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2022年08月11日

連載コラムBachの森歩きC「木は生きている、木は生きもの」

「木は生きている、木は生きもの」


森林セルフケアコーディネーター 小川純子

 

建築ジャーナルという雑誌の6月号の表紙には、「特集|木を伐るな2」
都市において、樹木は人間にとって不可欠の存在で、役割と効果は多岐にわたる。
その重要性は増すばかりだ。
「緑の大切さ」は繰り返し強調されるにもかかわらず、伐採や強剪定など木々を粗末に扱う問題が後を絶たない。
木を伐らないで!みどりを愛する人たちの嘆きが止まらない。
公園木、街路樹、公開空地の緑――。
身近にありながら急になくなる危険性がある都市の樹木を、多角的にみていく。
と、書かれていました。

表紙をめくると、
■ルポ 
*公園木 神宮外苑の1000本の木
*街路樹 神田警察通りのイチョウ並木
     青山表参道のエンジュ並木
*公開空地 東京の公開空地 管理に課題
■都市の樹木に関わる人々

建築ジャーナル6.jpg


■樹木と物語
■樹木保護を訴える市民運動
■海外の事例
と続いておりました。

先日、■都市の樹木にかかわる人々 E樹木医 に登場された冨田改先生にお会いしてお話を伺わせて頂きました。冨田先生は以前ご紹介させていただいた「街路樹はなぜ剪定が必要か?」の著者でいらっしゃいます。株式会社湘南グリーンサービスを設立され、現在は相談役として関わっておられます。

「樹形」という言葉が心に留まり、街路樹に意識が向き始め、内側から疑問が生まれ、気になって始めて調べていくうちに、「強剪定」という言葉を知り、冨田改先生のこの本に辿りつきました。まえがきは植物への思いを込めてと始まり、「植物と私たち人間との付き合いは、人類の歴史が始まって以来、続けられてきました。

人間が生存するための酸素の供給源や食料として、また生活の営みを向上させる道具の材料として、さらには景観を形成したり、鑑賞の対象となるなどして、植物たちは永く私たちの生活に寄りそってきました。本書は『樹木としての街路樹の剪定作業はどうあるべきか』『剪定作業を通じて樹木とどのように付き合うべきか』ということを、私の積み重ねてきた知見からまとめたものです。

公園・庭園の樹木についても同じ考えがあてはまります。造園家として、樹木医として、街路樹剪定士指導員として、今日までの長年の経験を元に、植物への思いを込めつつ記すものです」と書かれ更に続いていくのですが、この中で私が惹きつけられた文書があります。「樹木は私たちと同じ生きものです。私たちが安心できる環境を望むように、樹木も安心・安定を願っているに違いありません。

人間の思いと樹木の思いが一致したときに、素晴らしい!美しい!と感じることのできる街路樹が誕生します。管理作業、剪定作業を行うということは、樹木に人間から何らかのメッセージを送ることです。そのメッセージが樹木の生存にとって都合の悪いものであれば、姿は醜くなり、さらには衰弱していきます。しかし、樹木の生活メカニズムを理解した上で、より良いメッセージを送ることができたら、樹木は私たちに美しい姿で応えてくれるのです。

わたしのことをよく知ってね.jpg


今の私に、都市に住む一人として何ができるのだろうと考えました。その結果、まずは木のことを納得ができるまで学ばせてもらおうと思い冨田先生にメールを送りました。5月の終わり頃だったと思います。間もなく私の携帯にご連絡を下さいました。

会っていただけるということでしたが、ちょうどこの時大事なプロジェクトを抱えていて7月ごろまでお忙しいということで、それ以降でも良ければというお言葉に、先生からのご連絡をお待ちいたしておりますとお答えし、今月お会い出来ることとなりました。

先生が携わっていらしたプロジェクトとは、神奈川県藤沢市に「遠藤笹窪谷公園」をオープンするというものでした。「遠藤笹窪谷公園」は藤沢市が市内三大谷戸の一つ「遠藤笹窪谷(えんどうささくぼやと)」を、藤沢市の湿地や樹林、草地などの多彩な環境が、そこに住む生きものの多様性を支えるトップクラスの貴重な自然環境として保全しつつ、地域の活性化を図ることを目的として作られました。

7月16日にオープンしたこちらの公園は、広さ約2.5haもあり、園内には田んぼ、菖蒲園、環境教育の場として活用する「生物多様性サテライトセンター」などが設けられ、更に周辺で発生する浸水被害軽減のための雨水調整池も設置されているそうです。冨田先生はこの公園内に湘南最大規模の菖蒲園を造られたのです。

6月の終わりには、地元の中学生130人とPTAの方々が1200株のハナショウブの苗の植え付けに参加されたとのこと。植えつけ方の手順を冨田先生自らイラストを添えて作成し配布されたというお話を伺いながら写真や配布資料も見せていただきました。

更にお話を伺っていくと、藤沢市にある「フジロード」という観光名所を管理されている市民団体「藤倶楽部」の代表もされていたり、地域を活性化するために藤沢市北部の地域おこしとして「遠藤まほろばの里」という大きな構想を描かれたそうで、そこには広く開かれた里山があって、多様な農業活動ができて、湘南最大級の菖蒲園があって、農家レストランがあって…というもの。それが見事に実現されたということでした。

あっという間に2時間ほどの時が過ぎ、先生と共に歩んでいらした奥様とも楽しいお話をさせていただきました。この後、先生がオープンさせた「農家レストランいぶき」を予約していただき、心地よい空間で美味しいランチをいただき帰宅しました。後日改めて、もう一度こちらに伺わせていただき、先生が管理するNPO法人「藤沢えびね・やまゆり園」と湘南最大級菖蒲園がある「遠藤笹窪谷公園」に伺うつもりです。

今回は、神奈川県藤沢市をフィールドとされている森林セルフケアコーディネーターの方々への情報共有も含めお伝えさせていただきました。


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posted by Yu SEKI at 14:43| サポーターコラム