じゅぎょうのまなび_番外編:MAKING A WORLD OF GOOD その1 [2014年03月14日(Fri)]
こんにちは!大石です!
今日は「じゅぎょうのまなび」番外編として、米国のファンドレイジング協会(AFP:Association Fundraisng Professionals)が、高校生向けに提供しているフィランソロピーとファンドレイジングに関する教育プログラムをご紹介します。 AFPが未来の寄付者や倫理的なファンドレイザー育成する必要性を感じて2010年から行い始めたものなんです。 このプログラム12のユニットから構成されていて、13歳から18歳の学齢期の子供を対象にして行っています。今回は、ユニット1〜4をご紹介します。 【ユニット1:フィランソロピーの概念とコミュニティにどのように変化を起こせるかを学ぶ】 philanthropy,common good,volunteer,donor,recipientなどの用語を知っているか?子供たちの経験を問いながら、身近な体験に引き付けてフィランソロピーの理解を図る問答式のユニットで、最後に宿題を出す。 ■宿題「Philanthropy News Report」: 家族や友人にインタビューを行いジャーナルとしてまとめてくる。他人を助けた経験、ボランティアの経験、ボランティア体験はどのような意味があったか、他人が誰かを助けるところを見たことがあるか、寄付をしたことがあるかなどの質問。 【ユニット2:コミュニティにはどのようなニーズ(貧困、病気、教育、環境など)があり、良い変化のためにはどのような機会をつくりだすことが良いかを考える】 ユニット1の宿題をもとに、ユニット1の振り返りと数名のインタビュー記録をシェア。自分たちの住むコミュニティではどんな社会問題があるか、そしてもっとも深刻な課題はないかを考えさせそれはなぜかを、ジャーナルに書き込んでいく。 もし100万ドル持っていて、それはコミュニティのために使わなければならなかったら、どのように使うか?どんな課題に使うか?どのような組織に託しどんな成果を期待するかをグループディスカッションさせる。 ■宿題「Hot Topics」: @自分のジャーナルを見て、コミュニティの重要なニーズを決めそれはなぜかを考える。Aコミュニティの重要な課題は何かを家族や友人に訪ねて記録してくる。BコミュニティのNPOの活動とコミュニティにどのような影響を与えているか調べてくる。 【ユニット3:他者を助けるプロセス】 このユニットでは、ユニット2で出されたコミュニティの課題とニーズを議論させることに加え、最も重要な1つの課題に絞り込むことを経験させる。そして、団体のミッション達成のためにどのように手助けすればよいかも学ぶ。 ユニット2でアウトライン化されたコミュニティの課題とニーズを振り返る。生徒に、自分たちの調べてきたリストにコミュニティの課題を割り振らせる。そして、2、3の生徒に調べてきたNPOについて、どんな種類の活動でどのように見つけたかなどをレポートさせる。 ミニディスカッションで、Common Good とPersonal Issue で何が異なるかをディスカッションさせる。 トップ5の課題を決定する:生徒に何種類かステッカーを配布して、それぞれ最も重要だと思う5つの課題にステッカーを貼らせる。ステッカーを数え、トップ5の課題分野を絞り込む。それぞれの課題に5つのチャートペーパーを用意する。 NPOが課題を扱っている方法とは異なる方法について話し合う。例えば、予防にフォーカスを合わせたり、基本的なニーズ、救援または緊急サービスを提供することにフォーカスを合わせたり、自尊心のための解決策やトレーニング、…コミュニティの状態や生活の質を変えることなど。 次のような質問をして、ボードに記述したそれぞれの質問の下に答えをリスト化する。 ・どんな方法でこの問題を予防できるか? ・このプログラムにおける、自分たちに対する基本的なニーズは? ・どんな種類の救助、緊急サービスが手助けになるか? ・他のどんな種類のサービスがこのニーズにあうか? ・このサービスから利益を得るのは誰か? ・コミュニティをより住みやすい場所にするために何を変えることができるか? ・どのように個人の生活の質を改善するこができるか? ・どのようにNPOは人々が自己肯定的になる手助けをできるか? ・このようなニーズに直面しているコミュニティはNPOがないとどんな風になるか? ・コミュニティにおける経済的社会的インパクトはなんですか? 生徒たちに3つの異なるステッカーを渡し、ディスカッションの後、最も重要と思われる5つのうち3つに投票させる。 ■宿題「Philanthropy News Reporter」: 生徒たちにそれぞれのジャーナルを家ももって帰り、テレビのレポーターのように以下の質問を、両親や家族や友達にして答えを書き留めてもらう。 ・3つの課題の内、どれがコミュニティにとって一大きな課題だと思うか? ・個人的にどれが最も重要だと思うか? ・それらの課題で、助けを必要としたことはあったか?どのような助けだったか?それはあなたにとってどんな意味があったか? ・もし、寄付できるお金とボランティア時間があったら、どの課題に時間と能力と大切なものを捧げるか? 【ユニット4:良いことのためのファンドレイジング】 このユニットでは、フィランソロピックファンドレイジングとは何か、なぜフィランソロピーの資金調達はものを売るよりも効果的なのか、フィランソロピックファンドレイジングは長い目で見た利益となるのかを生徒たちに教える。 壁の一方に「最もフィランソロピック」というカードを、他方に「最もフィランソロピックでない」というカードを貼る。 大きなポストイット、ジャーナル(前回までに生徒が作成したもの)、シンプルなファンドレイジングプランの概要を用意する。 まずは、次の質問を生徒たちに投げかける。「あなたは、学校や教会やその他団体のために異なるファンドレイジングアクティビティに参加しました。あなたが行ったいくつかのファンドレイジングアクティビティはどんなものでしたか?」 (※ディスカッションの間、重要なポイントを記録するためにジャーナルを使ってもらう。) 様々なタイプのファンドレイジングがあるが、ここではフィランソロピックファンドレイジングについて話す。フィランソロピックファンドレイジングとは何を意味すると思うか? (※フィランソロピーの定義に戻る「コモングッドのために時間、能力と大切なものを提供し共有すること」) 以前、話し合ったように、ボランティアギフトは寄付者と組織との信頼関係に基づいている。 寄付者は組織が行うことをケアし、その成功を助けたいと思う。 あなたが参加したことのある多くのファンドレイジングアクティビティはフィランソロピーとは関係ない。なぜなら、それはセールスに基づいているからだ。ものを売るときにどんなことが起こったか?(商品を欲しいと思った人が、それを手に入れるためにお金を払う。)これはものを売るのにまったく間違いではないが、フィランソロピーではない。ギフトは誰かがあなたに何かを与えるときに何もリターンを期待しないもの。何か購入する際に結びつきは必要か?ギフトの場合はどうか? ■フィランソロピックファンドレイジングのチェックリスト(※生徒に記述させる) ・ファンドレイジングアクティビティは組織の価値と目標を反映しているか? ・リーダーとしてボランティアを使っているか?(若者、または大人) ・共通の必要性や関心を見つけたことによつ寄付者との結びつきがあるか? ・ものやサービスを買うこと以外に寄付をすることで人々を参加させているか? ・組織の持続的な活動のための金銭的サポートをその組織にもたらすか? ■フィランソロピックファンドレイジングとは何かそうでないものは何かを判別できるかどうか見ていきましょう (※それぞれに3つのポストイットを渡す) ・あなたが今まで参加したり、知っているファンドレイジングアクティビティを3つ書いてください。 ・(ファシリテーター)次の3つ、個別訪問、電話、個別郵便と付箋に書きます。 ・子供たちにそれぞれの書いたものを読んでもらい、それが該当すると思う場所にチェックリストを参照しながら、一列に並べます。 ・質問:最もフィランソロピックなものまたは最もフィランソロピックでないものに近いものは? ・このことに驚きますか?それはなぜか? ・過去のファンドレイジングがどのような意味でフィランソロピックだったか判断するのは難しかったですか?それはなぜですか?またそうでなかった場合もなぜでしょう? ・readathonやwalkathon、mathathonはどうでしょう? ・ラッフルチケットやラッピングペーパーを売る場所は? ・コミュニティパークへの寄付の依頼をお願いに訪問することは? ・個別訪問、電話、個別郵便について話しましょう。なぜそれらはよりフィランソロピックなのか?個別訪問がもっともフィランソロピックだと強調される理由はなぜでしょう? ・どのように結びつきを創り出すか?(個別訪問によって) ・質問:最もフィランソロピックな資金調達手法は? ■Discussion: NPOにおいて、プロフェッショナルファンドレイザーのポジションは、しばしはディベロップメント・ディレクターと呼ばれます。ミッションの達成に必要な資金をどのように調達するか計画を立てることが仕事です。 また、NPOはその主張を信じ、達成を手助けしたい多くの多くの人々を巻込んでいます。彼らはボランティアであり、ボランティアとはすなわち執事(ステュワード)である。 ステュワードシップとは何か?それは何かを成長させ成功させたいという想いから世話すること。 もしペットを飼っているとすると、あなたはペットの執事でしょう。なぜなら、あなたはペットの世話をし、元気に幸せになってほしいと願うからです。もしあなたに世話をする組織があれば、あなたがその組織が将来成長するように助け、持続するために必要な資金を調達して人々を助けるとき、あなたは執事となっています。 組織の執事になれるいくつかの方法とはなんでしょう? ・活動的な参加者になる ・ボランティア ・先に資金支援をするか他のギフトを贈る ・友達や家族にその組織が行っている良いことストーリーを話す ・手助けしてくれる人を勧誘する ・支援していくれる寄付者を招待する 質問:寄付してくれる人はどんな人だと思いますか? (※家族、友達、関心のある人たち) 我々は彼らを顧客になりそうな人と呼びます。―なぜなら、彼らはあなたが支援している組織に支援をしてくれるかもしれない人々だからです。彼らは寄付者になるかもしれない人々です。 質問:支援者になってもらうためには何がいるか? (※組織について学ぶこと、その組織がどのように社会課題を解決しているか知ること、手助けするために何ができるか学ぶこと、彼ら自身に力を発揮してもらうこと) 彼らに組織にとって良いと思うことを尋ねることで、彼らと組織の関係を取り持つ出助けができる。 そして、助けをお願いすること!それこそが成功するファンドレイジング秘密です! ■Culminating Activity 今日のディスカッションから得た重要なアイデアを尋ねる。組織に仕える6つの方法について話してもらう。 ■宿題: 最初に、活動的な参加者になるための3つの方法について考え、ジャーナルに記録を取ってきてもらう。 次に、ボランティアになれる3つの方法について考えて、記録してきてもらう。 続くミーティングで、生徒たちアイデアをシェアさせる。 |
Tweet
![]() |
Posted by
日本ファンドレイジング協会
at 17:35
| 「寄付の教室」じゅぎょうのまなび
| この記事のURL