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藤岡喜美子のブログ

これまで細分化されてきた日本のサードセクターを横断的に再構築し、政府・行政セクター、企業セクターといった
従来のセクターに、イノベーティブで力強く活動するサードセクターが加わることで、3つのセクターが一体的に変化し、多様な主体者が社会問題を解決していく未来に日本に変えていきます。


どうなる!病児保育、どうする?病児保育 [2012年03月27日(Tue)]
子育てしながら働く親がいる家庭にとって一番困るのは子どもが病気になった時ではないでしょうか。
市民フォーラムでは、愛知県内において平成17年より病児病後児の相互援助活動の推進ためにスタッフを養成し、預かりを行ってきました。平成24年度から、病児・病後児預かりの制度が変わります。ここで、私たちは、これまでの制度の継承ではなく、どのような仕組を「地域発」にて、NPO、市民、関連機関、行政の連携・協力により新しいサービスを創出していくのがよいのか考えてみたいと思います。
・平成24年度より厚生労働省緊急サポートネットワーク事業廃止
・市町村主体のファミリーサポートセンター強化事業へ移行
・愛知県内にてファミリーサポートセンター強化事業実施市町村はわずか7市町村
・ニーズが高い名古屋市は平成24年度は実施しないこと決定
・愛知県内緊急サポートスタッフ1000名以上養成(うち登録スタッフ400名)
・市町村は病気のときこそ、たすけてあげたいという市民の志、たすけあいの心をなぜさらに醸成しようとしないのか。
これまで都道府県単位で、病児・病後児預かりを実施してきました「緊急サポートネットワーク事業」が廃止となり、市町村が実施している「ファミリー・サポート・センター事業」で、お子さんが健康なときも、病気のときもお預かりができるように制度が変わりました。これは制度が変わったということで各市町村が実施するということではありません。
愛知県内の実施状況はどうでしょうか。
●病児・病後児保育室:39か所(内、病児対応が可能なのは18か所)
●派遣型の病児・病後児保育:7市(内、2市が病後児のみ対応)
上記の数字からも明らかですが、病後児ではなく病児は必要とされながらも、病気の時にあずかってほしいという利用者のニーズを満たすことができていないのが実情です。

では病児・病後児保育が広まらない理由はなぜでしょう。
たとえば病児保育室など固定型のサービスでは、現在の補助金は運営補助であり、開設費用は自己負担です。コストがかかります。さらに困っている利用者のニーズにこたえようとすればするほど必要な人員配置をしなければならず、その小児科医の人件費負担がますます増え、それゆえ病児保育室を開設する小児科医がなかなか見つからないということがあげられます。
派遣型(相互援助活動)の病児預かりの一番大きな課題としては、専門家ではない“地域の人”による預かりとなるため、安心・安全な預かりの確保に限界があるということです。預かりの質の平準化やリスクの管理に加え、地域の医療機関など関係機関との連携体制の構築が進まず、市町村での実施が進んでいないのが実情です。
施設型と派遣型では、それぞれメリットとデメリットがあります。

では、どうすればよいのか

愛知県内において、行政・市民・医療機関・保育関係者・企業・NPOなどの多様な主体者が連携・協力し、互いに「場所」「資金」「人」「ノウハウ」などの今ある地域資源を提供し活かし、派遣型と固定型サービスを連携させることで、利用者目線でそれぞれの地域のニーズにあった病児・病後児保育の仕組みができ、広がっていくのではないでしょうか。

今回は、制度変更を受けて、みなさんの地域で、子どもにとって、親にとって、地域にとって安心・安全な病児・病後児保育の仕組みがつくられていくことを目指し、病児・病後児保育について考える機会として、「啓発フォーラム」を開催致します。

愛知県内でも、利用者目線にたち、独自で派遣型の利用料金にバウチャー制度を導入している自治体があります。
困っている人を助けたい、その制度もあるにも関わらず実施を見送る自治体もあります。
ゲストでお呼びする大野城市では国の交付金ではなく、市民とともに独自の仕組をつくっています。
お子さんが病気のとき、どすればよいのか。どうするのか。

 みなさんでお子さんが病気のときに、地域や社会で何ができるのか考えてみませんか?
 子どもが健康なとも、病気のときも、健やかに成長し、地域で安心して子どもを産み育てることができる地域のためには、多くのみなさんのチカラが必要です。より多くのみなさまにご参加頂き、まず何かはじめる・考えて頂くためのきっか けとして頂きたいと思います。


 詳細は、下記のURLよりご覧ください。
 http://www.sf21npo.gr.jp/

 【開催概要】
●開催日時:2012年3月29日(木)13:30〜16:30
●会場:ミッドランドホール 会議室A(名古屋市中村区名駅4-7-1 ミッドランドスクエア内)
 【プログラム】
13:30〜13:45: オープニング/開会あいさつ
13:45〜14:35 :行政・市民・医療機関・NPOで作った地域の病児・病後児保育の仕組み
          講師/見城俊昭さん(大野城市新コミュニティ課 課長)
14:35〜15:15 :愛知県内の病児・病後児保育の現状と今後に向けての課題と展望
         講師/藤岡喜美子(市民フォーラム21・NPOセンター 事務局長)
15:30〜16:30:パネルディスカッション「病児・病後児保育のこれからを考える」
        パネリスト
        山崎嘉久さん(あいち小児保健医療総合センター 保健センター長)
         高木陽子さん(女性労働協会 本部事業部)
         酒井正樹さん(愛知県健康福祉部子育て支援課 主幹)
         見城俊昭さん(大野城市新コミュニティ課 課長)
        コーディネーター
         藤岡喜美子(市民フォーラム21・NPOセンター 事務局長)



タグ:地域の力
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