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2011年04月22日

大切な思い出の品々を守る 〜水災害後の応急処置〜 1/2

賛助会員滑G画保存研究所 小谷野匡子先生から、下記の応急処置方法の情報を提供いただきました。

大切な思い出の品々を守る 〜水災害後の応急処置〜 1/2

安全対策

★作業をする際には長袖、衛生手袋、マスクや保護眼鏡などを着用しましょう。

  カビまたは有害物質を扱った後は抗菌石鹸を使って手を洗いましょう。


★カビには有害なものがあるため、カビまたは有害物質が見受けられる場合は感染対策用マスク(レスピレーター)を使いましょう。

  体調に異常を感じた場合は医者に相談しましょう。

  乾いているカビを除去する場合は、カビ胞子が自分に向かって飛ばないように気をつけましょう。


書類、地図、ポスター、賞状など

★濡れている場合(紙は濡れている状態では非常に弱いため注意しながら、また十分に下から支えながら慎重に扱いましょう。)

@吸水性のある紙などで余分な水分を取り除きます。

A乾燥します。

 ◆濡れている場合、重なった紙類などは無理に剥がさないようにします。

  0.5cm程度以上の高さまでなら、重ねた状態で乾かしてもかまいません。

 ◆重なった紙を問題なく剥がせる場合は、吸水性のあるキッチンペーパーやクッキングシート(ワックスペーパー)などを間にはさみ、紙作品が乾くまで取り替えます。

 ◆可能であれば、錆びてないきれいな網戸を木のブロックやレンガを間に挟んで積み重ね、網戸の上に紙を乗せて乾かせばより効果的に乾かすことが可能です。

 ◆テーブルなどの硬い表面の上で乾かす場合は、吸収性の良い材料を敷き、湿ったら取り替えながら乾かしていきます。

B平らにします。

 ◆ほとんど乾いた状態になったら無地の薄紙のような保護紙の間に入れ重しを上に乗せます。

(注:水分が抜け切れてない状態で重しをしてしまうとカビが生えてしまう可能性があるので、こまめに確認をします。)


★乾いている場合

@汚れを取り除きます。

 ◆柔らかい筆やスポンジで埃や汚れなどを除去します。

A塩水に浸ったものは真水に浸して洗います。

 ◆絵具やインクが水に溶けるものは洗えません。

 ◆バットに水を張ります。まず、紙の支えになる合成繊維の紙か、なければ薄い布などを浮かべます。

  その上に紙作品を乗せ、水に浸します。

  水は、何度か新しい水に替えて洗います。

B乾燥します。

 ◆机の上に新聞紙を敷いてその上にキッチンペーパーを置き、支えの紙又は布ごと作品をその上に移動し、自然乾燥します。

C平らにします。

 ◆濡れている場合のBと同様の手順で乾燥します。



@半分以上濡れてしまっている本はまず水切りをします。

 ◆本は、シーツまたはタオルの上に立たせ、小さく切ったスポンジを本の前側の縁に当てて水切りをします。

  水切りの際は本を閉じたまま行います。

  水が垂れなくなったら本の冷凍が可能になります。
 
  本は、濡れているときには開かないようにします。

A本を冷凍します。

 ◆冷凍すると本への更なる損傷を防ぐことが可能であり、その状態で数週間、数ヶ月と安定した状態で保存ができます。

 本はクッキングシートのようなワックスペーパーに包み、冷凍庫に入れます。

 霜取り機能のある冷凍庫の場合は、凍らせたまま本を乾かすことができますが、数週間から数カ月かかります。

B本を解凍します。

 ◆本を解凍するときは、霜をはらいゆっくり解凍します。
 
  解凍中は、適宜余分な水分を吸い取ります。

C本を乾燥します。

 ◆本が半乾きの状態のとき、一番効果的に自然乾燥させることができます。

  本を立て、扇形に開いて乾燥させます。
 
  上下の縁のうち、より乾いている縁の方をまず下側にします。

  数時間ごとに、上下を逆にして乾燥させます。

 ◆乾かすときは、本より大きい白いキッチンペーパーを1枚ずつ表紙・裏表紙と次頁の紙の間に入れてから本をたてて乾燥させます。

  キッチンペーパーが濡れたら取り替えます。

D本に重しを乗せます。

 ◆本が、濡れてはいないけれど触るとひんやりする状態になったら、本を閉め、レンガなどの軽い重しをして歪みを最小限にします。

  カビが生えてないかときどきチェックします。

写真

 ★殆どの写真、ネガ、スライドは自然乾燥が可能です。

  古い写真には水により損傷を受けやすいものがあり、その場合は修復・復元が難しいことがあります。

@汚れを落とします。

 ◆写真が泥や土まみれでまだ濡れている場合は、冷たいきれいな水をためたバケツや緩やかな水流の下で優しく洗います。

  泥は乾いた状態で除去する方が取れやすいので、無理に完全に取らなくて大丈夫です。

A乾燥します。

 ◆写真(画像の部分)側を上にして乾燥させます。
 
  濡れている時は写真やネガ(画像の部分)を触るのは避けます。

  (注:ネガ、スライドでは、大概、光沢がない側が画像側です。)

 ◆早く乾燥させるには、洗濯バサミ(木の洗濯バサミあるいは、傷が付きにくい挟み口が平らなプラスチック製のもの)を使って洗濯紐に吊るします。

  画像部分の上には留めないように注意!

 ◆額装されている写真は、まず、額のガラス部分を下にし、裏ボードなどを取り出します。

  写真がガラスにくっついてしまっている場合は取り出さずそのままガラス面を下にしたまま平らな状態で乾燥させます。

 ◆乾燥中に写真が丸まってしまっても、後で平らにできるので大丈夫です。

衣類、布類(テキスタイル)

 ★繊細な生地のものは広げないようにしましょう。

  濡れているものは重ねないようにしましょう。

@洗います。

 ◆洗ってすすぎ、水分をきれいなタオルやシーツなどで取り除きます。

  濡れている状態で元の形に整えます。

A乾燥します。

 ◆可能であれば、屋内で扇風機やエアコンを使い乾燥させます。

  無理であれば、外で陰干しをします。
 
  錆びてないきれいな網戸を木のブロックやレンガの間に挟んで積み重ね、網戸の上に乗せて乾かせばより効果的に乾かすことが可能です。

木製家具

 ◆スポンジなどを利用して表面を軽くクリーニングし、水分を拭き取ります。

  ゆっくり空気乾燥させます。

  合板などを利用した家具には重しをするかクランプを使って押さえて乾燥させます。

  その際、表面にワックスペーパーなどを当てて保護します。

 ◆水分や湿気により表面に白い曇り(ブルーミング)が現れることがありますが、すぐに処置が必要な症状ではありません。

  処置については専門家に相談しましょう。

布・皮張りの家具

 ◆泥を洗い落します。

  クッションや取り外せるものは取り除きます。

  シーツやタオルにくるみ空気乾燥させます。

  シーツやタオルは濡れたら取り替えます。

  木製の部分は水分を拭き取り、ゆっくり自然乾燥させます。

絵画(油絵)

 ◆額から取り外します。

  絵は木枠から外さないようにします。

  絵の部分を上にし、平らに置いて乾かします。

  画面の上には何も触れないようにします。

  直射日光での乾燥は避けます。

 ◆絵画の表面にも、乾燥後にブルーミングの症状が現れることがあります。

  (木製家具の項を参照)

絵画(掛軸)

 ◆濡れている場合:水分を吸い取る紙を下に敷いてその上に広げ、陰干しで乾かします。

  上に毛布など薄手の布をかけて乾かすと、乾かすときにできる歪みを押さえることができます。

 ◆巻いたまま濡れて乾いた場合:巻いた状態で濡れたときは、中までは濡れていないことも多いものです。

  しかし、巻いた状態で中まで濡れて乾いてしまった場合は、無理に開くと裂けることがあります。

  その場合は、湿らした紙に包んでビニール袋の中などに2時間位おき、全体に湿りがまわったら開いて陰干しします。

金属品

 ◆泥やゴミが付着している場合は、きれいな水で洗い、すぐに乾いた柔らかい布で拭いて乾かします。

  彫刻などのような大きな金属作品に大きい泥の塊がついているような場合には、そのまま乾かします。

  固まった泥は後で取り除きます。

CD

 ◆きれいな冷たい水で泥や土を洗い落とします。

  それでも落ちない場合は薄い洗剤液につけておきます。

  CDを擦ってはいけません。

  ラックがあって縦にして乾燥できる場合はそうします。

  もしそうできない場合は、きれいなワックスペーパー(クッキングシートなど)の上にきれいな紙を置き、その上に印刷面を下にして置き、乾燥させます。

  紙は濡れたら取り替えます。


この内容は、次のブログへ続きます。

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posted by JCP at 14:59| Comment(0) | TrackBack(0) | report
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