今回は当機構理事にしてニール号調査団団長 荒木伸介先生に、中継を終了してのコメントを頂きました。
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台風の余波が残る中で、南伊豆町吉田浜沖からの二―ル号海底調査の生中継は、さんざんでした。折角ヘリを飛ばしての空撮も、どんよりと垂れ込めた雲にさえぎられ、国指定名勝「伊豆西南海岸」の明媚な景勝もぼやけ、水中からの映像も透明度に欠け、普段の美しい状況はお伝えできませんでした。
海底調査も、現状確認、遺物等の分布調査を始めたばかりで、「財宝発見!」というわけにはいかないのですが、報道は、発掘調査が大詰めを迎えたかのような調子で伝えられていたことは、大変遺憾で、調査担当者としては深くお詫びしなければならないと反省しています。
その一方、水中文化遺産の調査、保存、活用に関心をもたれた方が、少しでも増えてくれたことには感謝しなければならないでしょう。
二―ル号調査は、これまでと変わらず、地道に調査、研究を継続していく所存です。何卒、皆様のご支援、ご協力のほどお願い申し上げます。(荒木伸介)
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