森林セルフケアコーディネーター 早川広美

私が考える里山イメージはこんな感じです。
田んぼ、畑、雑木林、小川や池、それに茅場や草地が人の営みと共にある場所。
そこでは人の暮らしと共に、他の生物の営みもある。
それらは皆つながりあっていて、ぐるぐると循環している場所。
そんな場所が里山かな、と考えています。
でも、このような里山は都会やその近郊ではなかなか無いのではないでしょうか。
いや、無いのではなく、失われたと言ってもいいかもしれません。
でもでも、私は横浜市で暮らしていますが、徒歩30分以内の場所に元々ここは里山だったんだな、と思う「里山のなごり」がそこここにあることに気がつきました(コロナ禍で近所を散歩しまくった時の成果です)。


「里山のかけら」と表現する人もいますが、まさにそのような感じです。
そしてそんな里山のなごり=パッチ状に残った小さな畑や田んぼ、行政が保全した小さな雑木林や小川などは、遠くに出掛けていかなくても「毎日の暮らしの中で私が自然に触れられる大切な場所」になっています。
歩きながら葉っぱに触れたり、花の香りをかいだり、小さな虫を見つけたり、鳥の声に耳を澄ませて姿を探したり。
笹の葉の先に光るいくつもの朝露を見ては「今日も見れた!」と嬉しくなり。


それも小さな森林セルフケア。
こんなふうに心身に癒やしと健やかさを与えてくれる里山のなごりがこれ以上失われないよう、もしくは再生できるよう、私に何ができるだろうか、ということにも時に思いをはせ、小さくてもできることをしていきたいと思うのでした。
あなたのすぐそばにも、もしかしたら「里山のなごり」があるかもしれませんよ。
*横浜市内には「ふるさと村」という自然豊かで農業が元気な地域が市によって2箇所指定されています。こちらは「里山のなごり」というよりは、里山が一定の面積で保全されている場所です。
舞岡ふるさと村
寺家(じけ)ふるさと村