• もっと見る

2023年10月11日

今こそ“森林ミツバチセラピー”

今こそ“森林ミツバチセラピー”

理事 降矢英成

 今年の森林セルフケアフォーラムは「森林ミツバチセラピー」をメインテーマに行います。

 基調講演を行っていただくトウヨウミツバチ協会の代表の高安氏は、「養蜂」を主に福祉領域に普及されることに尽力されています。

 そこから「ミツバチセラピー」という言葉が生まれてきました。

 そこまでは分かるのですが、高安氏は、さらに、ミツバチが生きるための花など、いわゆる「蜜源」を大事に考えていらっしゃいます。

 蜜源となる花には、クリ、トチノキ、ニセアカシアなど「樹木」のものも少なくなく、そこから「森林療法」や当協会にも関心を持って下さったのです。

 その結果、「森林ミツバチセラピー」という言葉ができてきたのです!

 そして、その活動の場所として、高安氏自身が何と東京の中心の銀座のビルの屋上で養蜂をなさっています。

つまり、必ずしも山の奥だけでなく、街路樹や公園の樹木が蜜源となっており、これは私たちが「都市公園で森林セルフケアをしましょう」という姿勢と一致しています。

その上で、地方の自然豊かな福祉施設では、森や果樹園の樹木を蜜源とした、まさに「森林での養蜂」も行っています。

また、ストレスケアとしては、蜜を集めるために、次から次へと花を飛び交うミツバチの姿を眺めることが、意外な癒し感を得られることにも気づきました。

ビビリの私なのに、眺めているとまったく恐くなく、むしろ愛らしい、愛おしいという感覚が湧いてきました。

何でもない風景なのですが、その情景を眺めていましたら「あぁ、平和だな〜」という気持ちが湧いて自然と涙ぐんできたのです・・。

最近では、環境の悪化によって、ニホンミツバチが減ってきていることが危惧され、日本の生態系が変わってしまう危険性も指摘されています。

 この時期に、今回「森林ミツバチセラピー」というテーマでフォーラムを行うことは、時宜を得たものだと思っております。

 多くの皆さまのご参加をお持ちしております!


❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖

★次回のイベントにご参加されませんか?イベント情報は下記サイトをご参照ください!
 https://jfts.peatix.com/view

★NPO法人日本森林療法協会 Facebookページに「いいね!」で最新情報をチェック!
 https://www.facebook.com/TheJapaneseForestTherapySociety

❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖
posted by Yu SEKI at 07:26| コラム

2023年08月12日

「みつばちの里」づくり/森林療法×ミツバチの可能性

「みつばちの里」づくり
森林療法×ミツバチの可能性


一般社団法人トウヨウミツバチ協会
代表理事 高安和夫



 前回は、ミツバチはどんな生きものか?というお話をしました。女王蜂の誕生など、ミツバチ特有の生態について解説しました。今回は、そのミツバチがどのように森林療法と関係し、社会課題の解決に役立つ可能性について、皆さんと考えたいと思います。

 トウヨウミツバチ協会では、「障がいを持つ皆さんの、心のケアに貢献する養蜂活動」について研究しています。それと同時に、養蜂分野での「GAP(持続可能な生産工程管理)導入」の調査もしています。持続可能な養蜂において最も大事なことは「蜜や花粉を出す樹木や草花を植えることです。」皆さんはミツバチが花蜜を集めることはご存知だと思いますが、受粉した花から花粉を集めて来ることを知っていますか?ミツバチの餌はハチミツと花粉です。ハチミツは炭水化物で活動のエネルギーになります。そして花粉からは蛋白質、脂質、ビタミンやミネラル類を吸収します。ミツバチ達は「8の字ダンス」で仲間に蜜源となる花の場所を効率よく伝え花蜜を集めますが、花粉については個々が自由に飛んで行って好きな花粉を集めて帰ります。なぜかというと多様なビタミンやミネラルを集めて群れの健康を維持するようにプログラムされているからです。

そこでミツバチにとって良い環境は?と言うと、「多様で豊富な花粉にアクセスできる環境」になります。その為に、ミツバチ達が年間を通して蜜や花粉を集められるように樹木や草花を植えることが推奨されています。そして、今、全国の市民活動やニホンミツバチの養蜂グループでは、荒廃した里山を開墾するとか、杉やヒノキを伐採した後の山を利用して、ミツバチのために蜜や花粉源となる樹木を植える「みつばちの里」づくり活動が始まっています。その事例を皆さんにご紹介したいと思います。

 仙台駅から車で40分ほどの、宮城県富谷市は仙台のベットタウンとして、57年連続で人口が増え、特に子育て世代の転入者が多く、子育て支援制度も充実しているそうです。そして、それだけではなく「豊かな自然が残っている」ことも特徴です。そうした中で地元のNPO SCR(理事長村上幸枝氏)では、市民ボランティアと一緒に荒廃した里山を開墾し「みつばちの里」づくりを進めています。

写真1.jpeg


かつては、美しい棚田があったと思われる里山も、開墾が始まる前は、竹が生え放題で、背丈ほどもある草に覆われていたそうです。それを少しずつ開墾し、畑を作り、花を植え、ミツバチの巣箱も設置しました。花にはミツバチだけでなく、たくさんの種類の花蜂の仲間や蝶の仲間が集まり、まさに自然の楽園です。そして畑では、ジャガイモや玉ねぎ、枝豆など季節の野菜を育てています。NPOが中心となり、市民の手で癒しの里山を作り、活動日には毎回十数名のボランティアが集まり、畑作業や里山整備、ミツバチのお世話など好きな作業に参加するそうです。

 そして紹介したいのは富谷市立富谷中学校西成田教室の活動です。子育て支援が充実している富谷市では文部科学省の指定を受け、不登校の特例校として富谷中学校の分教室を開設しました。カリキュラムでは「総合的な学習の時間」を多く設定し、里山の自然と触れ合い、地域の皆さんとの交流の環境を整えました。生徒たちは月に1回、2時間の授業として「みつばちの里」の活動に参加し、地域のボランティアメンバーと養蜂や野菜作りの他に、竹の伐採など環境整備や薪割りなど体験します。私達は7月の養蜂体験の日に訪問しました。この日は蜜の入った巣枠を巣箱から取り出して、蜜刀で蜜蓋を切り、遠心分離機でハチミツを収穫する採蜜体験をしました。

巣枠を取り出す作業は希望者が担当しますが、蜜蓋切りや遠心分離機を回す作業は全員が体験しました。そして、遠心分離機からハチミツが流れ出る瞬間は全員で歓声をあげました。その後は、お楽しみのハチミツ試食です。養蜂場にはシンボルツリーのような大きな「ケンポナシ」の木があります。ちょうど花期を終えたばかりで、つい先日まではミツバチ達もたくさん集まっていたそうです。その日のハチミツは「ケンポナシ」独特の味と香りがしました。「そうか、この木からハチミツを集めたんだ!」と言って木に触れ、いとおしそうに木の肌を撫でる生徒もいました。そして、生徒たちはニコニコ笑顔で帰路につきました。

写真2-2.jpg


生徒たちが帰った後にボランティアの皆さんから話を聞くと「はじめはみんな下を向いて話しかけても反応がなかったけれど、少しずつ打ち解けて、今では冗談を言い、笑顔も見せるようになった。」と、その変化を語ってくれました。自然に囲まれた里山での体験とボランティアの皆さんとの交流が生徒たちの心を明るくしたのだと感じました。「みつばちの里」での活動は、生徒たちを明るくするだけではなく、そこに集まるボランティアの皆さんの心も明るくするのではないかと思います。

いま全国各地で「みつばちの里」や「みつばちの森」づくりがはじまっています。その活動に森林療法の知識を持つ皆さんにも参加いただけると「笑顔が集う里や森」が全国に誕生する気がします。
 
❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖

★次回のイベントにご参加されませんか?イベント情報は下記サイトをご参照ください!
 https://jfts.peatix.com/view

★NPO法人日本森林療法協会 Facebookページに「いいね!」で最新情報をチェック!
 https://www.facebook.com/TheJapaneseForestTherapySociety

❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖
posted by Yu SEKI at 22:31| コラム

受託事業「就労支援施設・リヴの森林セルフケア体験会」のご紹介

受託事業「就労支援施設・リヴの森林セルフケア体験会」のご紹介

担当理事 降矢英成



 当協会では、現在、一つの事業を受託しております。それが、主にメンタル疾患で仕事から離れている人の就労支援の施設を運営されている(株)リヴァさんからのものです。

 メンタル疾患などで仕事から離れている方が、仕事・社会に再び関わることを目指すのを支援しているのが「就労支援施設」ですが、実は、似たようなものとして、休職している方が復職するのを支援する施設のことを「復職支援施設」といいます。リヴァさんは、この2種類の施設を合わせて5つくらい運営されています。

 復職支援の場合は、現在、休職中の方が同じ会社に「復職する」のを支援していますが、「就労支援施設」の場合は、現在退職している方が、新しく次の仕事の場を探す状態となっていますので、強いていえば「転職支援」という感じになります。

 形態の違いについてはこのくらいにしておきまして、実際は、どちらの方々も「メンタル不調」であるという共通点があります。そういうメンタル不調の方々に「森林セルフケア」をストレス対処の「リソース」の一つにしていただく目的で行っています。

 現在、年間4回、1回2時間半程度、都内の都市公園で行っています。参加者は、以前「就労支援施設」と「復職支援施設」の両方から参加者がいたときは10名以上(20名まで)と多かったのですが、現在は就労支援施設の利用者のみと変わったため5〜10名の間となっています。

 しかし、参加された利用者さんは、ほとんどが森慣れしていない方で、多くは初めての体験者ながら、森・自然がストレス対処のリソースの一つになることに気づいていただけますので、やりがいを感じています。

 委託元の(株)リヴァさんは、今では、東京での通所施設だけでなく、休職者の滞在型の施設を、奈良県の下北山村という山村で行うようになっており、柔軟な発想をお持ちの事業者さんなので、この受託事業も5年以上継続していただいています。

 数年前には、森林セルフケアフォーラムのメインゲストとして、(株)リヴァさんのご担当者の方々にご登壇いただきましたが、とても充実した内容となり、いろいろな学びが多かったフォーラムになったことを記憶しています。


❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖

★次回のイベントにご参加されませんか?イベント情報は下記サイトをご参照ください!
 https://jfts.peatix.com/view

★NPO法人日本森林療法協会 Facebookページに「いいね!」で最新情報をチェック!
 https://www.facebook.com/TheJapaneseForestTherapySociety

❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖
posted by Yu SEKI at 22:27| コラム

2023年06月12日

「ミツバチってどんな生きもの?」

「ミツバチってどんな生きもの?」


一般社団法人トウヨウミツバチ協会
代表理事 高安和夫


 前回は、ミツバチと人との関わりや歴史について紹介しました。今月は「ミツバチの生態」についてお話します。まず始めに、ミツバチの家族について紹介しましょう。皆さんも「女王蜂」や「働き蜂」という言葉は聞いたことがあると思います。さて、ここでクイズです。「働き蜂は、男の子でしょうか?女の子でしょうか?それとも両方いますか?」さあ、どうですか?答えは「働き蜂はすべて女の子です。働き者はミツバチの世界も人間の世界も女性です。」(講演会では、皆さんが笑う場面です!)そうすると、もちろん「雄蜂」もいますね。

 ミツバチの家族は初夏の最盛期に、大きい群れだと5万匹以上に増えることもあります。その群れに女王蜂は1匹のみ、約95%が働き蜂で、5%程度が雄蜂です。そう聞くと、1匹の女王蜂が5万匹の働き蜂や雄蜂を従えているようですが、必ずしもそうではありません。女王蜂の仕事は卵を産むことです。むしろ群れの意思決定はベテランの働き蜂達の総意で決まります。その証拠に、女王蜂が卵を産めなくなる、またはケガをすると、働き蜂は新しい女王蜂を育てます。やがて新女王が誕生すると旧女王は群れから追い出されてしまいます。残酷なようですが、これが何万年も種を繋いできたミツバチの知恵です。

 そうはいっても女王蜂の寿命は2〜3年です。それに比べてハチミツを集めるシーズンの働き蜂の寿命は1ヵ月(冬の間は3〜5カ月)です。そして女王蜂は4〜7月の流蜜期には、毎日2千個の卵を産むと言われています。かなり重労働ですね。女王蜂の食べ物はローヤルゼリーですが、働き蜂が沢山のローヤルゼリーを女王蜂に食べさせて、どんどん卵を産むように指示を与えているとも言われています。また、働き蜂の一生は、卵で3日、幼虫で6日、蛹(サナギ)で12日、合計約3週間で羽化します。その後、巣房の掃除、幼虫への餌やり係り、ローヤルゼリーを出して女王蜂のお世話係り、お腹から蜜蝋を出して巣を作る係り、働き蜂が集めた花蜜を巣房にハチミツとして蓄える係り、そして入口の見張りや空気を入れ替える係りを経験しながら飛ぶ練習をしていきます。やがて羽化して2週間が過ぎた頃から花蜜や花粉を集める係りになります。その後、2週間ほど外勤の仕事をした後、その一生を終えます。つまり5月〜7月(地域により異なります。)の流蜜期には、毎日2000匹のミツバチが生まれて、死んでいくのです。つまり、もし何かの事故で女王蜂が不在になり、2週間以上産卵が止まると、やがて3万匹以上のミツバチが群れから消えて行くことになります。これは群れ消滅の危機ですね!

 そこで、もう1つ不思議な蜜蜂の生態を紹介します。女王蜂の産む働き蜂の卵は、全て女王蜂になれる可能性を持っていることです。もう少しく詳しく説明します。働き蜂の幼虫の期間は約6日間ですが、はじめの3日程度はローヤルゼリーとほぼ同じ成分のミルク状の餌が与えられます。その後、花粉とハチミツを混ぜた花粉団子が餌となり急激に体が成長し、働き蜂の蛹となります。ところが、4日目以降も働き蜂達がローヤルゼリーを与えて、王台という女王蜂の蛹となるように巣房を準備していくと、すべての幼虫は女王蜂へと成長していきます。これも群れの女王蜂が不在にならないようにするため、神様から与えられたミツバチの生態の特徴です。

 さて、話題を「雄蜂」に移しましょう。雄蜂の仕事は何でしょうか?ズバリ交尾の仕事です。ある大学の研究グループが雄蜂の生態を解明するために、毎日24時間交代で、1週間以上、同じ雄蜂を観察したそうです。すると雄蜂は、働き蜂の運んでくる餌を食べて、一日の大半を巣の中で休んでいるか、寝て過ごすそうです。そんな雄蜂ですが毎日12時を過ぎると活動をはじめるそうです。やがて1時過ぎには巣を飛び出し15時過ぎには戻るそうです。どこに行ったと思いますか?
雄蜂たちは、太陽が午後の時間に傾くと、近隣の雄蜂が集まる交尾場所へと向かいます。そして、未交尾の女王蜂が飛んで来るのを待つのです。そして、見事、交尾に成功した雄蜂は、交尾後、お腹から性器部分が切れ一生を終えます。また、残念ながら交尾できなかった雄蜂は巣にもどり、次の日の交尾時間までゆっくり休むそうです。

 「未交尾の女王蜂」という言葉が出てきましたが、ミツバチの生命を繋ぐ特徴として、「分蜂」(巣分かれ)があります。人間や他の哺乳類は、お母さんが赤ちゃんを産んで、やがて成長して大人となり、また同じように結婚し子供を生み、生命を繋いでいきます。ミツバチの世界は様子が違います。ミツバチの世界では、春から夏にかけて(花蜜が溢れる時期)に、群れでは新しい女王が誕生します。その時、お母さん女王蜂は群れを娘の女王蜂に譲り、約半数の群の働き蜂と共に新しい群れを形成し巣から出て行きます。その時、娘の女王蜂は群れを継ぎ産卵の仕事をするため、交尾飛行に出かけます。処女の女王蜂を未交尾の女王蜂と呼びます。未交尾の女王蜂は1度の交尾飛行で15匹ほどの雄蜂と交尾し、その後、巣にもどり産卵を始め、女王蜂としての役割を果たすのです。

今回は、ミツバチの不思議な生態についてご紹介しました。
 
❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖

★次回のイベントにご参加されませんか?イベント情報はホームページをご参照ください!
 https://foresttherapy.wixsite.com/forest

★NPO法人日本森林療法協会 Facebookページに「いいね!」で最新情報をチェック!
 https://www.facebook.com/TheJapaneseForestTherapySociety

❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖
posted by Yu SEKI at 22:30| コラム

2023年05月08日

ミツバチは神様からの贈り物

ミツバチは神様からの贈り物

一般社団法人トウヨウミツバチ協会
代表理事 高安 和男


皆さんは、ミツバチと聞いて何を連想しますか?「甘いハチミツ」でしょうか?皆さんが大好きな「イチゴやメロン、スイカ」もミツバチが受粉のお手伝いをします。でも、「ミツバチは刺すので怖い!」ですよね!私も銀座で養蜂を始めるまではそうでした。でもミツバチを近くで見て、触れて行くうちに、どんどんその魅力に引き込まれて行きました。そんなミツバチをご紹介します。

人間とミツバチとの関係はとても古いです。最古の記録はスペイン、アルタミラ洞窟壁画です。野牛、イノシシ、馬、トナカイなどの動物の壁画の中に、野生のミツバチの巣を捕獲する様子が描かれています。養蜂の始まりは古代エジプト時代です。その時すでに花を求めて船に巣をのせてナイル川を上り下りしたそうです。さらにクレオパトラはパレスチナに養蜂場を持っていたとも言われています。ギリシャ時代にはソクラテスをはじめ多くの哲学者がミツバチの不思議に魅せられ、さらにローマ軍とキリスト教徒によって西洋世界に広まりました。その後、長い時代にわたり籠で飼育していたミツバチですが、19世紀中ごろにラングストロスという人が巣枠を使った巣箱での飼育方法を発明し、ハチミツの収穫量も飛躍的に増えて現在に至っています。ここで紹介したミツバチはセイヨウミツバチです。

次に現在に至るまで野生の在来種として命をつないできたニホンミツバチ(トウヨウミツバチ)をご紹介します。漆の工芸家から聞いた話では、縄文人は既に「漆」と「蜜蝋」を使っていたそうです。

日本の文献にはじめて「蜜蜂」と言う言葉があらわれたのは「日本書紀」(720)の皇極2(643)年の頃です。「百済の太子余豊(よほう)、蜜蜂の房四枚を以って三輪山に放ち、養(か)う。しかれどもついに蕃息(うまわ)ず」、つまりミツバチの飼育を試みたものの、繁殖はしなかったという失敗の記録です。ただし、これには後日談もあります。余豊と言う人は当時の百済の亡命太子でした。日本史で習った「白村江の戦い」(663)は、日本・百済連合軍と唐・新羅連合軍の海戦で、日本水軍が敗れ、朝鮮半島への拠点を失ったとあります。その時、日本が援軍とともに百済の総大将として遣わしたのが余豊です。余豊の名を日本書紀に残すために「蜜蜂」の事を記したという説もあります。

また、当時、聖徳太子は理想の社会像として仏教の拡大にも貢献しました。飛鳥時代から奈良時代にかけて仏像の鋳金技法として蝋型鋳造(ろうがたちゅうぞう)法が発達しました。

粘土で作った型の上に、蜜蝋と松脂(まつやに)を煉合せた蝋材を貼って、鋳物の原型をこしらえる技法です。鋳造技術と一緒に蜜蝋も隋や唐からもたらされました。正倉院の収蔵品には蜜蠟が「五百九十三斤・・」と言う記載があり、その保存されている袋の中一つに墨書で「四十七斤・・」とあり、「およそ三十二キログラム」もの量になると言います。さらに調査の結果「トウヨウミツバチによって生産されたことが有力で、中国や東南アジアからもたらされた」可能性が指摘されています。また、仏教伝来に貢献した鑑真は「200リットル」の蜂蜜を持って日本に来たという記録もあります。

その歴史からひも解いても、西洋でも日本でも、政治や宗教とミツバチとの関りが何と深い事でしょう。最後に、「ハチミツは神様からの贈り物」ということが世界中で言われていたことを紹介します。「私たちは毎日たくさんの命を食べて生きています。肉や魚だけでなく、米もパンやパスタを作る小麦も、野菜もすべて植物の命です。ところが、命をいただかない食べ物があります。それがハチミツです。受粉の助けが必要な植物は、ミツバチや他の訪花昆虫に来てもらいたくて香りのよい花蜜を出します。ミツバチは受粉のご褒美としてもらった花蜜をハチミツに変えて餌として保存します。

我々人間はミツバチに安全な住まいを提供し、熊やスズメバチなどの外敵から守る代わりに、いざという時のために備蓄したハチミツをお裾分けいただきます。つまりハチミツは誰の命も奪わない神様からの贈り物です。」こうしてミツバチは神の使いとしても崇められてきました。そんなミツバチですが成虫としてミツバチ(働きバチ)になってからの寿命は、わずか1ヵ月です。しかも羽化してすぐに飛べるわけではなく最初は巣の中の仕事をしながら飛ぶ練習をします。上手に飛べるようになった後、わずか2週間が花蜜を集める期間で、その一生を終えます。1匹のミツバチが一生かけて集めるハチミツは、およそティースプーン半分です。いまがミツバチの一番元気に活躍する季節です。専門店に行けば今年収穫したハチミツも売っていますので是非ご賞味ください。

次回は、ミツバチの生態について詳しく紹介したいと思います。


❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖

★次回のイベントにご参加されませんか?イベント情報はホームページをご参照ください!
 https://foresttherapy.wixsite.com/forest

★NPO法人日本森林療法協会 Facebookページに「いいね!」で最新情報をチェック!
 https://www.facebook.com/TheJapaneseForestTherapySociety

❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖
posted by Yu SEKI at 23:16| コラム

看護を志す学生への実習としての森林セルフケア開催

看護を志す学生への実習としての森林セルフケア開催

鈴木友よ


四季折々、森林セルフケアを名古屋地区で開催しています。
通常は対象を絞らずに実施していますが、かねてよりケアをする側への森林セルフケアに関心がありました。
ケアをする側へ「自分を与え続ける中で、枯渇してしまう前の自分を整える術」の一つとして森林セルフケアをお伝えしたいと思っていました。

思いは伝わるもので、原田理事長のご尽力によって、名古屋市立大学の慢性看護学の研究室の安東先生から学生への実習のオファーがありました。慢性疾病の患者さんへのセルフケアもテーマとされている研究室です。今回は看護する側へのセルフケアを、というご希望。私の願いが届いたのかな、と嬉しくなりました。

協会の委託講座をして受託させていただき、4月24日に名城公園にて行うことができました。

3名の学生さんと先生に自己紹介とアイスブレイクを兼ねて、まず今の心身の状態を記載してもらいました。
皆さん緊張したり、身体の冷え、こわばりを表現されたりしていました。

20230507122851.PNG


柔らかな日差しの降り注ぐ陽気、新緑の海の中、まずはシャガが咲き乱れるコナラ林にて呼吸法、ストレッチ、その後ケヤキの林へ移動し、太陽の光を浴びたり、樹林気功、お気に入りの木にもたれて一人の時間と続けました。
この辺りから参加者の皆さんの表情に変化が。とてもゆったりした雰囲気に包まれて、呼吸も深くなっているのが印象的でした。

その後、クスノキの林で香りを楽しみ、ちょうど満開の藤の花を愛で、最後はコナラ、アベマキ林にて目隠しトレイル、落ち葉の上に寝て地面と一体になることができました。
最後はすっかり心身が緩んでいる状態でしたので、ティンシャの音で夢から覚めたあとも心身の穏やかな状態が続きました。

20230507122911.JPEG


20230507122933.JPEG


持参したハーブティをふるまい、車座になって皆で味わいながら、振り返りと森林セルフケアについての説明を行いました。

終わったあとの心身の状態も記載してもらい、皆さん緑の包まれた状態、リラックスして温かく血行の良い状態を記載していたのも印象的でした。
安東先生の思いは私と同感で、看護師になり、たとえストレスの多い職場環境であったとしても、自分をケアする方法の一つとして院内の樹木のそばで行うことのできるこの方法があることを覚えておいてほしいということでした。

安東先生の暖かなお人柄、学生さんたちの純粋な真剣なまなざしが印象的でした。
私自身、実施できたことに感謝し、今後も折に触れてケアラーの為のセルフケアも続けていこうと思いました。

❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖

★次回のイベントにご参加されませんか?イベント情報はホームページをご参照ください!
 https://foresttherapy.wixsite.com/forest

★NPO法人日本森林療法協会 Facebookページに「いいね!」で最新情報をチェック!
 https://www.facebook.com/TheJapaneseForestTherapySociety

❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖
posted by Yu SEKI at 23:12| コラム

2023年04月12日

特集:森林ミツバチセラピーにちなんで

特集:森林ミツバチセラピーにちなんで


理事長 原田純子


先月に引き続き、今月も「ハチ暮らし入門」という書籍のご紹介をさせて頂こうと思っておりました。しかし読書スピードが遅いにも関わらず、今月はゆっくり本を開く時間が取れないまま、原稿の締め切り日を迎えてしまいました。と言っても難解な文章を読み解く本ではなく、むしろ写真も図録も多く、お子さんでも十分楽しめる書籍なのに。

そんな私に救いの手が!先月は主にスズメバチの項目についての読書感想文になってしまい、今月はミツバチの項目をメインに書く予定でしたが、なんとミツバチについては一般社団法人トウヨウミツバチ協会http://honeybee.or.jp/の高安様が、来月号で判りやすくお書き下さることになったのです。
そこで私は今年のフォーラムのテーマの「森林ミツバチセラピー」について自分なりに下調べをした中で出会った情報について2つ書かせて頂こうと思います。

先ずは「ミツバチセラピー」について
ネットで検索するとアピセラピーapitherapyと出てきました。
はちみつ大学https://honeyuniversity.net/
ご存知でしたか、アピセラピーって? 実は私はこの言葉は調べて初めて認識しました。昔からある民間療法の1つとも言えそうですが、単に「ハチミツは体に良いから1日1匙」とか、風邪で喉を傷めてる時に舐めると良いらしいとか…。蜂蜜を健康食品として飲食に使って体調を整えるとかは「おばぁちゃんの知恵袋」的な程度で知ってはいましたが、ネットでの情報では「アピセラピーは、蜂蜜、花粉、プロポリス、ローヤルゼリー、ミツバチ毒などのミツバチ製品を使用する代替医療のことを指し、病気やその症状、急性および慢性の怪我による痛みを治療するために使用されていますとのこと。

蜂蜜やロイヤルゼリー、プロポリスなら聞いたことがありますが、なんと蜂の毒まで!? そのサイトによれば、病気では多発性硬化症、関節炎、感染症、帯状疱疹、咽頭炎、口内炎、外傷では傷・疼痛・やけど・腱炎の治療に使えるのだとか。またアピセラピーは何千年もの間使われてきており、ミツバチ製品の医学的性質への言及は、中国、韓国、ロシア、エジプト、ギリシャの伝統的医療に見られますとあるので、これはコロナ禍をきっかけに一から学んだ中医学と同じだと、少し安心もしました。ただし、アナフィラキシーショックを起こす可能性がある蜂毒を使う療法など、民間療法で勝手にこの治療を行ってはいけないことを認識しておいてほしいとの記述もあり、これはいくつかのサイトのどれにも記載がありました。健康食品として蜂蜜やローヤルゼリー、プロポリス、ビーポーレン(花粉)などを活用し、健康増進に活用されることをアピセラピーと示すことが増えてきているという記述もありました。おいしくて健康に良いなら、何も文句はありませんね。

次に「ミツバチGAP」についてです。
「ミツバチGAP」とは?これは昨年のフォーラムをご協賛いただいたトウヨウミツバチ協会様のサイトhttp://honeybee.or.jp/ に出てくるコンテンツの1つです。GAPとはGood Agricultural Practicesの頭文字を取った言葉だそうで、直訳すると「よい農業の取組」という意味で、一般的には「農業生産工程管理」と呼ばれているようです。工程管理とは、言い換えれば、「農産物を作る際に適正な手順やモノの管理を行い、食品安全や労働安全、環境保全等を確保する取組」のことです。詳しくは農水省のページを参照ください。http://www.maff.go.jp/j/seisan/gizyutu/gap-info.html
消費者、生産者、環境にとって、「Good」(よりよい)農業の取組のことをGAP(ギャップ)といいます。

ここまではトウヨウミツバチ協会様のHPにある記述ですが、この記述を読んだ時に、「養蜂って農業なんだ!」と改めて気づかされたことが自分でもショックでした。自然の中で自由に蜜を集めるために飛び交う蜂を飼う養蜂は、言わば牛乳や食肉のために牛を飼っている酪農と同じ。なのに農林水産省の管轄になると言う事を意識することはありませんでした。トマトなどの野菜の受粉に蜂の力を借りるなんてことは、農家さんにしてみれば普通のこと。考えてみれば当たり前のことでしたが、受粉を助けることが蜂蜜を作ることに繋がるのだから、養蜂も農業の一つなのでした。

トウヨウミツバチ協会様はより良い環境で農業である養蜂を展開していく取り組みを始めておられるとのことで、今後に大きな期待が寄せられます。

とかく「植物」だけに注目しがちだったけれど、森にはミツバチをはじめとする虫や動物の存在もあり、全てを包括しての自然であることに思いが至り、次のスライドが頭に浮かびました。皆さんも覚えておられるでしょうか?協会の講座(室内編:メニュー)で登場した1枚です。

講座のスライド.png


「背景にある植物のこと、自分の生命、生態系などに思いをめぐらすきっかけすることができます。自分の体も自然界の一部であることを、改めて感じるからではないでしょうか。」という講師の言葉も添えておきます。つくづく初心忘れず、だなぁ!

今回は書籍紹介から離れてしまいましたが、ミツバチについては高安様からの次号をどうぞお楽しみに。そしてミツバチと森林との親和性に思いを巡らせながら、書籍については秋のフォーラムまでにもっと深く読み込んで、ミツバチについても目からウロコが落とせるようにしたいと先月書きましたので、今後もずっとそばに置いて居りに触れて開いては知識や情報を頂いていこうと思います。


❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖

★次回のイベントにご参加されませんか?イベント情報はホームページをご参照ください!
 https://foresttherapy.wixsite.com/forest

★NPO法人日本森林療法協会 Facebookページに「いいね!」で最新情報をチェック!
 https://www.facebook.com/TheJapaneseForestTherapySociety

❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖
posted by Yu SEKI at 18:57| コラム

2023年03月14日

特集: 森林ミツバチセラピーにちなんで書籍紹介

特集: 森林ミツバチセラピーにちなんで書籍紹介


理事長 原田純子



今年のフォーラムのテーマは森林ミツバチセラピーと言う事を受け、色々なお話を伺ったり、自分なりに下調べをしたりしながら、初めは頭の中に渦巻いていた「?」が少しづつ整理されてきているところです。そんなタイミングでSNSを通して出会った1冊の書籍をご紹介したいと思います。昨年のフォーラムにご協賛いただいた一般社団法人トウヨウミツバチ協会http://honeybee.or.jp/wop/の高安様が、ご自身も学ばれるために読んでいるとSNSでご紹介されておられたので、早速私もポチっといたしました。

しかし自慢にならないのですが、読書スピードは人一倍遅い私。せっかく良書に出会い、皆さまにご紹介しようと思ってからいくらも読み進んでいない状況ではありますが…。

その書籍がこちら

Aハチ暮らし入門.jpg


安藤 竜二, ハチ暮らし入門, 農文協, 2023, 171p

本の構成はこんな感じです。
第1章 ハチと共生する、私の楽しい「ハチ暮らし」
第2章 知っておきたい! ハチの生態
第3章 アシナガバチ
第4章 スズメバチ
第5章 ミツバチ
第6章 クマバチ、マルハナバチ、ドロバチ

Bこんな本です.jpg


実は長野の森の中に住んでいる我が家は、毎年スズメバチに巣作りのための軒下を提供して欲しいと偵察に来られているのです。と言う事でもちろん、真っ先に第4章から読み始めてしまいました(笑)

その第4章は、スズメバチの生態と言うタイトルのもと、スズメバチとの共生はできるの?という小見出しから始まります。え?何言ってるの?スズメバチと共生したいなんて誰が考えるの?と驚きましたが、読み進めるとハチへの愛に溢れている文章で獰猛なイメージのスズメバチへの偏見が崩れていくようです。いけない、いけない!一度は 家内に迷い込んだハチに刺されて痛い思いもしている被害者でもあるのに…。でも、著者である安藤さんは「スズメバチがいてくれるから成り立っている自然のバランスもあるのだし、こちらが危害を加えさえしなければ襲ってくることはない」と。確かに ご存知でしたか?スズメバチやアシナガバチは畑や花壇の害虫を駆除してくれているってことを。それって「クモは害虫を駆除してくれているのだから、むやみに殺しちゃいけないよ」と子どもの頃に虫好きな大人から教えられたことと全く同じ!

そこでわざわざ彼らの作った巣を、そっくり畑の近くに移設している自治体もあると言う事を!なんて自然に優しい配慮ができる手段なのでしょう!

さらに読み進めると、次の小見出しはなんと「付き合い方」です。今風に言えば「マジですか?勘弁してくださいよ」と返したくなります。もちろん駆除の方法も手順も道具も、ハチと付き合って数十年の大ベテランが惜しみなくご自分のノウハウをご披露して下さっています。それもこれもハチを無駄に駆除したくない、共生していきたいから。

このように読み進めれば進めるほど、ハチのことが大好きなのだと言う事がヒシヒシと伝わってきます。だって初めからハチを駆除したいと思ったことは無い、できればやりたくないのだと明言されています。公共の施設だから等止むを得ない理由がある時に限って「仕方なく」駆除するのだそうで、それもこの時期に入ったらもう活動が鈍るので…などと断る事も多いとか。駆除したらそれなりの報酬が戴けるにも関わらず!駆除するにしても、ハチが受けるダメージを最小限にする努力と工夫をなさるのだそうです。正にハチの習性を知り尽くし、愛している著者の姿勢がそこかしこに溢れている書籍です。

テレビ番組などでは、とかくセンセーショナルに取り上げられ、スズメバチ=凶暴で怖いものとすっかり刷り込まれていることを、ソフトな文章から突きつけられた感じがしました。

書籍では子どもの頃からハチのへの正しい知識を、との発想から、ハチミツ絞りワークショップ、ハチのおうち作りワークショップ、蜜ろうハンドクリーム作りワークショップなどなど、楽しそうなイベントもご紹介がありました。

Cハチ暮らし.jpg


秋のフォーラムまでにもっと深く読み込んで、ミツバチについても目からウロコが落とせるようにしたいと思っています。


❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖

★次回のイベントにご参加されませんか?イベント情報はホームページをご参照ください!
 https://foresttherapy.wixsite.com/forest

★NPO法人日本森林療法協会 Facebookページに「いいね!」で最新情報をチェック!
 https://www.facebook.com/TheJapaneseForestTherapySociety

❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖
posted by Yu SEKI at 21:29| コラム

2023年02月11日

連載コラムBachの森歩きH「身近なところに「みどり」がありました」

身近なところに「みどり」がありました


森林セルフケアコーディネーター
小川 純子

             

「森林セルフケア」を、地域の方々に伝えていきたい。

10月30日に開催された、森林セルフケアフォーラム2022in東京から一貫して周りの知人友人に伝えてきました。その中で「一般財団法人世田谷トラストまちづくり」という財団があることを知りました。

世田谷の美しく潤いのある街並とみどり等の資産を次世代に継承し、心の豊かさや生きがいを地域に求める住民層の広がりに応えつつ、地域コミュニティとの連携・協力をさらに進めると共に、区民主体や区民参加による取組みを柔軟かつ横断的に推進、支援し、環境共生や地域共生の理念に基づくまちづくりを積極的に進めてまいります。という設立趣旨が書かれており、各種事業に取り組む上での具体的3つの目標の柱の1つに、

*自然環境や歴史的・文化的環境を保全した美しい風景のあるまちの実現

とありました。興味をそそられ、ホームページにかじりつき気になるところからクリックし読み進めていきました。

私が気になったワードは3つありました。

「世田谷のトラスト運動」「市民緑地・小さな森」「みどりのなかでリフレッシュ!ボランティア活動」です。

「世田谷のトラスト運動」とは、単にみどりを守るというだけでなく、地域に誇りと愛着を持った人達が、主体的に環境保全を進める英国の「シビック・トラスト」運動も参考にしているとのことでした。また、民有地のみどりを保全する「市民緑地」や「小さな森」の29箇所を超える開設実績や延べ500人を超えるボランティアの方々との環境保全活動は、都市型トランス運動のモデルとしても、全国で注目を集めているそうです。

そして、世田谷区内のみどりはその約6割以上が民有地によって占められており、良好な環境を今後も維持していくには、これらの民有のみどりの保全が大きな課題となり、都市に近い高地価の世田谷においては寄付金を集めて土地の買取を進めることは大変難しさがあることから、財団は、土地所有者との賃貸借契約や認定登録制度等の手法を工夫してみどり保全を進めているのだそうです。その為の制度として「市民緑地制度」「小さな森制度」「3軒からはじまるガーデニング支援制度」更に「園芸相談」があることを知りました。

世田谷トラスト.pdf

更にどのような緑地や森があるのかを調べ住所を調べていくうちに、そういえば車の運転中に森みたいと、気になった門が閉まっていたところだ。とか、自転車で通り過ぎながら何となくここは公園なのかな?入れるのかな?と気になったところだ。などと気にはなったけれどスルーしてきたところがいくつかありました。常に入れるところもあれば、曜日、時間が決まっているところもあり、更にはイベントが開催される時のみ開かれるところもありました。

まずは自分の目で観てみたい!感じてみたい!

そそられる場所をリストアップして、予約が必要なところはイベント参加の予約をいれ(ネットには3月までのイベント参加募集がアップされていました)抽選を待ち。世田谷トラストの個人会員にもなりました。

今後、知らなかった世田谷の保全されている民有地の「みどり」もお伝えしていきたいなと感じはじめています。

❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖

★次回のイベントにご参加されませんか?イベント情報はホームページをご参照ください!
 https://foresttherapy.wixsite.com/forest

★NPO法人日本森林療法協会 Facebookページに「いいね!」で最新情報をチェック!
 https://www.facebook.com/TheJapaneseForestTherapySociety

❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖
posted by Yu SEKI at 15:15| コラム

2023年02月09日

SSコラム「地球という生命体で五感+アルファを開く」

地球という生命体で五感+アルファを開く

理事 鈴木 友よ


年明け早々、気になっていた映画、地球交響曲(ガイアシンフォニー)第9番を素敵な古民家で、観ることができました。映画の前に、挿入歌にもなっていらっしゃるNAOさんの民族音楽楽器による生演奏があり、528HZの音を奏でる空間で心身をチューニングしたあと、映画の世界に引き込まれました。

写真1 (1).jpg



『地球交響曲 (ガイアシンフォニー)』とは、イギリスの生物物理学者ジェームズ・ラブロック博士の唱えるガイア理論、「地球はそれ自体がひとつの生命体である」という考え方に勇気づけられ、龍村仁監督によって制作されたオムニバスのドキュメンタリー映画シリーズです。第9番でこの映画シリーズは終了で、奇しくも映画を観た日は、監督の49日でした。「いきものは音に始まり音で終わり、 この地球では森羅万象全ての生命があらゆる音楽に包まれている。」250年後の現在、ヴェートーベンに一歩でも近づこうと指揮棒を振り続ける炎のマエストロ、小林研一郎氏の第九への情熱に大変感動しました。 聞こえない音に耳を傾ける。 音を聞こえないように奏でる。鳥のさえずり、風など、自然の音が教えてくれる音の世界。人間が楽器を作り、歌い、その自然の音に近づこうと・・映画を観て、音により感動して自分自身の内面が震えて涙が止まらなくなったのは初の体験でした。

「地球はそれ自体がひとつの生命体である」というガイア理論は私が森林セルフケアに惹かれることにつながっています。

私は森林セルフケアを行う時、五感+アルファを開くことを念頭に組み立てています。
日常生活では視覚に80%頼っているので、導入部分で目をつむり、呼吸法を行います。
そうするとその人の表情、雰囲気がはっきりとわかるくらい和らぎ、穏やかになります。
視覚以外の感覚が刺激されると、見えない、聞こえないと思い込んでいるものへのセンサーが反応することがあります。また、見ているけれど見えていなかったもの、聞いているけれど聞こえていないかったものなど、肌の感覚、風や光への感覚など、気づきが生まれてくるようになります。
ある時、古い木のある公園で森林セルフケアを開催した際のことです。まず入口の大きなクスノキに挨拶して、その後奥に生えているおおきなクスノキの近くでプログラムを行いました。
その後、振り返りの際、アニマルコミュニケーターでもある参加者の方が「入口のクスノキさんが門番で、この樹が許可をしないとここには入ることができない。そして、この樹(大きなクスノキ)がここの主で、ずっと私たち人も含めて見守っているよ。そう語りかけてきたよ」と、教えてくれました。
その言葉を聞いた時、私は「やっぱり・・」と納得しました。
なんとなく、ですが私もそう感じていたからです。

写真2 主のクスノキ.jpg


また、別の森で目隠しトレイルを行った際、若い女性がヒノキの木肌を触ったときに、感動して涙を流されたのです。
瞬間的にヒノキが「ようこそ。会えて嬉しい」と語りかけてくれたそうです。
その時、幼いころ、スギやヒノキの森で遊んだ原体験の温かい思い出も湧きあがり、幼いころの自分にも出会えたそうです。
そのあと樹の下で自分への手紙を描きました。大切な自分自身と対話するひと時となりました。

写真3 自分への手紙.png


森林セルフケアは人が健康になるためのプログラムですが、共に生きる生命体である樹木たちとコミュニケーションをとることができる魅力的なプログラムだと実感しました。

土も水も樹木も空も太陽も、生き物たちすべてが繋がって一つの地球という生命体であり、ヴェートーベンのように、自然との対話をする力は、実は皆それぞれに備わっていると思います。


❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖

★次回のイベントにご参加されませんか?イベント情報はホームページをご参照ください!
 https://foresttherapy.wixsite.com/forest

★NPO法人日本森林療法協会 Facebookページに「いいね!」で最新情報をチェック!
 https://www.facebook.com/TheJapaneseForestTherapySociety

❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖
posted by Yu SEKI at 21:32| コラム