事務局の三島です。
7/17付中日新聞にて、休眠預金の社会的事業への活用について取り上げていただいています。
http://www.chunichi.co.jp/article/living/life/CK2014071702000001.html 代表理事の 鵜尾 雅隆 のコメントも掲載されています。是非、ご覧ください。
--
長い間使っていない銀行口座は、一定期間が過ぎると休眠預金(休眠口座)と呼ばれ、残高は銀行の利益に計上される。国内では年間に約八百五十億円(郵便や農協の貯金などは除く)に達すると、二〇一二年の政府の会議で公表された。休眠口座でも預金者が請求すれば引き出せるが、約五百億円はその後も引き出されないまま残る。このお金を社会のために役立てようという議論が進んでいる。
全国銀行協会(全銀協)によると十年間、お金を引き出したり、振り込んだりしていない口座の預金を休眠預金と呼ぶ。銀行は残高が一万円以上あれば預金者の住所に通知するが、一万円未満はしない。連絡がつかない場合、休眠預金は銀行の利益になる。ただ、休眠預金となっても預金者が窓口に通帳や印鑑、本人確認書類などを持って行けば引き出しに応じる。メガバンクの関係者によると、休眠預金の大半は一万円未満。毎年、何百億円分もの休眠預金が発生するのは、誰もが手軽に銀行口座を開設でき、基本的に口座維持の手数料がいらないことが理由に挙げられる。
例えば家賃の引き落としやアルバイト代の受け取りのためだけにつくる口座などは、必要がなくなると使われなくなるからだ。
◇
休眠預金を社会的活動の支援に活用しようとしているのは、一二年三月に発足した「休眠口座国民会議」。日本財団の笹川陽平会長や病児保育を手掛ける認定NPO法人フローレンスの駒崎弘樹代表理事ら三十二人がメンバー。全国各地で市民団体や自治体、銀行関係者向けのフォーラムを開くなど、意見交換の場を設けてきた。今年四月には国会議員による超党派の休眠預金活用推進議員連盟も誕生している。
国民会議のメンバーの一人、日本ファンドレインジング協会(東京)の鵜尾(うお)雅隆代表理事(45)は「少子高齢化で社会保障費が毎年膨らむ中、多様化する社会的課題に行政が支出を増やすのは難しい。高齢者のケアや子育て支援などは細かいニーズがあるため、行政の対応では全国一律で高コストになる。民間の創意工夫で対応すれば支出は少なくて済む」と訴える。
気になるのは「預金者にお金が返ってこなくなるのでは」という不安だが、鵜尾さんは「預金者が申し出れば、いつでも引き出せるようにするのは当然。引き出されないまま残るお金を活用する」と話す。
国民会議によると、休眠預金の活用は英国や韓国で既に取り組んでおり、低所得者層の子どもへの教育や社会的起業の支援に活用されている。鵜尾さんは「活用の仕組みは透明性が確保でき、公平でなければならない。もとは多くの預金者のお金。多くの人に仕組みづくりに参加して」と話している。国民会議が運営するホームページ「休眠口座について考えるための情報サイト」で、活動の賛同者を募集しているほか、今後も各地で意見交換の場の開催を予定している。