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2011年04月11日

災害発生時の対応と、写真/電子資料の応急処置方法 2/2

災害発生時の対応と、写真/電子資料の応急処置方法 2/2

こちらのブログからの続きです。

 以下は、IFLA(国際図書館連盟)のマニュアルから、災害発生時のマニュアル部分を抽出しました。
水損資料の応急処置については、現在様々な団体のHPで見ることができますが、こちらはより専門家向けに、初動から一段進んだ段階までの対応方法を記してあります。

@@は、特に重要な部分、(@@)は、筆者の注記です。

(文責:谷村 Hilgeman 博美)


f 職員、作業要員への支援

― 復旧作業に携わるすべての人々が定期的な休憩と食事、飲み物をとれるよう用意し、現実に即した労働時間とすること。
必要な場合、適当な避難場所(テントや毛布など)を用意すること。

― 進捗状態、未解決の問題、職員個々の貢献の重要性について、全員が認識できるよう、定期報告を行うこと。

― ボランティアには必ず、報酬を払うか、または他の形で謝礼をすること。

― その機関の職員自身が、自分の職場環境が破壊されているのを見ることにより相当な心理的トラウマに苦しんでいる可能性があることを忘れないこと。
適切なカウンセリングを行うことを検討すること。


g 水損資料を事前に選定した復旧作業場所に移動させる

水で濡れた紙はとても脆いことを忘れないこと。

(できれば箱に入れる、あるいは台の上に置いて運ぶ。)

― 資料は別々に運ぶこと。

― 最初に、床に置かれた資料を移動させること。
次に、書架の一番上段の資料を動かし、順次下段に進めていくこと。

― 資料の移動経路をつかみ、情報管理を良くするために、明確な流れ作業の手順に従って資料を移動すること。

事前に注意深く研修を行い、実際の処理に当たっては適切な監督の下で行うことにより、復旧後に、資料がどこにあるか確認するための時間やコストを、かなり軽減することができる。

― 閉じた本は閉じたままにし、開いた本は開いたままにすること。くっついてしまった本同士や一枚物同士を引き離さないこと。(とても大事です!!!)

― 写真資料の表面に触れないこと。

― 泥まみれの閉じた資料は閉じたまま、きれいな流水で(ホースを使って)洗い流すこと。

(この作業、また洗い流すかどうかの判断には専門家がいた方が良いと思います。)

例えば煙で損傷した資料を非常に丹念にクリーニングする場合は、資料が乾燥するまで待つこと。

(大抵、乾燥してからのクリーニングが安全です。これも専門家の判断が必要と思います。)


h 復旧エリアの資料は処理方法によって分ける

紙資料について、まず決めなければならないことは、被災場所で資料を洗浄し乾燥させるか、冷凍工場に移していったん冷凍し、後で処理するかどうか、である。その決定は以下の条件によるだろう。

(十分な冷凍庫の容量がある場合は、まず冷凍しておくとカビが生えないので安心です。)

― 資料の冊数

― 資料がどの程度、水に濡れ、汚れ、汚染されているか。

― 資料の性質。可溶性インク(手稿本インク、ある種の印刷用インク)とコート紙は、可能なら、冷凍した方がよい。

― 利用しやすく手ごろな値段の冷凍施設が使用可能かどうか。

― 災害が局地的なものか、それとも広域にわたるもので、外部の施設が存在したとしても利用できないようなケースであるかどうか。


i 水損資料の処置

― わずかに水に濡れた資料(可溶性インクを使った資料やコート紙は除く)のためには

 空気乾燥させる。

 これは多くの場合、被災現場で実施可能であるが、スペースが必要であり、大きな労力を要する。

 乾燥作業を行なう環境を除湿し、可能な限り、扇風機を使って空気を循環させる。

(扇風機の風は直接物に当てず部屋の向こう側の天井下くらいに当てます。これで部屋全体の空気が循環します。)

空気を継続的に動かすことは、乾燥スピードを速めるとともに、カビの発生を防ぐ

(早いと48時間でカビが生えてきます。すでに4月半ば、暖かい日が続くと危険です。)

 資料を広げる(例えば、架台式テーブルの上に)

 過分な湿気は、きれいなスポンジか吸い取り紙を使ってやさしく拭いて、吸収すること。

 製本した本は、立てて、ページが扇形に広がるようにする(大型本または薄表紙の大型本は支えるものが必要である)。

または、吸い取り紙(例えば、きれいな新聞印刷用紙、薄い吸い取り紙)をページの間に差し込み、次に圧力をかけ、定期的に紙を替える。
ゆるく綴じた文書や一枚ものの資料は、可能なら、水平な棚上に置いた吸い取り紙の上に広げるか、または、木綿の物干し用ロープにかけて干す。

― びしょびしょに濡れた資料や、くっついてしまった一枚物の資料や、水溶性インクまたはコート紙を使った資料はすべて、 (もし利用可能で手ごろな金額であれば) 冷凍庫に送る。
びしょびしょに濡れた資料は48時間以内に、カビが生える可能性がある。

(一度濡れると、よほど完全に乾いていない限り、湿気ばかりでなく汚れのせいで資料はカビが生えやすくなっています。)

資料を冷凍庫に入れ冷凍することにより、資料を無期限に安定的な状態にすることができる。
それにより、後で処理可能な分量に分けて取り出して乾燥させることが可能になる。

 資料は(可能な範囲で)個別にビニール袋や包装紙に包み、プラスチックの箱に入れること。

図書は背を下にして梱包すること。

(透明の中が見えるビニール袋に入れることにより、中に何が入っているか分かります。

そうでなければ、中身が何か分かるよう、(出来れば中と外に)札をつけてください。

いくつか一緒に乾かして差し支えないものを、最初から一緒にしておくことは可能です。

また、いくつかを一緒にプラスチックの箱に入れてください。

** 冷凍庫は、スーパーマーケットや普通のお店の冷凍庫、あるいは家の冷蔵庫についている冷凍庫でも十分役にたちます。

一時的に大きな冷凍庫が無い場合に。)


 動かしやすく、水に強い容器(プラスチックのトレイや箱、ビニールで裏打ちした標準規格の保存箱)を使うこと。
処理しやすいように、たくさん詰め込みすぎないこと。

 資料にラベルを貼り、記録する。

 冷凍やその他の処理を行うために送り出される資料の容器には、必ず、機関名と容器の内容(情報管理のためのファイル番号、請求記号、シェルフ番号等)を防水マーカーで記したラベルを、はっきりわかるように貼ること。

 現場から離れた場所に運んだすべての資料についての記録を必ずその機関で保管すること。
記入用紙を予め用意することを検討すること。
この段階で時間をかけておけば、後で時間を節約することができる。
前もって取り決めた冷凍施設への資料輸送を手配する。
輸送に数時間もかかる場合には、冷凍設備のあるバンやトラックの手配を検討すること。


― 写真資料と電子資料

可能なら、専門家に助言を求める方が常に安全である。

写真は現像などの過程で、水処理をすることが多い。

そのため、写真資料は、冷たいきれいな水で処理可能なことがよくある。

ネガ(銀塩フィルムやフィッシュを含む)、磁気テープ、写真の印画については、洗浄し、感光乳剤の側を上にして空気乾燥することが可能である。

銀塩マイクロフィルムについては、一時的に冷たい水を張ったバケツに入れてから、フィルム処理施設に運ぶことが可能である。
posted by JCP at 19:44| Comment(0) | TrackBack(0) | report
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