伝統文化の森」を視察してきましたので、ご報告します。

 まず「京都伝統文化の森」とは、京都三山といわれる東山・北山・西山の3つの森を指しています。

 そして、今回お世話になりました鎌田東二京都大学名誉教授が会長をお務めになっている「京都伝統文化の森推進協議会」さんは、この中の「東山」を中心的に整備されています。

 そういうことから、1日目は東山の北端にそびえている、かの「比叡山の森」を、2日目は知恩院から清水寺までのいわゆる「東山展望台の森」を視察しました。

 まず、比叡山はご存じの延暦寺がある信仰の山で、今回は、全て徒歩で往復したのですが、森はほとんどが私有林だそうで、写真のように荒れていました。

@.jpg


 会長の鎌田先生は、比叡山の登拝を800回以上なさっているのですが、このような風景を何回も目の当たりにして心配が絶えないご様子が良く分かりました。

 一方、2日目は、まさに京都の中心的な寺院である清水寺や知恩院の背景になっている「東山展望台の森」を歩きましたが、こちらは国有林と社寺林であるため整備することができたのだそうです。

 特に、清水寺はかなり積極的に協力して下さるそうで、当日も鎌田先生は社務所にご挨拶されていました。

 そして、このエリアでは、ここの菊谷という場所に自生するキクダニギクの保存活動にも力を入れていらっしゃいました。

A.jpg


 写真は、その保存地域でご説明中の鎌田先生ですが、秋にはその可憐な花が見られるそうです。

 今回は、京都在住の会員の左賀さんにもご参加していただけましたので、今後、京都で活動できるように準備を進めていきたいと思っておりますので、ご期待ください!


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posted by Yu SEKI at 23:41| 役員コラム

2023年04月12日

役員コラム

役員コラム


理事 鈴木 友よ


地域の森の木を有効に活用できる「板倉構法」、ご存じですか?

伊勢神宮や正倉院など、日本古来の伝統建築に使用される構法で、釘を使わず柱と柱の間に板を落としこんでいきます。なんと木造建築の3倍もの木材を使用します。
主に地域のスギを用いて作られ、内部は森林浴さながらの良い香りに包まれ、湿気も調節され、広い空間に光あふれ、とても気落ちの良い場所が作られます。

愛知県は西側に位置する名古屋市を中心に濃尾平野に都市部が広がりますが、県の東半分は山間部で、主にスギやヒノキの人工林に覆われています。間伐が追い付かず、放置される人工林が多い中、山の木の有効利用が大きな課題となっています。

私の知人が、板倉づくりの建物を学童保育の施設に採用する活動をされています。
既存の学童保育施設の多くはプレパブの建物のため、夏の暑さ、冬の底冷えも耐え難く、その場所で多くの時間を過ごす子供たちは過酷な環境の中多くの時間を過ごしており、始終喧嘩が絶えなかったそうです。

そこで「まちと森が繋がって子供たちの未来を創造しよう」というコンセプトで任意団体「森と子ども未来会議」を立ち上げ、県内産スギ・ヒノキを使用した「板倉づくり」構法の学童保育施設を次々と建設しています。
板倉構法の建物になってからは、スギの香りに包まれた快適な環境の中、子供たちに顕著な変化が現れ、笑顔のあふれる情緒豊かな子供たちの姿が見られるようになったそうです。

「山・野・街とつなぐ」コンセプトで、私と愛知県の東栄町地域おこし協力隊の方が、「のやまち」というワークショップを企画し、名古屋市の学童保育施設で2回ほど行うことができました。

写真1 (1).JPG
板倉づくりの学童クラブ


小学生親子対象、2時間屋内プログラムとしました。東栄町産のスギ・ヒノキ・クロモジなどの香りを確かめたり、スギやヒノキのお茶を飲んだり、現役の木こりさんのお話を聞いたり、木の粉でクラフトを作ったりと、木の香りのする室内で、至福の時間を過ごすことができました。スギやヒノキを煮出したお茶は希望者のみ味わうように、と用意しましたが、大好評でした。それぞれの味の違い、香りの違いも堪能していただけました。

写真2.JPG
WSの様子


写真3.jpg
WSの様子


「板倉構法の建物で多くの時間を過ごす子供たちに、木のふるさとである森とのつながりを肌で感じてもらえたら」、との思いはしっかりと届いたような気がしました。
もし今後また機会を与えていただけるのなら、森林セルフケアの内容も入れていきたいと思います。
都会の中の地産地消の森の家。豊かで愛にあふれた空間で学童期を過ごす子供たちをもっと増やして、また次の世代につなげてほしいと願ってやみません。

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posted by Yu SEKI at 18:42| 役員コラム

2023年03月14日

役員コラム㉞「等々力渓谷」に行ってきました

「等々力渓谷」に行ってきました

理事 田川


皆さま、「等々力渓谷」をご存じですか?
どこか地方の山の中と思いきや、東京の世田谷区にあります。
3月8日(水)に、森林インストラクター会のイベントの下見で行ってきました。

等々力渓谷MAP.jpg


渋谷からわずか20分、等々力渓谷は、多摩川に流れ込む谷沢川(やざわがわ)沿いに広がる、東京23区で唯一の渓谷です。最寄り駅である東急大井町線「等々力」駅からは、徒歩約3分ほどで到着。“都会のオアシス”といわれるだけあり、都心にいながら気軽に森林浴を楽しめます。

ゴルフ橋.jpg


等々力渓谷の散策スタートは、赤い色が目を引くゴルフ橋から、橋のたもとにある階段を降りると、谷沢川に沿って約1kmの遊歩道が続きます。遊歩道を右に進み竹林を越えると、日本庭園と書院、さらに芝生広場が。左に進めば、木造の見晴台から渓谷を見渡せる「等々力不動」があります。春には桜が咲き誇り、夏には涼を感じ、秋には紅葉を楽しむことが出来ます。

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渓谷内には横穴墓群などの都指定史跡や、100万年ほど前の地層、野鳥観測スポットなど、子どもの興味や好奇心を刺激するスポットが多くあります。等々力渓谷から繋がる等々力不動尊の境内には、学業成就のご利益がある「稚児大師堂(ちごだいしどう)」が祀られているので、子どもを連れてお参りするにもぴったりです。

等々力渓谷には30ヶ所以上の湧き水が点在し東京の名湧水57選にも指定されています。
地層は関東平野の基盤となっている「上総層群(かずさそうぐん)」。下から高津互層、渋谷粘土層、武蔵野礫層、武蔵野粘土層、東京軽石層、ローム層の順に堆積しています。
地層にあまり関心が無くても、よくわかります。
お時間のちょっと空いた時に、「等々力渓谷」行ってみるのもいいかもしれません。

以上

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posted by Yu SEKI at 21:37| 役員コラム

2023年02月11日

役員コラム㉝「私的年頭所感」

私的年頭所感


理事長 原田純子


今年の干支はうさぎ。卯年生まれの年女でもあるので、新年を迎えるタイミングで自分の人生を振り返る機会が多かった。「病院勤めをしたことのない看護師、保健所勤めをしたことのない保健師」などと自嘲もするが、今のところ楽しい良い人生であったと思っている。むしろ定番の人生コースでは得られないと思う経験や出会いの連続だったし、今もなおその途中なのだから最後までこのまま楽しもうと。

さて、ちょうどこのコラムを書く数日前に、ちょっと心に残る言葉があったので、ご紹介しようと思う。それは一人の中堅医師との雑談でのこと。

ーーー
医師K:自分が研修医の頃に、指導的な立場の偉い医師から「See 1(One), Do 1(One), Teach 1(One)と言われたんですよ。

私:それはどういう事?

医師K:例えば手術の際の手技など、一度やって見せるから見て覚えろ。次は自分でやってみろ。最後にはそれを後輩に教え、伝えていけと言う事ですよ。

私:なるほど…。でも、See 1(One), Do 1(One)までは良いけれど、次にいきなりTeach 1(One)はどうかなぁ?いけますか? 私だったらDo 1(One)の後に、See 1(One)again が欲しいなぁ。Do 1(One)で一度経験はできているから、そこでもう一度見ることができたら、どこを伝えれば良いのかポイントを絞ってしっかり見られるのではないかと思うのだけど? 一度しか見てないで、一度しかやってない人が後輩に伝えるのはただのコピーのようでTeachできるのか疑問だなぁ。

医師K:確かに!See 1(One)again、良いですね。Do 1(One)againも必要ですよね。気に入った!それが良いな。自分はそれで行きます!

私:もちろん基本に忠実なのは大切だけど。

医師K:全くのコピーだとエラーも出るかも知れないし、againがないと自分の進化も何もないですよね。
ーーー

たわいもない会話の一端だったが、心に残った。「See 1(One), Do 1(One), Teach 1(One)」というテンポの良い言葉もさることながら、againは大切な言葉として心に刺さったのだった。

考えればこの言葉「See 1(One), Do 1(One), Teach 1(One)」は、森林療法協会のミッションにも通じるものがあるな!私も気に入った 森に行って健康になる事を、実践している人はどのように伝えているのか、そのポイントを自分の視点をもって繰り返し見聞きし、学びながら自分も伝えていく…。ポイントはagainかも知れないと思ったのだ。いつもの定番のお誘い言葉は「森にご一緒しましょう♪」だったが、今年は「森、again!」が良いかも。

よし、うさぎ年の今年は繰り返し何度も森に行き、体験会も何度も開催して、森で健康になることを繰り返し伝えていく年にしようと、改めて決意した会話となった。

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posted by Yu SEKI at 15:12| 役員コラム