聴覚障害学生・支援者研修会
[2012年11月27日(Tue)]
さる10月27日、聴覚障害学生支援プロジェクト室主催で聴覚障害学生・支援者研修会が開催されました。
テーマは「日本の聴覚障害学生支援の現状を知ろう・手話通訳の通訳理論から学ぼう」です。
講師は筑波技術大学 障害者高等教育研究支援センター 准教授をお招きし講演して頂きました。学生支援者20ほどが参加しました。
前半の内容は、全国各大学での聴覚障害学生在籍状況・授業支援などです。最も興味深かったのは、文部科学省が「障がいのある学生の修学支援に関する検討会」を立ち上げたという情報も注目に値します。
そして今、議論されている事は障害者基本法に基づいての法改正はもちろんのこと、分野ごとの重点配分(予算・人員)、各大学の事業に対して合理的配慮のあり方などです。
また、国内と国外の大学を比較してのお話もありました。
ロチェスター工科大学と国立聾工科大学では、運営費の73%が連邦政府の補助金で運営されています。そこでの聴覚障害学生は支援が必要な科目・支援方法など自分でインターネットから申請でき、手厚い支援で素晴らしい体制ができているという事。
そして、手話通訳者に対しての評価システムがあり、通訳者のスキルによって年収が決まるという話しを聞き、通訳者の質の向上のためにも良い考えだと思います。
しかし、日本でこれを取り入れるには中々難しいかもしれませんね。
前半最後には講師自身の学生時代、自分の置かれた環境に働きかける術を持っていなくていつも悩んでいたというお話しもありました。そして、「良い手話通訳者」になるための8か条も紹介して頂きました。
一つご紹介しましょう。「自分の通訳をビデオに撮って100回以上見ること」などなど・・・
この8か条を毎日欠かさず行えば「良い手話通訳者」になる事は間違いないと思いますが・・・
どれだけの人が実践できるかどうか疑問です。(笑)
後半はワークショップ「通訳理論とその実践」というテーマでした。
手話通訳技術とは何か、PC連携入力のプロセス、ノートテイクのスキルアップ方法など盛り沢山でした。
学生支援者たちに実際、音声を聞きながらノートテイクやパソコン通訳をする実践もありました。その内容といえば先日、話題となった京都大学 山中教授がノーベル賞を受賞した「iPS細胞」の話しでした。普段、聞きなれない専門用語が多く、聞いても漢字すら思い浮かばないほど難しいものでした。
何故こういう課題を選んだのかといえば、理解しづらい箇所は自分で調べ、自分の言葉で説明できるような技術を身につけ、それでもなお理解できない箇所は講師・パートナーと確認し自分が納得できるまで最低3〜4時間勉強が必要だとのことでした。
要するに、通訳する前にはきちんと予習しておくことが大事という意味です。
とりあえず、1回目は聞いたものを書いてみよう、打ってみようという事になりました。
当然、みんな手が止まりあっ気にとられた様子でした。
2回目は資料を読んでから実践に入りました。1回目よりも内容が取れた感じです。
3回目に挑戦する前に、自分で分からない箇所はインターネットで調べる時間を設け、自分が理解するまで資料を読み込んでいました。
するとどうでしょう!1回目より意味が取れていて読みやすくなり、見違えるようにすばらしい文章になりました。学生たちは、そこで予習の大切さを痛感したと思います。
研修会は4時間という長い時間でしたが、あっという間に終わったような気がしました。学生支援者も利用者も有意義な一日だったに違いありません。今回の研修は今後の支援の在り方に繋がることでしょう。
皆さん、お疲れ様でした。(H)
テーマは「日本の聴覚障害学生支援の現状を知ろう・手話通訳の通訳理論から学ぼう」です。
講師は筑波技術大学 障害者高等教育研究支援センター 准教授をお招きし講演して頂きました。学生支援者20ほどが参加しました。
前半の内容は、全国各大学での聴覚障害学生在籍状況・授業支援などです。最も興味深かったのは、文部科学省が「障がいのある学生の修学支援に関する検討会」を立ち上げたという情報も注目に値します。
そして今、議論されている事は障害者基本法に基づいての法改正はもちろんのこと、分野ごとの重点配分(予算・人員)、各大学の事業に対して合理的配慮のあり方などです。
また、国内と国外の大学を比較してのお話もありました。
ロチェスター工科大学と国立聾工科大学では、運営費の73%が連邦政府の補助金で運営されています。そこでの聴覚障害学生は支援が必要な科目・支援方法など自分でインターネットから申請でき、手厚い支援で素晴らしい体制ができているという事。
そして、手話通訳者に対しての評価システムがあり、通訳者のスキルによって年収が決まるという話しを聞き、通訳者の質の向上のためにも良い考えだと思います。
しかし、日本でこれを取り入れるには中々難しいかもしれませんね。
前半最後には講師自身の学生時代、自分の置かれた環境に働きかける術を持っていなくていつも悩んでいたというお話しもありました。そして、「良い手話通訳者」になるための8か条も紹介して頂きました。
一つご紹介しましょう。「自分の通訳をビデオに撮って100回以上見ること」などなど・・・
この8か条を毎日欠かさず行えば「良い手話通訳者」になる事は間違いないと思いますが・・・
どれだけの人が実践できるかどうか疑問です。(笑)
後半はワークショップ「通訳理論とその実践」というテーマでした。
手話通訳技術とは何か、PC連携入力のプロセス、ノートテイクのスキルアップ方法など盛り沢山でした。
学生支援者たちに実際、音声を聞きながらノートテイクやパソコン通訳をする実践もありました。その内容といえば先日、話題となった京都大学 山中教授がノーベル賞を受賞した「iPS細胞」の話しでした。普段、聞きなれない専門用語が多く、聞いても漢字すら思い浮かばないほど難しいものでした。
何故こういう課題を選んだのかといえば、理解しづらい箇所は自分で調べ、自分の言葉で説明できるような技術を身につけ、それでもなお理解できない箇所は講師・パートナーと確認し自分が納得できるまで最低3〜4時間勉強が必要だとのことでした。
要するに、通訳する前にはきちんと予習しておくことが大事という意味です。
とりあえず、1回目は聞いたものを書いてみよう、打ってみようという事になりました。
当然、みんな手が止まりあっ気にとられた様子でした。
2回目は資料を読んでから実践に入りました。1回目よりも内容が取れた感じです。
3回目に挑戦する前に、自分で分からない箇所はインターネットで調べる時間を設け、自分が理解するまで資料を読み込んでいました。
するとどうでしょう!1回目より意味が取れていて読みやすくなり、見違えるようにすばらしい文章になりました。学生たちは、そこで予習の大切さを痛感したと思います。
研修会は4時間という長い時間でしたが、あっという間に終わったような気がしました。学生支援者も利用者も有意義な一日だったに違いありません。今回の研修は今後の支援の在り方に繋がることでしょう。
皆さん、お疲れ様でした。(H)