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2024年08月11日

特集:伝統文化の森「神仙峡 吉野町 山口神社の鎮守の森」

特集:伝統文化の森「神仙峡 吉野町 山口神社の鎮守の森」
                          森林セルフケアサポーター 倉上千裕

 先月末、初めての試みである森林セルフケア&自然観察会を奈良県吉野町の龍門地区で行いました。近くの運動公園で集合し、自己紹介の後、準備運動をし、いざ出発!徒歩5分ほどで吉野山口神社・高鉾神社に到着。伊勢街道沿いの竜門岳の麓に鎮座する神社です。一歩境内へ入ると大木が鬱蒼と生え、空気が一変するのを感じました。暑い7月末の30度後半の気温であるにも関わらず、吹いてくる風は心地よく、木々の匂いと風に癒されるひと時となりました。歩みを進めていくと、社殿の奥に「吉野山口神社」と「高鉾神社」の煌びやかな本殿である2つ配されていました。「吉野山口神社」はご祭神が大山祇神(おおやまつみのかみ)で、古来山の神、降雨・止雨を司(つかさど)る神として信仰されています。また「高鉾神社」は元々竜門岳山頂にありましたが、500年前に竜門岳山頂から麓へ遷座、されました。竜門岳を神体山とする山岳信仰の神社だったようです。
竜門岳はかなり早くからあの世に通じる神秘的な霊地とされたようで、明日香宮から龍門岳の向こう側に神仙峡があると言われたとのことです。
 社殿の奥にはこれまた鬱蒼とした森が続き、多くの大木がありました。最近、檜皮葺の屋根の修復をされたため、多くの木の皮が赤くなっている大木もたくさんありましたが、エネルギッシュに立っている姿からパワーをもらうことがでました。またツルマンリョウの群生地もあり、菌根菌の話で盛り上がる一場面もあり、この時には既に参加者のみんなも森の香りに癒されていた様子でした。いやいや、これからだぞーと思いつつ、鎮守の森の恵みをたっぷりと味わう時間となりました。

 その後、龍門山口地区の田園風景を眺めながら、カエルさん達のお出迎えを受け、龍門岳の麓の森へと進みました。木々の木漏れ日からフィトンチッドのシャワーを浴び、途中整備された広場で休憩。ハンモックでは熟睡する人もいて、すごく気持ちが良いのです。20分程度ですが、とても長い時間眠っていたような気分でした。地元名物の「こばしのやきもち」を食べ、ティータイムでは各々におしゃべりを楽しみ、リラックスもマックス。お昼のお弁当を食べた後、もう少し森の奥へと進みます。そこには「龍門の滝」がありマイナスイオンが降り注いでいました。みんな思い思いに、滝つぼに足を浸け、リラックス絶頂を体感していました。滝つぼから上がった足は軽やかで、全身で木々から、草花から、滝から、大地からと癒しを享受している様子が自身でセルフケアしているなと実感する場面でした。
 「龍門の滝」の上には奈良時代には東大寺の学僧たちが勉学に励んだ「龍門寺跡」があります。「龍門寺」では大伴仙・安曇仙・久米仙の三人の仙人が住むと伝えられるなど、俗世から離れた仙境であり修験道のルーツとも言われる神仙思想の聖地でした。特に『今昔物語』にある久米仙人の話は有名であり、若い女が洗濯をするために着物の裾をたくし上げていた足を見て、一目ぼれをして神通力をなくすところなどは人間らしく微笑ましく感じました。「龍門寺」には当時の権力者である宇多上皇や菅原道真も参詣しています。この森には神秘的な伝統を感じずにはいられませんでした。参加者の方々はしっかりと森の恵みを体に取り込み、元気いっぱいに帰って行かれました。最後に、これが私がやりたかったことなんだ、四季折々にたずねていき、たくさんの方を案内したいと強く思いました。
posted by 田川 at 11:51| フォーラム委員会より