理事 田川裕則
新しい年を迎え、皆さまにとって健やかで実り多い一年となりますことを、心よりお祈り申し上げます。
近年、私たちの暮らしは利便性を増す一方で、情報過多や人間関係の希薄化、慢性的なストレスなど、心身への負担も大きくなっています。そのような時代だからこそ、自然の中に身を置き、五感を通して自分自身を取り戻す「森林療法」の意義は、ますます高まっていると感じています。
森林には、私たちの呼吸や心拍を穏やかに整え、緊張を解きほぐす力があります。木々の香り、風の音、柔らかな光、土の感触といった自然の刺激は、言葉を介さずとも私たちの内側に働きかけ、心身のバランスを回復へと導いてくれます。これは特別な技術ではなく、人が本来持っている自然とのつながりを思い出す営みでもあります。
本年は、単に「癒やされる場」としての森林だけでなく、より幅広い分野と森林療法を結びつけていくことが重要になると考えています。森は誰かのためだけの場所ではなく、世代や立場を越えて人をつなぐ共通の基盤となり得ます。その可能性を丁寧に掘り起こし、地域と共に育てていく一年にしていきたいと思います。
また、気候変動や自然環境の変化が進む中で、森林を「利用する」だけでなく、「守り、共に生きる」視点も欠かせません。森林療法の活動を通して、自然への敬意と感謝の気持ちが次の行動につながり、持続可能な森づくりへの意識が広がっていくことを願っています。
今年も多くの方が森と出会い、自分自身と向き合い、日常へと前向きな力を持ち帰ることができるよう、関係者一同、心を込めて取り組んでまいります。本年が、皆さまにとって心身ともに健やかで、自然とのつながりを深める一年となりますよう、年頭にあたり所感とさせていただきます。
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