森林セルフケアコーディネーター 青木 孝一
日本で最初にできた植物園であり、平成24年(2012)年に歴史的な価値が認められ国指定の名勝及び史跡となった小石川植物園、以前から気になっていた植物園であり、一度体験会を実施したいと思っていた場所でした。東京ドームの3.5個分の園内には約4,000種の植物が栽培されおり、見応えのある巨樹や植物園ならではの学問的な由緒のある植物が点在しており、春はウメやサクラ、秋にはイロハモミジなど、四季を通じてさまざまな花木を楽しむことのできる植物園という印象でした。
一歩園内に入ると周りは木々に囲まれ、とても都会だとは思えない景色が広がっていました。元々は江戸幕府により薬を育てる目的で今の東京都文京区に1684年(貞亨元年)に開園された小石川御楽園である。小石川植物園になったのは1877年(明治10年)に東京大学が開設された際に附属施設として改称され、同時に一般公開されるようになったと言われています。
ここからは体験会当日に紹介し、印象た残った園内の樹木について記載します。
➀ヒマラヤスギ
受付を済ませて少し坂を上がっていくと大きなヒマラヤスギが見えてきます。「ヒマラヤスギという名前なのでこれはスギですか?」とよく聞かれることがよくあるそうですが、実はマツの仲間で大きな松ぼっくりをたくさんつけると説明をすることがあるそうです。マツの仲間としては幹の下の部分から枝分かれしているのは第2次世界大戦中に焼夷弾にあたって幹の上の方が燃え、そこからまた生育していったという経過があるそうです。
Aクスノキ
ツバキ園の真ん中にどっしりとかまえている樹齢300年の大きなクスノキ。
パワースポットとして人気のある木でお客さんの中には「このクスかせ元気をもらいにきました」というお客さんもいるとのこと。
背にもたれたり、手で触れたり、枝の広がりについて観察したりして楽しみました。
Bイチョウ
明治29(1896)年にこのイチョウの木を研究材料として種子植物にも精子が存在すると発見されと言われ、日本の生物学者による世界的な偉業に貢献した木とされています。 樹齢300年以上と推定され、明治維新の際にこの木を切ろうとしたところこの木が太すぎたため。鋸の歯が入らなかったため。難を逃れたと言われています。精子発見に至った経過を簡単に説明しマジマジとみんなで観察しました。上の枝を見ていると樹齢300年のクスノキとイチョウの木が微妙に手を繋いで見えたのが印象的でした。
Cユリノキ
まるで洗濯物の服(Tシャツ)を沢山干しているようにみえるユリノキ。葉っぱを拾ってその形のユニークさを参加者の皆さんに感じてもらいました。大正天皇が皇太子時代に小石川植物園に来園し命名されたというエピソードがあります。「このような大きなユリの木は見たことない」という人がほとんどでした。
その他にも巨木ではスズカケノキやモミジバスズカケノキ、環境省のレッドリストに記載されている希少な樹木であるトキワマンサク、コルクのような樹皮で黄色の実が食べられるマルバシャノキなど個性的な樹木がたくさんあり、ワクワク感がとまりませんでした。
小石川植物園の樹木は、明治維新の際にそのほとんどが伐られ、残った樹木も関東大震災で多くの枝が薪として利用されていたと言われています。けれどもそのような過酷な環境を生き残った巨樹を目の当たりに見ると、その生命力に改めて驚かされます。
まずこの植物園の木々の生命力についての話を参加者に伝え、少しヒマラヤスギを観察する時間をつくりました。すると驚いた表情でそのヒマラヤスギを見ていました。
今回はサブ講師1名、サポートスタッフ2名、参加者5名で実施しました。
今回の体験会でポイントにしたことは次のとおりです。
@ 小石川植物園の森の多様性を感じてもらう。
A 巨樹とふれあい、何かを感じることにより生きる力に繋げていく。
B 副交感神経を優位にできるようなワークを随所に行う。(癒される場面をつくる)
小石川植物園の巨樹を前にするとその存在感に圧倒され、目の前の木を観察するというよりも何かを感じようとしている自分がいるのに気づきます。この偉大なる人生の先輩に敬意を払いなから参加者の皆さんと体験を共有できたことの喜びを糧にしてこれからも活動を続けていきたいと思います。