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2023年10月11日

自然のパワーを全身に浴びる旅

自然のパワーを全身に浴びる旅

森林セルフケアコーディネーター
星野 央


先日、四国の高知県に旅行に行ってきました。旅行ですが、実は里帰り(?)でもあります。高知県は大学院時代の2年間を過ごした場所でもあり、私にとっては森林の研究との出会いの地で、とても思い入れの強い場所です。
今回は短い滞在日程の中で、高知の自然にどっぷり浸かる旅になりました。本日はその中でも特に感動した、仁淀川町(によどがわちょう)の「中津渓谷」をご紹介します。

「仁淀ブルー」を堪能できる冒険地!
 高知といえば四万十川が有名ですが、仁淀川もまた「奇跡の清流」と呼ばれており、鮮やかな青い水面は「仁淀ブルー」として知られ、地元の人たちからも愛され親しまれている川です。
 その川の名を冠した仁淀川町には、川の周りにいくつか自然を楽しめるスポットがあり、中津渓谷もその一つです。渓谷の入り口では早速、勢いよく流れる水の力強さを感じられます。

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 渓谷には、地形を生かした遊歩道や階段が設置されており、途中には岩場もありますが、スニーカーでも歩くことができます。大きな岩と岩の間を歩いたり、まるで小さな滝のように水が染み出す場所を横切ったり、冒険気分を味わうことができます。また、遊歩道の横には七福神の石像があり、探しながら歩くのも楽しみの一つです。

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自然の雄大さを全身に浴びる「雨竜の滝」
 美しい渓谷の中をゆっくりと歩いていくだけでも素晴らしいのですが、中津渓谷最大の見どころは、落差20メートルの「雨竜の滝」です。
遊歩道を辿り、急な階段を登っていくと、岩と岩の間から、物凄い勢いで吹き出す滝の姿が見えてくるのですが、その余りの激しさに、思わず心臓がバクバクしてしまうほどの迫力です。この日は、前週の大雨の影響で水量が多かったからなのか分かりませんが、少し離れた所でも大量の水飛沫が飛んできて、あっという間に頭からずぶ濡れになりました。

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勇気を出して、滝の目の前まで行ってみました。
 ゴーーーという爆音、止めどなく溢れてくる勢いの強さ、飛んでくる水飛沫に、身も心も洗い流されるような気持ちになりました。滝はよく「パワースポット」といわれたりしますが、その所以を実感できるような体験でした。

 中津渓谷には他にも、この雨竜の滝のさらに上に位置する「竜宮渕」や、水によって削られてできた柱状の岩「石柱(いしばしら)」などの観察スポットがあります。
見どころ全てを巡っても、全体で2時間程度で入り口に戻ってくることができるので、仁淀川町を訪れた際にはぜひおすすめしたい場所です。
大きな川や滝は日本全国色々な所にありますが、まるで宝石のようなその青さに思わずうっとりと見とれ、癒されるのは、仁淀川の醍醐味だと思います。ぜひ一度、「仁淀ブルー」に癒されに行かれてみてはいかがでしょうか。

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posted by Yu SEKI at 07:30| サポーターコラム

2023年08月12日

偶然見つけた癒しの瞑想タイム

偶然見つけた癒しの瞑想タイム

森林セルフケアサポーター 
田中めぐみ



マインドフルネス。今この瞬間に意識を集中し、判断や評価を加えず、自分の心身や物事の状況をあるがままに受け入れられている状態を指す言葉。私が初めてこの言葉を知ったのは、たしかテレビの情報番組でした。番組では、マインドフルネスを作り出すための呼吸による瞑想法が紹介されていました。わかりやすい内容でしたが、室内でのかしこまって行う瞑想法に苦手意識を感じたことを覚えています。

ところが、そんな私が時を経て、マインドフルネスやその効果を簡単に体感できる「ある瞑想法」と出会ったのです。その瞑想法とは、草取り。そう、清掃活動の一環で、あの地味で単調な作業の草取りです。「は?」と思われるかもしれませんが、私にとって、草取りタイムは瞑想タイム。そして、心身のバランスを整えるために必要なセルフケアの時間となっています。

そもそも、この境地に至るには、ある背景がありました。それは今から3年前のことです。病身だった故郷の両親の老々介護生活が成り立たなくなる一大事件が勃発したことがきっかけでした。コロナ禍で遠距離介護は無理だと悟った私は、それまでの生活を強制終了。住み慣れた横浜を離れ、故郷の実家に戻りました。その後、家事や介護、問題対応に追われる日々を送っていたのですが、忙しさのあまり、ひとつだけ見て見ぬふりをしていた問題がありました。それは、家のすぐ隣にある畑のことでした。

所狭しとばかりに四季折々の花、香り、味覚を楽しめる果樹や草花、季節野菜が雑多に育つ実家の畑。祖父から受け継ぎ、40年近く両親が愛情を注いできたその畑は、私にとっても思い入れのある大切な場所でした。しかし、両親が世話できなくなった途端、見る影もなく、100坪ちょっとの畑が一面雑草に覆われてしまったのです。結局、見過ごすことができなくなった私は、多忙な介護や家事の合間を縫いながら、たった一人でコツコツと草取りをするようになったのでした。

単なる作業の草取りタイムが、癒しの瞑想タイムへと変わったのは、草取りが日課となってすぐのことです。目の前の草だけを見ながら、黙々とただ手を動かしているだけで、雑念だらけだった自分が、いつのまにか時間を忘れ、作業だけに集中していることに気付いたのでした。集中している間は、時間に追われる感覚や、それまでかき消すことができなかった嫌な感情から解放され、心が軽くなるのです。試練だらけだったダブル介護中も、懸命の介護や祈りも虚しく母が他界したときでさえも、とてつもない苦悩から遠ざかることができました。また、作業を終えた後には心が静まり、爽快感や達成感も得られるのです。さらに、抱えている問題に対し、冷静に向き合う気持ちまで生まれてくるのでした。負の感情に支配され、気持ちの切り替えが難しく、もがき苦しんでいた当時の私にとって、これらのすべてが偶然の賜物でした。

幸か不幸か、抜いた傍から生えてくる雑草との闘いはエンドレス。そのため、心身の崩壊危機から脱出した今も、草取り生活は継続中です。最近は、衰えていた五感、いや六感も復活してきました。畑の中で、小鳥たちの姿やさえずりに癒され、母が植えた草花から、母の息吹を感じています。昨日の敵は、今日の友。たくましい雑草に励まされることもしばしばあります。そして、去年の春からは、病身の父に代わり、よみがえった畑での野菜づくりにも挑戦。自分で育てた野菜の味覚も堪能しています。

大切な人や土地を守る前に、まずは自分を守ることの大切さをあらためて痛感した3年間。大好きな森でのセルフケアはまだまだお預け状態ですが、その代わり、家の隣の小さな自然の中で、偶然見つけた草取り瞑想を続けながら、今この瞬間を大切な人達と共に元気に生きていきたいと思っています。


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posted by Yu SEKI at 22:46| サポーターコラム

2023年06月12日

連載コラムBachの森歩きK「「森林から学ばせたいただいた1年を振り返って」」

「森林から学ばせたいただいた1年を振り返って」


森林セルフケアコーディネーター
 小川純子



藤沢市の三大谷戸の一つ「遠藤笹窪谷」に2022年7月にオープンした「遠藤笹窪谷公園」。

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この公園内にある花菖蒲畑の写真です。

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5/10頃から咲き始め写真は6/5のものですが、今月一杯次々と咲いていくのだそうです。
この間は「花ガラ摘み」という作業が行われ、咲き終わった花ガラをほぼ毎日、二人一組で摘んでいきながら数を数えていきます。私がお手伝いさせていただいたときは約400個の花ガラが摘まれていました。

ところで、私が「連載コラムBachの森歩き」(実はこのネーミングは原田理事長からのプレゼントなのです)を書かせていただくようになったのが2022年5月からですから、1年程書かせていただいてきたことになります。
ちょっとこの辺りでいろいろと振り返ってみたくなりました。

そもそもこのコラムは原田理事長からのご提案でしたが、私自身のために書かせていただいてきたというものでもあります。

2018年からの数年、何故かは正直分からないのですが、ただただ自分に正直に生きていきたいという内側からの強い衝動に突き動かされ、迷うことなく決断し、行動し、結果として私が置かれている環境はどんどん変わっていきました。そんな時にコラムを毎月書かせていただく機会をいただけたことで、自分の面白いパターンに気が付けるようになりました。

原田理事長から締め切りは毎月10日だと伺っていましたから、その数日前になると、そろそろ書かなくては、という思いが湧き上がってきました。何を書こうかな?どうしようかな?はっきりとした構想も思いついていないためやっぱり面倒くさいなという感覚もチラチラでてきたりもしていました。この書き出すまでが私にとっては辛い感覚となったり、自分の中でいろいろな葛藤がおこり始めたりするタイミングでした。ここを乗り越えて(大袈裟ですね(笑))PCを開け、Wordを開き、キーボードをたたき始めると何故かスラスラ言葉がでてきて、構想も決まっていきました(笑)。

そして最後に、何度も読み返しながら「なるほどね、そういうことだったのね」と、自分が書いたにも関わらずここでやっと自分を理解できるような感覚になれるのでした。

連載コラムBachの森歩き
@ 「シェアリング」2017年〜2022年
A 「樹形は変わる 樹形を変える」
B 「ひとり山歩きin熊野古道」
C 「木は生きている 木は生きもの」
D 「森林作業の体験」
E 「今の私がおこなえる『体験会』とは」
F 「私の楽しみな時間」
G 「私と娘の森さんぽ」
H 「身近なところに『みどり』がありました」 「区民ボランティア体験会」
I 「私にとって大切な存在」
J 「心穏やかに自分のためだけに過ごせたGW」
K 「森林から学ばせたいただいた1年を振り返って」

ここまで、私の勝手なおしゃべりにお付き合いいただきまして本当にありがとうございました。ここに連ねさせていただいたタイトルを眺めるだけでも、「森林」からどれだけ多くのことを私は学ばせていただいてきたのかが分かります。

ここからは、「森林」と共に新たに学んでいきたいと思います。

これからも、どうぞよろしくお願い致します。

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posted by Yu SEKI at 22:24| サポーターコラム

2023年05月17日

連載コラムBachの森歩きJ「心穏やかに自分のためだけに過ごせたGW」


「心穏やかに自分のためだけに過ごせたGW」


森林セルフケアコーディネーター 小川純子


今、私は53歳です。
24歳で結婚、25歳で長男を出産。
28歳で次男を出産し、29歳で長女を出産。
51歳で長男が入籍し祖母となり、52歳で孫が2人になりました。
53歳で次男が入籍、長女は社会人となりました。

そんな私のGWは、第二の人生に向けて準備をしてきた最終段階直前の「セルフケア」の時間となりました。自分のためだけに過ごすことができた静かな時間でした。

「自分のためだけに過ごす」なんて素敵な響き。
やっとここまで来たね。
などと自分で自分に語りかけながら今はゆっくり過ごせることに素直に感謝です。

4/30(日)〜5/5(金)までは山梨県山中湖村でおこなわれた、相模女子大学の石川勇一先生が教える「瞑想リトリート」に参加してきました。
先生のプロフィールには、臨床心理士、公認心理師、行者、相模女子大学教授とあります。内容説明には、各種瞑想法の指導・実習(心の健康法から悟りまで)スマホ断ち+沈黙の行・アーナパーナサティ16step・歩く瞑想・食べる瞑想・山の瞑想・法螺貝ワーク・止観瞑想・瞑想のためのヨーガ・ダンマの学習・チャンティング(初期仏教中心)・法談義・シェアリングと書かれていまして、すべて体験してきました。
今回で4回目の参加となります。

2018年、始めて参加した当初は3泊4日でしたが、終わると急いで車を走らせ、東名高速道路に入り足柄サービスエリアのスタバに駆け込んでいました。

その後も、なかなか瞑想は出来ずにいました。
「初期仏教」を学び「ダンマ」の存在を知ることができました。
言葉の意味は分かるのですが、腑に落ちるところまではなかなかいかない難しいこの学びと、瞑想をする意味が私にはなかなか納得ができませんでした。ですが、知り得たことへの「喜び」が湧き上がってきたことも事実でした。

常に気になったことは納得できるまでやってみたくなるものですから、できることから実践することにしました。
まずは、「五戒」を守ったらいいですよ。と、ブッダは説いたと学びましたから、ここからスタートしました。

1. 不殺生戒 生き物を故意に殺さない戒を受持します。
2. 不偸盗戒 与えられていないものをとらない戒を受持します。
3. 不邪淫戒 不倫行為をしない戒を受持します。
4. 不妄語戒 嘘をつかない戒を受持します。
5. 不飲酒戒 穀物種や果実酒など意識を酩酊させるものを控える戒を受持します。

この「五戒」を意識した生活を始めて、結構難しいなと感じたことは、1番と4番でした。
夏場は「蚊」をみつけると平気でパチンと叩いていましたし、ゴキブリをみつければ、殺虫剤でシューとしていました。「殺している」という自覚もなく平気でおこなっていた自分に気づかされました。また、嘘をついているという自覚なしに「嘘」をついていた自分にも気づかされました。石川先生から「例えば行きたくない飲み会があったとき用も無いのに、ちょっと用があるので、と言って断ることもありますよね。ここで嘘をつかずにどうやってこの場をやり過ごすか、ここは知恵が必要ですね。私は結構です、といって断っています。」と伺った時、私は結構自覚の無い嘘をついてきたなと気づくこともできました。

「初期仏教」をちゃんと学びたい。「ダンマ」を理解したい。「瞑想」を自然におこなえるようになってみたい。こんな思いを持ち続け、実践し続けて5年が過ぎていました。

写真@.JPG


富士山を身近に感じながら過ごした6日間の瞑想リトリートでは、静寂で瞑想以外に何もしなくていい環境の中ではこんなに心身が静かになるという体験ができました。この体験が5年前の私には苦痛であったのに、今はそんな感覚を思い出すことが出来ません。
実に不思議です。

最後に、瞑想リトリートに参加されていた方々との交流の中で、「森のリトリート」のスタッフの方との出会いがありました。終わってから名刺を交換させていただき、森林を使い企業の方々へ関わっていらっしゃるというお話を伺いながら、改めて「森林セルフケア」を伝えていく意義を強く感じることも出来ました。

帰りの東名高速道路では事故渋滞に巻き込まれましたが、のんびり山の景色が眺められていいかも。などと思いながら山を眺めていてびっくり。
「えっ、藤の花?」

写真A.JPG


藤棚の藤の花しか見たことがなかったものですから(笑)
今の私は気づけることが少し増えたのかも知れません。

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posted by Yu SEKI at 23:33| サポーターコラム

2023年05月08日

「みつばちがいる暮らし」 

「みつばちがいる暮らし」


森林セルフケアコーディネーター
大岡ちづる


興味を持ち始めたのはいつ頃かと思いかえすと、10年くらい前になります。近所で養蜂している方を紹介してもらい実際見せてもらったのがきっかけで、面白そうだなと興味を持つようになりました。実際に養蜂を始めたのは3年前からです。日本みつばちの養蜂は、本に書いてあるやり方が一番いいというものでもなく、それぞれがオリジナルのやり方でされている方がほとんどで、私もいろいろ見学して参考にさせていただきました。

A:こんな風にやってます.jpeg


日本みつばちの養蜂はいろんな楽しみ方があると思います。森林セルフケア同様、五感を使うこともできます。みつばちは比較的おとなしく、近くで見ていてもいきなり刺すということはありません。飛んでいるときのスピードは早いですが、着地した後の足取りは、花粉団子をつけているときは重そうで、少しよたよたして歩きます。その姿がかわいく、ずっと見ていられます。花粉団子もいろんな色の花粉があります。橙色、薄い黄色、赤っぽいもの、白っぽいもの・・なんの植物だろうかと思ってしまいます。

周りは田んぼや畑が多いので「どこにあった?いったいそれは何の植物?」と聞きたくなります。自宅の庭にも蜂が好みそうな植物を植えていますが、近くのものにはあまり目もくれず、あえて遠くの方に飛んでいきます。うちに蜂がいることで、近くの畑の実りがよくなっているのではないかと密かに思っています。

養蜂の楽しみはなんといっても採蜜。みつばちが集めた自然の恵みをいただけるのが本当にありがたいです。季節によって蜜の色、粘性や味などが違います。花の咲いている時期が違うので当たり前ですが。いろんな種類の蜜を集めてくるので、自然の薬のように感じます。蜜を採りすぎると蜂が怒ってお引っ越ししてしまうようなので、採蜜するタイミングも大事です。

B:巣板.jpeg


はちみつの甘い香りに誘われたのか、今まで来たことがなかったオオスズメバチも来るようになり、その大きさにびっくりしました。これは、みつばちの天敵なので気をつけなければなりません。
花のない冬の時期の蜂がいちばん性格的に荒れていて刺されやすいと聞きますが、私は分蜂前の3月がいちばんイライラしているように感じます。いつもおとなしい蜂が、その時期だけは離れていても私めがけて飛んできます。それで、もちろん刺されました。

みなさんは、分蜂を見たことがありますか?初めて見たときはいったい何が始まったのかと思いましたが、私は生命力のパワーを感じ、感動しました。

C:蜂球.jpeg


近くに蜂球を作るため、それをつかまえて、住んでほしい箱に入れます。気に入れば問題なくすっと入りますが、気に入らなければ、触れるのも嫌だと言わんばかりの拒否反応を示します。群の半分は気に入っても半分は気に入らないということもあり、その場合は蜂同士のミーティングが始まります。反対していたものが同意すればそのまま定住してくれますが、やっぱり気に入らないとなるとお引っ越しをしてしまいます。これはこちらの気持ちでコントロールできません。蜂の意志があるため、どうにもならないのです。それが難しくもあり、おもしろいところだと思っています。たまたま今うちにいてくれるというだけで、飼育するという感覚で飼うことができません。人の声も聞いているそうなので、だからいつも「仲良くしようね」と話しかけています。

あるとき、うちの庭の側溝で蜂が水を飲んでいるのを見ました。うちの水は井戸水で、庭の草取りも除草剤を使っていないので無害です。でも近所の田んぼや畑とかはどうでしょう?もし農薬を使っていて、その水を蜂が飲んでいたとしたら?蜂にとってもやはりいいものではなく、蜂にもすくなからずよくない影響を受けているのではないかと思いました。
分蜂し、家族が増えることで、生態系が豊かになると思います。作物の実りがよくなり、私たちの生活も豊かになります。昨今土地開発や品種改良された園芸品種、農薬の影響などにより、日本みつばちが減少しているとも聞きます。虫が住みにくい環境は人間にとっても住みにくいのではないでしょうか。

みつばちと仲良くするのはいまだ模索中ですが、蜂の気持ちと寄り添いながら、共存できたらいいなと思っています。


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posted by Yu SEKI at 23:09| サポーターコラム

2023年04月12日

植物療法と禅・オプティマムヘルス

植物療法と禅・オプティマムヘルス

森林セルフケアサポーター  古屋 清美


いつも皆様の活動を楽しく拝読させて頂いております。 協会員になって十年以上経ちます。活動らしき事は特にしていませんが会員の皆様が 素敵な方々で、繋がっていたいので継続させて頂いております。

出産を期に前職を辞め子育て中にアロマテラピーやハーブが趣味となり学び始めました。 今は植物療法のインストラクター、セラピストが職業です。 都心に出向き植物療法(森林療法も含む)やホリスティックヘルスの学びを深める毎に、 自分が住んでいる所の良さに気づきました。

私は神奈川県南足柄市(箱根の麓、小田原の隣市)で生まれ育ち、 一度も南足柄市を離れた事がありません。あまりにも身近すぎて客観的にここの良さを 知る事がなかったのですが、市の70%が森林である事に尊さを感じるようになりました。 プライベートで様々な困難と捉えられる物事が続き、頻繫に寺院参詣するようになり 坐禅会に参加、恩授戒で在家得度をしました。 仏門の師匠は、現在曹洞宗総本山総持寺貫主となられた石附老師です。

A:大雄山最乗寺.jpeg


禅の学びで「空」である事を何度となく教えられました。 「クウ」とは、とらわれない・かたよらない・こだわらない心。 簡単なようで案外私たちは、それらで執着、葛藤に苛まれることがあります。 同じ事象が目の前に来ても全く違う捉え方が出来る。そうなるには己の魂、心を磨く事。 坐禅をするだけ無く、空の境地に少しでも近づこうとする事が大切であると感じました。

ある時、私が坐禅会に参加している事を知った方が「私もやりたいと思っていたのです」 と言われ寺院に相談したところ。私主催で坐禅会を受け付けて下さるとの事。 存分にこの自然を満喫して頂くために「坐禅⇒精進料理⇒拝観⇒御祈祷⇒老杉茂った山内 を自由散策」というプランを立てました。 坐禅は調心、調息、調身が基本。息に集中、シーンと静まり返った空間。 線香の香りと警策棒の音が鳴り響く。頭によぎった物事、感情はすぐ過ぎ去り後を追わない。 1 時間弱ながらも、頭がスッと軽くなります。

B:座禅会.jpeg


坐禅の後は僧侶手作りの精進料理を頂く。野菜などの素材の美味しさを味わう。 私達が日々どれだけ余計なものを纏っていたのかを体感します。 食後は広大な敷地に点在する堂塔拝観、滝の音・鳥のさえずりを聞きながら御祈祷場へ移動。

C:祈祷所へ向かう階段.jpeg


激しい太鼓に合わせての読経、カネ、リンの音で圧倒される御祈祷で浄化の嵐を浴びる。 その後、自由解散して各々広大な森林を散策して頂きます。 まずは、心を調えて浄化したあとに森林浴をして頂く。その時サポーターはいません。 自分のペースで思いのままに自然を感じて欲しいと思っているからです。

D:自由解散して散策して貰う.jpeg


坐禅会を行っている大雄山最乗寺は 1394 年(応永元年)今から 629 年前に建立。 関東の霊場として知られ、境内山林 130 町歩、老杉茂り霊気は満山に満ち溢れています。 守護道了大薩埵は「大雄山を護り多くの人々を利済する」と誓願文を唱えて十一面観音に姿 を変え信仰を深くして多くの参詣者がいます。森林自体が聖なる場です。

最近、オプティマムヘルスの話を伺いました。 その人にとって最適な心身状態を目指すヘルスケア。一人一人の「最適」は違う。 それには自分を知る事が大前提であること。自分を知ることは、なかなか難しいです。 禅の教えが「自分を内観」「自分を知る」事の助けになってくれました。 私は、植物を味方につけながら日々の物事をポジティブに捉えられる事が真の植物療法 だと思っています。最終的に慈悲・感謝・祈りの心でいれたら楽に生きられます。 20 回続いていた坐禅会がコロナ禍で中断しています。 楽しみにして下さっている方がいるので今年の秋に再開するのが目標です。 今後も協会で学ばせて頂きたいので宜しくお願い致します


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posted by Yu SEKI at 18:46| サポーターコラム

2023年03月14日

はじめてのお茶会

はじめてのお茶会


森林セルフケアサポーター
山田美香


ドキドキ高鳴る胸の音
えい!

〜そこはとてもあたたかく心地よい風がふいていました〜

なかなか始動できずにいた初心者の私は、何からどうしたら良いのか?と思った時、たびたびメルマガに書いてあって以前から気になっていた「森のお茶会」を思い出しました。

私事ではありますが、2022年5月、突如左耳の聴覚異常と顔面痛というウェイクアップコールを受けショックと動揺の中にいました。
「自分に目を向けよ!」と身体の中から声が聞こえ、そこからはありがたいことに、許される限り自分の思うままに時間を使い、ワガママも許し、日本人にありがちな"〜ねばならない、〜でなくてはいけない"を手放し、兎にも角にもスローダウンを意識していました。

音が痛い私にとって、ただただ山を眺めたり、歩いたり、瞑想したり、清流の音を聞いたりして過ごすことができたのは、秘境と呼ばれるような静かな宝の地に暮らしているからであり、とてもありがたい事でした。

"今の私に何ができるのかな"と常に頭から問いかけられ焦りすら感じる中、

自然の中の音はとても優しく心地よかったし、川の流れに身を任せる葉や、石に堰き止められている葉を見た時、ふと気づきました。

私は今、森林セルフケアの中にいる。

"この体験を必要な方に届けたい"という思いが次第に心から湧き上がってきました。

まずは今年中には必ずお茶会に参加するぞ!と決め、当時受講していた学びが終了したタイミングで、見事12月にお出かけが叶いました。決めると叶うのですね!

みなさんとの"つながり"がなによりも心強い。

ドキドキしましたが原田理事長はじめ、ご同席の皆さまがこれまたあたたかく、お話も楽しく、興味深く、勉強になります。疑問に思うことも丁寧に聴いてくださり、私にとってホームのような場所です。


3月14日は私の誕生日。ここから動き出す!と決めたら、また新たな風に背中を押していただき、3月17日にデビューすることになりました!

高く帆をあげ、みなさんからの風を受け、いざ出航です!

今後もたくさんの方とつながり、交流できたら嬉しいなと思い今月もお出かけする予定です。
参加を迷われている方、是非ご一緒にお茶会に参加しませんか?

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posted by Yu SEKI at 21:32| サポーターコラム

連載コラムBachの森歩きH「区民ボランティア体験会」


「区民ボランティア体験会」

森林セルフケアコーディネーター
小川純子


今私は、身近にあった「みどり」が気になって仕方がありません。

前回ご紹介した「一般財団法人世田谷トラストまちづくり」という財団との出会いがきっかけとなっています。

世田谷区内にある、市民緑地(都市に残された民有地のみどりを保全し、地域に憩いの場を提供することを目的とした都市緑地法によって定められた制度であり、財団が土地所有者と契約を結び一般公開している)や、自然体験や環境保全を目的とした公園緑地(財団と区民ボランティア協働で運営を進めている)、「みどり」でつながる「地域のつながり」に今とても惹かれています。

今回は、「岡本静嘉堂緑地バッタ広場」ボランティア体験会に参加してきました。
場所は国分寺崖線の一画にある広大な緑地です。そこには岡本公園・岡本公園民家園・静嘉堂文庫美術館もあります。

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その西端の一部を世田谷区が岡本静嘉堂緑地バッタ広場として公開し、財団の岡本緑地ボランティアが管理しているのだそうです。
我が家からは自転車で20分程のところにありました。
体験会の日は晴天で心地の良い日となりました。岡本というところは坂道が多いところで自転車ではちょっと息があがることもありましたが、丁度いい有酸素運動となり、体験会に向けてのウオーミングアップとなりました。

集合場所では女性の担当職員の方が待っていてくださり、私を含め女性3名が本日の体験参加者だと紹介されました。ここ数年、地域でのいろいろな活動を経験させていただいていますが、私が興味をもって参加する場では大概私が一番年下となっていました。
ここでもそのようでした。

「本日の体験会の目的はまず、自然観察や作業を通してここにある自然環境を身近に感じていただきたいのです。そして楽しんでもらいたいのです。」この担当職員の言葉を聞いて、何となく私にとって居心地のいい場所になるかも。
そんな予感を感じながら体験会がスタートしました。

一般に開放されている岡本静嘉堂緑地バッタ広場はさほど広くはないのですが、区内ではなかなか見かけなくなったジュズダマやホタルブクロやシロバナタンポポが自生しています。と説明を受けてすぐ「あっ、咲いていますね。」

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シロバナタンポポ、初めて観ました。

いくつかの植物の説明と、調査活動をされている方々にご挨拶をしながら本日の作業場となる場所へ移動していきました。
そこは、フェンスに囲まれていて一般には開放されていない緑地の一部だという場所でした。

B (1).jpg


以前は緑地内の緑道は全て開放されていたようなのですが、こちらを管理運営するボランティアが少ないという事と立地的な問題から安全な緑道を維持しきれないという判断で閉鎖され放置されているのだそうです。今は入り口付近のみでの保全活動と調査活動をしているとのことでした。本日の作業はここに溜まった落ち葉をかき集め堆肥をつくるスペースに運ぶというものでした。
熊手をお借りして、作業を始めると土がみえてきて、どんぐりがコロコロと現れ、あちらこちらに木の芽が出始めていました。「これはシラカシですね」葉を触っていた私に気がついた担当職員の方が教えてくれました。
「これは私もわかりました!」(私の心の声)
そして、地上に出ていた竹の根を指さして、「このふくらみがタケノコになるのですよ、でも落ち葉の下で地上にでてしまったからこの芽は大きくなれませんね。この土の中ではタケノコがぐんぐん育っています。こちらにはタケノコ掘りの名人もいますから一緒に体験もできます」 
「ということは、ここのボランティアになったらタケノコ掘りができるということ?テレビで観たタケノコのお刺身が食べられるということ?」(私の心の声)
などと勝手に連想しながらまた作業に戻りました。

ご縁がもてた方々との休憩の時間のお喋りは私の楽しみのひとつです。
私以外の体験者の方々や参加されていたボランティアの方々はほとんどがこの地域周辺にお住まいでした。私の住所をお伝えすると「あんな遠くから自転車できたの?」と驚いていました。一言で「世田谷」といっても地域ごとに本当に風景が変わります。私には自転車20分の距離でも田園都市線4駅分ですから、改めて世田谷の広さを感じることができました。

気がつくと担当職員の方の姿が見えなくなりました。
「あれ、いない。まあいいか。」(私の心の声)
すると、「小川さん、これ何かわかりますか?」と背後から担当職員の方に声をかけられ、振返ると手のひらに黒いものがのっていました。「貝?タニシ?」(私)
「これカワニナという巻貝なのです。ホタルの餌になるのですよ。以前は民家園でホタルが飼育されていたのですけど、管理運営ができなくなって止めてしまいました。この緑地に沿った丸子川には餌となるカワニナはたくさん生息しているのですけど、この地の自然環境ではホタルは生息できなくなってしまっているので残念なのです。」
「一番の問題は何なのですか?」(私)
「はい、いくつか条件はありますが、一番は夜の街頭や住宅からの光なのですよね。これは、どうにもならないですから。」確かにこの緑地に沿って川が流れ、対岸は住宅が立ち並んでいます。「人の側からは便利な光だけど、ホタルには迷惑な光ということだよね。」当たり前のことなのに、全然意識したことがありませんでした。つくづく自然からの視点というものが私には欠落していたのだと、こういうちょっとした会話の中から気づかせていただいています。

あっという間のボランティア体験会を終え、担当職員の方から
「月2回の活動ですが、いらっしゃれる時に来ていただければ結構です。もしか、ご登録いただける方はいらっしゃいますか。」
即「私登録します!皆さんと一緒に作業ができたことが楽しかったから。」と手をあげたら、「私も楽しかったわ、登録します!」「じゃあ、私もお仲間に入れていただきます!」私を含め本日の参加者全員、岡本緑地ボランティアになりました!

帰り際に、担当職員の方と地域の緑地について個人的にお話を伺っていたら、「小川さんは町会の理事をされていますよね、実は私の母も小川さんが所属されている町会の理事なのです。あそこの町会は理事がたくさんいらっしゃるからご存じないかもしれませんが。」改めて苗字とお名前を伺い、こういう繋がりもあるのだなと、二人で笑ってしまいました。

またひとつ、私の居場所ができました!


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posted by Yu SEKI at 21:22| サポーターコラム

2023年01月15日

連載コラムBachの森歩きG「私と娘の森さんぽ」

「私と娘の森さんぽ」


森林セルフケアコーディネーター
小川 純子


2022年12月中旬、「お母さんが何度か行っている藤沢にある農家レストランに連れていってほしい」突然娘からお願いされ、お互いの予定を合わせ年内最終営業日となる12月24日にランチの予約を入れました。「せっかくだから、ランチの前にお母さんがお手伝いしている公園に行かない?」今度は私が娘を誘い、早朝6時に家を出て私の運転で「遠藤笹窪谷公園」に二人で向かいました。

私は車を運転することが昔から好きでした。

車自体が好きなわけではなく、一人になれる空間が車だったからです。
結婚して母親となってからは私と3人の子供たちの大切な空間としての車ともなりました。
3人の子供たちが幼かった頃はよく夜のドライブに行きました。夜なかなか寝ない子供たちを車の後部座席に乗せ「ねんねこドライブ」と称して、一人ひとりにタオルケットを巻いてそのまま眠れるようにしてから、車を運転し1時間ほどあてもなく走っていたこともありました。
子供の成長に伴い、車中は説教の場となったり、喧嘩の場となったり、楽しい遊びの場となったり、くつろぎの場となったりもしました。書きながらいろいろなことが思い出されてきます。

この日は、久しぶりの娘と二人きりの早朝ドライブでした。
私が音楽をかけようとすると、「お母さん、早朝のドライブはやっぱり気持ちがいいね。こうやってボーっと外眺めることって、ここのところ無かったかも。なんかさあ、山がきれいだなって思えてきた。今日は携帯、触りたくないな。音楽もやめようよ。」今までなら、ずっと携帯をいじっていて、すぐに「なんか音楽かけてよ」という娘でしたから、ちょっとびっくりしました。

渋滞もなく1時間ほどで高速をおりましたが、最近眠れないと言っていた娘は助手席で気持ちよさそうに眠っていました。途中にあったスタバに立ち寄り、車の中に娘を寝かせたまま私一人で30分ほどくつろいでから公園に到着しました。

公園の駐車場に車を止め、「ボランティアスタッフとして来るときはもっと公園の中にとめられるんだけどね」と、ちょっぴり娘相手に自慢をして「では、今日はお母さんが木についていろいろ教えてあげましょう」と言いながら笑う娘とともに散策スタートです!

公園に入り開口一番「これが公園?」この娘の反応に、このリアクション私と同じだ。そう感じていたら、いきなり走り出し「気持ちいい」と叫ぶ娘に、うんうん本当にそうだよねと笑顔の私。

写真@.jpg


写真A.jpg


私「では問題です。この木はカヤという木なのですが、別名松田聖子の木とも呼ばれています。何故でしょうか?」
娘「意味がわからない」
私「正解は、匂いを嗅いでみてください!」
娘「すごい、いい匂い!!」
私「フレッシュ、フレッシュ、フレッシュ、♪って教わたのよ (笑)」
娘「やっぱり昭和だ〜(笑)」

二人で楽しみながら公園を歩き、

写真B.jpg


森を歩いていきました。

二つの森を2時間ほどかけて歩いたころ、娘から「お母さん、本当に体力あるね。本当に楽しそうに歩き続けるよね。私はもうそろそろおわりにしたいです」といわれ、今日はこの辺までにしておこうと、駐車場に戻ることにしました。
戻る途中で、「ちょっと想像と違っていたことがあるんだけど、言ってもいいかな。ゴミがすごくて残念だった。森ってこういうもの?」確かに、私も残念に感じていました。

写真C.jpg


こういった看板があちらこちらにあるのですが、その近くにテレビやタイヤが捨てられていたり、冷蔵庫もありました。正直、ここで森林セルフケアは無理だなと思っていたところでした。
娘と「本当に残念だよね、今度来るときは空き缶くらいは拾えるからゴミ袋を持参しようか」と話ながら、私と娘の森さんぽを終え、車に乗り込み農家レストラン「いぶき」へ向かいました。

最後に、ずっと眠れないと言っていた娘が翌朝「久々に眠れた〜」と起きてきました。

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posted by Yu SEKI at 09:17| サポーターコラム

森遊びを愉しむ

森遊びを愉しむ

森林セルフケアサポーター 左賀秀機


森林空間サービスを森林業の一分野として取り組む時代の到来を嬉しく思っています。林野庁の「フォレスト スタイル ネットワーク」に登録申請したところ承認も頂きました。どうすれば森で「癒し」を感じてもらえるか、「寛ぎ」を覚えてもらえるか。自分で体験したことを伝えようとせいぜい、近くの森に行くようにしています。

とはいえ、それだけではありません。実は、変形菌(粘菌)との付き合いが始まったから森が気になって仕方ないというのが正直なところです。
変形菌はその名の通り変形します。しばらく観ない間に変形体は子実体になっていることもしばしばあります。変形のプロセスで見せる姿にひかれ、その様子が気になって仕方がありません。まるでペットを飼っているようです。出会ったその後が気になり、昨年末には多少の雪をものともせず雪中見舞に行きました。その姿を見てこころはホットになりました。森で過ごすのは一刻(2時間)をめどにしていますがとにかく病みつき状態です。

写真は上(左)キラキラホコリの変形体 (右)未熟な子実体 下は成熟した子実体

A:キラキラホコリ.jpg


よく行く国有林のほかにmochiyamaに向かうことも随分多くなりました。それも育林目当てでなく森林空間のもたらすサービスを受け取るためにです。台風の置き土産の倒木は嘆きの種でしたが、今や変形菌というお宝が潜む資源となりました。
森では苔を見ては立ち止まり、地衣類を見ては立ち止まりと自ずとスローとなり、まさに「スロー山歩」です。変形菌でも見つけようものならその場に暫しとどまることになります。もちろん協会の体験会プログラムを思い起こしてもいます。楽しかったことの幾つかを報告します。

【五感を感じる】
私のフィールドで探菌会をした時のこと。「見ほれる苔に立ち止まり、上の落ち葉を取り除いた後タッチしましょう」と、勧めたところ、おでこを付けて歓声、頬を付けて歓声。ならば私もと真似たところなんとも心地のいいこと。新発見でした。それ以来、手でタッチするのに加えて顔面タッチを楽しむようになりました。

B:五感を感じる.png


【自然観察的体験】
大文字山の登山道でのこと。チャートが磨かれているのを目にしました。あの堅い岩がです。人の踏み圧の為せるところと知りました。樹木の浮き根を、「これはフラクタルだ」などと思いながら、踏んで通り過ぎていましたが、根が傷ついて痛々しそう。絶えず修復して頑張っているんでしょう!凄い!これからは出来るだけ踏まないようにと。踏んでも、「ごめんね」とつぶやくこととします。

C:自然観察的体験.png


【心理療法的体験】 
ゆっくり歩こうと森に入るものの、つい急ぎ足になっていることにハッと気づき、「今はbeingモードで」と、モードチェンジ。それももつかの間、「doingモード」にハッと気づきます。スロー山歩は歩くマインドフルネス瞑想に打ってつけとお気に入りの取り組みです。いま地面を感じている。いま谷川のせせらぎの音を耳にしているなど、五感をつぶやくことで今に留まり、きっと脳の休養になっているのでしょう。とにかく心地よろしいです。

【スピリチュアル体験】
変形菌を探すことで、「菌眼」を養うことができ、小さな命に気づくことが増えました。スピリチュアルな世界へいざなわれます。数ある中でまれに発根のどんぐりを探し当て、「今いのちがどんぐりしている」と同時に、「いまいのちが私している」(1)と、生かされていることを改めて実感します。そして、今日あることに感謝します。
順天堂大学湯浅資之教授は、「スピリチュアル・ヘルスとは明確な定義がされているわけではありませんが、概ね生きる目的や意味を認識したり、ありのままの自分を受け入れたりする健康のことを言います。」(2)と述べられています。 

D:スピリチュアル体験.png


【社会的体験】
森で出会った人から元気をいただくことしばしばです。あるご婦人に出会った時のことです。「登山を趣味にして事故もなく今日が迎えられました。もう山登りは出来ない歳。せめて恩返しと思って」と、ごみ袋を持って歩いていられるのに頭が下がりました。棄てられたごみを見てふしだらをぼやくばかりの私は反省することしきりでした。話の内容はさておき立ち話は、綺麗な花にも勝りこころウキウキ、足取りが軽くなるのを覚えます。もちろん話しかける相手を選びはしますが。
イベントで森に行くだけでなく日常的に森に入ることを多くの方に経験していただけたらと願っています。後期高齢者と言われる私にとってフレイル予防、健康寿命延伸、若者の保険料負担軽減につながっていると確信しています。当面、私のフォレストスタイルを発信し続け、真似てくださる人が現れるのを待つとします。

【出処】
(1)菅井啓之著「美しい心を育む自然観察」(文溪堂)
(2)公益財団法人札幌がんセミナーwebサイト
https://scsf.info/faq_cancer/%E3%82%B9%E3%83%94%E3%83%AA%E3%83%81%E3%83%A5%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%98%E3%83%AB%E3%82%B9%E3%81%A8%E3%81%AF%EF%BC%9F/

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★次回のイベントにご参加されませんか?イベント情報はホームページをご参照ください!
 https://foresttherapy.wixsite.com/forest

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posted by Yu SEKI at 08:59| サポーターコラム