被災郷土芸能の盆・七夕・復興活動〜GBFund [2011年08月15日(Mon)]
明日は送り盆。
東北の郷土芸能の多くにとって、お盆は切っても切り離せない行事です。 盆踊や剣舞、鹿踊、さんさ踊り、じゃんがら念仏踊り、ねぶたなどなど、数えればきりのないほどの郷土芸能や祭りが、「鎮魂・供養」を担って各地で活動しています。 また、お盆は多くは8月7日から始まり、これは七夕行事にも重なります。 仙台で、東北各地のお祭りは集合した「東北六魂祭」。 色々と物議を醸しましたが、ここに集合したお祭りも、ほとんどがお盆や七夕といった「鎮魂・供養」につながるお祭りから発生したものです。 お祭り、とは本来そうした「祈り」が元になっているもので、騒いで楽しむだけのものではないことを、今年日本中の多くの人が再確認したことでしょう。 被災地では、今年のお盆・七夕を起点に、郷土芸能・祭りを再開させるための動きが活発化していました。 そのような折、企業メセナ協議会【GBFund】の第4回助成活動採択の一報が入り、今回も被災各地の多くの郷土芸能が復興するための活動が採択されました。 ![]() それぞれの活動実施内容を見ると、郷土芸能や祭りがどれほど地域にとって重要なものであったか、その再開がどれほど待ち望まれているかが伝わってきます。 今回まで採択された「郷土芸能・祭り」を一覧にしてみました(詳細はGBFund活動一覧をご覧ください→http://arts-fukkou.blogspot.com/p/blog-page_4972.html) GBFundでは、これらの採択された活動を更に支援するための「目的指定寄付」がありますので、こちらもお願いしたいところです。 【岩手県】 ●黒森神楽(岩手県宮古市、岩手県三陸沿岸域) 津波で流失した装束整備と、神社祭礼活動再開 ●小槌神社社人会(岩手県上閉伊郡大槌町) 秋(9/25)の神社例大祭再開 ●向川原虎舞(岩手県上閉伊郡大槌町) 9/24小槌神社例大祭からの虎舞復興 ●城山虎舞(岩手県上閉伊郡大槌町) 9/24小槌神社例大祭からの虎舞復興 ●三陸海の盆(岩手県大槌町・大船渡市) 8/7〜8/16三陸沿岸部で盆供養の一連の活動。各地の郷土芸能による奉納を行う ●八幡大神楽(岩手県下閉伊郡山田町) 津波による火災で焼失した道具の整備からの復活 ●永浜鹿踊(岩手県大船渡市) 流失した装束や道具を揃え、新盆供養「位牌褒め」から活動再開を目指す ●門中組虎舞(岩手県大船渡市) 地域住民総出の祭りや全戸悪魔払いに欠かせない虎舞の復活 ●仰山流笹崎鹿踊(岩手県大船渡市) 流失した鹿頭や鹿角など装束・道具一式を揃え、活動再開 ●浦浜念仏剣舞(岩手県大船渡市) 『被災郷土芸能復興支援プロジェクトin大船渡・越喜来』に対するGBFund助成を受けて、頭に被る毛采(けざい)、扇子、笛などが揃いつつある。 お盆期間中、新盆供養の念仏回向(えこう)や祭りでの活動を行う。 詳しいことはまた後ほど報告するが、代表の古水さんから伺った最新情報をお知らせする。 8/5 剣舞を伝える子どもたち中心に、地元のお寺で披露。実質震災後初披露。 8/7 新盆供養のための念仏回向。新盆の家々を供養のために廻り、念仏を唱え、念仏剣舞を踊りました。例年一日もかからず終る念仏回向だが、今年は朝から晩までやっても終らず、8/14にも行った。地域の皆さんの手作りによる「大口袴(おおぐちはかま)」など、衣装はまだ完全に揃わない中踊った。 8/14 新盆供養。 8/16 三陸港まつり出演。15:00から三陸公民館駐車場で行われるこの祭りには、浦浜念仏剣舞をはじめ、川原鎧剣舞(大船渡市立根町)や浦浜念仏剣舞と交流のある北上市の鬼剣舞、東京三宅島の三宅島神着太鼓が出演予定。 ●うごく七夕・川原七夕祭組(岩手県陸前高田市) 市内には12組のうごく七夕祭組があった。高台の3台以外は全て流失・損壊したが、数組が今年の8/7七夕に山車を動かした。 「川原七夕祭組」から報告あり。今年の七夕祭りに山車など間に合わなかったが太鼓や笛のお囃子を再開させた(写真・川原七夕祭組提供)。次は小正月の獅子舞を再開し、川原地区を建て直す中心となりながら、来年の七夕を目指すとのこと。 ![]() ●たびれっじ推進協議会(岩手県一関市) 東北沿岸被災地の民俗芸能の実態調査を各保存会を個別訪問しながら行い、Web公開。支援につなげる。 【宮城県】 ●行山流水戸辺鹿子躍(宮城県南三陸町) 毎年8/14にお寺で供養奉納をしてきた。全てを流されたが、地域で待つ方のために復興する。 ●小渕浜の獅子舞(宮城県石巻市) 漁師が多い地域で、その精神的支柱であった獅子舞が流失。今夏の復活を目指す。 ●雄勝中学校和太鼓(宮城県石巻市) 学校や指導者、和太鼓の被災を乗り越え、11月に「復興太鼓」を予定。 【福島県】 ●四倉ねぶた(福島県いわき市) 津波による保管庫とねぶたの流失、原発事故の影響で祭りが中止。来年の夏祭りでの復興を目指す。 ●じゃんがら念仏踊り(福島県いわき市) お盆で家々を廻り奉納するじゃんがら念仏踊りを中心に、分断されようとしている福島県をつなげていく。 こうして助成を受けている郷土芸能や祭りは、まだまだほんの一握りです。 やりたいけどできない、どうすればいいのか分からない。 全郷芸では、引き続き相談の窓口を開設しています。 事務局の小岩(電話:03-3583-8290 メール:koiwa@jfpaa.jp)までご連絡ください。 また、郷土芸能に特化した長い目で見た支援において、当協会では東日本大震災『郷土芸能復興支援プロジェクト』支援金を募集していますので、よろしくお願いいたします。 東日本大震災『郷土芸能復興支援プロジェクト』 支援金口座 三菱東京UFJ銀行 赤坂見附支店(064) 普通 0126803 口座名義 郷土芸能復興支援プロジェクト |