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被災郷土芸能状況報告 その2 [2011年08月01日(Mon)]
昨日31日東京の新井薬師でのイベントに、岩手県大船渡市三陸町越喜来の「金津流浦浜獅子躍」の皆さんが出演しました。

奉納に先駆けて、雨が大降りになってきましたが、何故か奉納直前になっては止み、最中も降らず、終って再び降り始める…郷土芸能公演では往々にしてあることですね。


金津流浦浜獅子躍は、元々は供養の踊りです。そして礼儀に大変厳しい踊りです。
今回も、新井薬師の門をくぐる前に門を褒める唄を歌い、本堂前では慰霊の念仏唄を歌います。



心尽しの唄を歌った後は、観客の前で踊りを披露しました。



皆20代〜30代の若者たちです。
しかし、獅子躍が伝えてきたその本当の意味を十分に理解した踊りに、私には見えました。

このブログでも触れましたが、金津流浦浜獅子躍と浦浜念仏剣舞が伝承されている越喜来地区は津波被害を受け、道具類を保管していた倉庫ごと全てを流失しました。特に念仏剣舞の道具は、ほとんどが発見に至ってはいないのですが、会長の「お盆での供養奉納は何としてもやらなくてはならない」という想いのもと、準備を進めている最中です。

8月7日には越喜来地区で亡くなった方々のための「新盆供養」をする予定だそうで、実質これが甚大な被害を受けた浦浜念仏剣舞にとっての再スタートにもなるわけですが、あくまでも浦浜に住む人々による浦浜の人々のための踊り奉納であります。

この盆供養からの再出発に向けて、企業メセナ協議会『GBFund』の助成によって、念仏剣舞に踊りに必要な毛采(けざい)と扇子、笛をなんとか揃えることができそうです。




毛采は、踊手が頭に被る髪の毛様のもので、北上の鬼剣舞の踊手が被っているのを見たことのある人も多いことでしょう。

【鬼柳鬼剣舞保存会提供】


ただ、鬼剣舞の毛采は馬の尻尾毛だけで出来ているそうですが、浦浜念仏剣舞ではそこにたてがみを混ぜて作るのがこだわりだそうです。

【浦浜念仏剣舞保存会提供】


これに関して、このたてがみを探すのは一苦労でした。馬の名産地であった奥州でも今や供給量が大幅に減ってしまい、被災を受けなくても困っている団体はたくさんあることが、今回明らかになりました。

全郷芸でも色々手を尽してルートを探してみたところ、同じ全郷芸会員である北上に鬼柳鬼剣舞庭元から「京都で取り扱っているらしい」と情報をいただき、早速紹介しました。

そしてこれが縁で、すぐ側にいながら今まで交流のなかった、内陸の鬼剣舞と沿岸の念仏剣舞の剣舞同士の縁までも繋がり、以後交流を活発化していくとのこと、とても嬉しいことです。


浦浜念仏剣舞と金津流浦浜獅子躍は、8月16日越喜来港(今年は三陸公民館駐車場)で開催される「三陸港まつり」にも揃って出演されます。他地区の剣舞や太鼓団体も出演予定だそうです。

祭りや郷土芸能の多くは、8月お盆、鎮魂と復興の祈りから再活動を始めます。

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