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2025年05月12日

「根来山げんきの森」は、里山じゃなかった?!

  「根来山げんきの森」は、里山じゃなかった?!  
                            森林セルフケアコーディネーター
                                      赤居 実花

 昨年のメルマガや会報誌で、何度かご紹介し、レベルアップセミナーでもお話しさせていただいた、根来寺(ねごろでら)に、根来山げんきの森。
伝統文化の森にもそして、里山としても歴史があり。。。と、私は書き、言っておりました。
が!実は、里山ではなかったのです!間違った情報をお伝えしておりました。
申し訳ございません!

 和歌山県の北部、岩出市(和歌山市の東)にある、根来寺は、平安時代から戦国時代末期まで、宗教だけでなく、文化や生活も大変栄えて、広大な土地に何千という人が住んでいました。全国を統一しようとしていた豊臣秀吉は、拡大していく、お寺の力を抑えようと、寺を焼き討ちする話は、学校の歴史の授業で習うところです。江戸時代に入り、徳川家の庇護を受け、復興し、再び大きな建物も建立され、栄えていくという歴史があります。
 その根来寺が、地域で栄えていた頃の寺の山を含めた広大な敷地の中に、今の根来山げんきの森は含まれていました。
 明治に入り、法の改正とともに、お寺の敷地整理で、「国有地」になりました。
え?え?え? 「国有地」?

 森は国有林のため、地域の人に自由に使われることもなく、太平洋戦争や戦後の食糧難の時に
(こっそり)一部の土地を、畑として使っていた。と言う裏話もあるのですが。。

 その後、平成9年に、和歌山県が、今の森の敷地を買取り、平成11年からボランティアにより、
森林整備が始まりました。国有林の一部と言っても、195haは結構な広さです。
大きな峰が3つ。その周りに遊歩道を作り、森の整備を続け、
NPO法人 根来山げんきの森倶楽部が、指定管理者として、管理&運営をしております。

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     展望台から根来寺をのぞむ

 今では、整備活動だけに止まらず、観察会、季節ごとのイベント、森のようちえん、プレパーク、ネイチャーゲーム、炭焼き、ウォーキング、自然観察会、バードウォッチング、昆虫採集、クラフトなど様々な自然体験ができる身近な里山森林公園で、老若男女、さまざまな人が利用、訪れる場所になっています。

 毎年4月に行われる、「里山まつり」のネーミングに私はすっかり勘違いし、ずっと里山と思い込んでおりました。でも、「現代の里山」と言ってよいほど、手入れをし、森を利用する人がたくさんいます。森と近隣の人が結びついた場所は、里山といえるのではないか?と今は思っております。関西の方、また和歌山にお越しの際は、根来寺と共に、根来山げんきの森もぜひ立ち寄って、国有地から里山になったのか〜と思いを馳せながら、森を満喫してください。

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バリアフリートレイルを、森林セルフケアで歩く

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根来山げんきの森HP :https://genkinomori.jp/
posted by 田川 at 20:56| お薦めの里地里山