森林セルフケアサポーター 左賀秀機
私は京都市の市街地と中間山地とで二地域居住をしています。市街地の住まいは三方山に囲まれた山科です。中間山地の家は山裾にあり前も山。近くには持山があります。
そこをフィールドにソロで一刻(2時間)のNOASOBIを楽しんでいます。自然観察が主です。もちろん不整地かつ傾斜もあることから多少の頑張りも必要です。朽木に潜む変形菌を見つけたときはすっかり童心に還り、「やった〜感」に満たされます。いつ見るも今日観る生き物たち、懸命に生きる小さな命、出会う人との一期一会など楽しいことをたくさん体験でき、有難いことに歳の割には元気にしています。
時には一日NOASOBIもします。例えば、御陵駅から南禅寺山へ。ここは伝統文化の森です。ある日は、いつもの仲間と安祥寺山でおしゃべりが弾みカタルシスと軽登山。持山でハシリドコロ、イチリンソウ、ルイヨウボタンなどの観察と軽登山。大岩めぐりで地球のダイナミックスを目の当たりにし悠久の時間を実感。ここは音羽山でした。
いずれも人里に近いということでの「里山」です。

4月にこれぞ里地里山、「♪京都 大原 三千院」の歌い出しで知られる大原での観察会に参加しました。ここは環境省の重要里地里山に選定されています。今回のフィールドは森でした。スギやヒノキの植林地は広葉樹の森のような明るさは無く、しかも生活のにおいのしない、かつての里山でした。植物に詳しいメンバーからネコノメソウ、ヤマネコノメソウと言われても私はネコノメソウの仲間としました。マキノスミレもシハイスミレもスミレの仲間で十分で、同定しなければと思うとしんどくなります。でも名前が分からないと帰宅後調べることができません。できるだけ特徴をメモしておいて図鑑で調べられるように心がけています。知る楽しみが待っています。

森から里地へ移動した時、メンバーが「なんと、里の長閑なこと〜

大原は京都駅からバスで凡そ1時間の鴨川の上流域。観光、里地でセルフケア、「里山」でセルフケアを組み合わせて滞在型の催しができる豊かなエリアです。
観察会では貴重な生き物を見つけて目を輝かす人がいる一方、山歩きでご一緒する方の多くは、生き物を示しても「ふ〜ん」で終わるか、「それ食べられるん?」です。見れども見えず、それでも森は楽しめるようです。ただ森に居るだけで人は癒やされることの証でしょう。心そこにあればもっと楽しいのにと、ちょっと残念ですが人は人、私は今日も健康寿命の延伸にNOASOBIします。