森林セルフケアコーディネーター 安井健人
里地里山と聞いて思い浮かべるのは、朝ドラひよっこの故郷です。私の原風景でもあります。
農家の前に田畑がひろがり、大地と共に暮らす姿に憧れます。陽の光とともに目を覚まし、朝めし前の野良仕事。樹木は、夏の日差しを遮り冬の北風を防ぐ。春は鳥のさえずりに目を覚まし、秋は落葉のじゅうたんに身を寄せる。自然のリズムに合わせた暮らしがそこにあります。
「小川の浅い流れは、たえず低い水音をたてながら休みなく流れるので、水は澄んで流れの底の砂地や小石、時には流れをさかのぼる小魚の黒い背まではっきりと見ることが出来る。だから季節があたたかい間は、朝、小川の岸に出て顔を洗う者もめずらしくない。・・・
人はそのことをことさら外にむかって自慢するようなことはないけれども、内心ひそかに天からもらった恩恵なるものを気に入っているのだった。」(藤沢周平作「蝉しぐれ」より)
自然の描写が美しく、これだけでも癒されます。森の中に入って自分を取り戻す瞬間は、今も昔も変わらず、誰もが気付く感覚ではないでしょうか。
農作業では晴耕雨読という言葉をよく耳にします。晴れた日には畑を耕し、雨の日には本を読む。大地と共に暮らすことで心身が浄化され、たとえ暮らさなくてもそこで過ごす時間がセルフケアになるでしょう。目を凝らせば遠くないところに、里地里山はあるし、人が集まればそんな暮らしをつくることができると思っています。Let’s rejoice!