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藤岡喜美子のブログ

これまで細分化されてきた日本のサードセクターを横断的に再構築し、政府・行政セクター、企業セクターといった
従来のセクターに、イノベーティブで力強く活動するサードセクターが加わることで、3つのセクターが一体的に変化し、多様な主体者が社会問題を解決していく未来に日本に変えていきます。


日本版コンパクトNO4 [2011年03月10日(Thu)]
3月9日第4回政府と市民セクター等との公契約等のあり方等に関する専門調査会が開催されました。私はオブザーバーとして参加しています。これまでは専門調査会をどのようにすすめるかという議論、もしくは各委員からの各論における提案が多かったとの印象がありますが、事務局の論点整理ペーパー、座長が各論点に対し意見を求めるという取り回しにて、委員同士の意見交換ができるようになりました。各委員の発言は内閣府のHPに公開されますので、ご覧いただければと思います。
各論点整理については、私がこれまで提言してきたものと、ほぼ同じでしたので、各委員の発言をお聞きし、特に重要なポイントのみ意見を述べていきました。
専門調査会においては各委員の意見をお聞きし、政府とサードセクターの協約の内容や策定方法は「新しい公共の推進会議」にて議論することとなりました。次回「新しい公共の推進会議」開催までに、JACEVOにて緊急集会を開催し、意見を頂いていきたいと思っています。

専門調査会では大きく1から5にわけて議論されましたが、1から4は各論、5が総論となります。
1.政策の企画立案等に関する主な論点
論点1政策の企画立案への参画機会の確保
論点2提案型協働事業の導入促進
2.委託契約に関する主な論点
論点3間接費などの適切な積算
論点4担い手の選定の競争性・透明性・公平性を確保しつつ創意工夫や社会的価値を評価する仕組み
3.その他公的資金のあり方に関する主な論点
論点5バウチャー制度の推進
4.人材に関する主な論点
論点6人材育成・交流の促進
5.協約に関する主な論点
論点7政府と市民セクターとの協約について

私の意見は
1.企画立案においては、目標に対し有効であるかどうかで採用するかどうかの検討や審査があるはずであり、そこで自治体において目標があきらかになっている自治体が少ないことが課題です。
2.委託においては、プロセス評価ではなく、成果を評価し、サードセクターが公共サービスの実施において付加価値が付けられるような契約の在り方を検討する必要があると指摘しています。
また、サードセクターは専門性を有すボランティアが活動をする場合があります。その専門性は組織のミッション達成のために組織の資源となるものであり、委託契約においてボランティアの労働力やスタッフの専門性を安く政府・行政が吸い上げてしまうことがあります。
3.バウチャーについては、私が子育て政策などで提言をしています。またJACEVOの代表理事がルグランを約していますので、ご覧下さい。
4.人材育成・交流については専門調査会の委員からも発言があり、私も全く同感でした。新しい公共の推進会議においても人的交流が提案されますが、私は、サードセクターの経営力が課題であると主張しています。それは、交流を進める前に、サードセクターにすぐれた経営者、労働者が存在することが重要であり、サードセクターの経営者が少ないことを課題として捉えています。
5については、提言書を提出しましたので、ご覧いただきたいと思います。
内容は下記に掲載しました。

1 協定の目的・役割は何か
●なぜ必要なのか
多様化する公共サービスへのニーズに、政府がすべて答えるには限界があります。国民のニーズに機敏に応えることができるサードセクターの特性に期待が高まってきています。日本ではすでに公共サービス改革がすすんでいますが、政府側の一方的ルールにて、サードセクターの自律性を尊重することなく、安価な担い手として安づかいされる危惧があります。

●協約の目的・役割
協約を締結することで、「新しい公共」の実現のために、政府がNPOや、より広範なサードセクターの独自の役割と価値を重視することを公式に表明し、発信することになります。

政府とサードセクターの関係を変える「転機」となり、それぞれ異なる特性を持つものが協議をくりかえし、信頼関係を築く土台とします。

<参考>
「コンパクトの意味することは、政府・行政は自ら提供できないものを提供できるパートナーを発見できるということであり、NPOは政府・行政が提供できるものの範囲を拡大する存在だということです。もうひとつのレベルは、二つのパートナーが率直に意見交換できるパートナーシップ関係、信頼関係を確立することです。これらの収穫物を手に入れるためには、あなたの潜在的なパートナーと議論できるような「空間」問題点がテーブルに載せられ素直に議論される「空間」を確立しなければなりません。ある種の協議期間が絶対に不可欠であり、文書をつくってからそれについて協議するのでなく、協議をしてから文書をつくるのでなければなりません」
ニコラスディーキン教授談
『イギリスNPOセクターの契約文化への挑戦』
市民フォーラム21・NPOセンターブックレット

2 協定締結を通じて克服しようとする課題はなにか
●締結までの協議プロセス自体が、これまでの政府‐サードセクター関係が転換しつつあることを広く示すことになります。
●これまで省庁毎に分断されてきたサードセクターの一体的存在感を社会全体に向けて発信する最初の機会となります。
●「官から民へ」という方向で、公的資金を用いて行われる多様な公的事業の実施がサードセクターに委ねられつつあるなかで、従来のような外郭団体・天下り現象を再現させたり、サードセクターを安づかいすることなく、公的資金に関するアカウンタビリティを確保しつつも、サードセクターが創意工夫を発揮できるような自律性を保障するような政府‐サードセクター関係を構築していくための土台を築くことになります。

<協約の締結のあとに>
協約を締結したあとも、さまざまな課題解決のために、政府とサードセクターの間で話し合いの機会を定期的の設け、ともに改善策に智恵を絞り試行錯誤を続けながら、信頼関係を構築していく努力を続けていくことが肝要です。協約は絶えず変化を続けながら、互いのよりよい関係を探っていくためのツールです。

3 協定の内容
 その内容は、両者の協議のなかで模索されるべきものですが、政府とサードセクターがお互いの独自の役割と価値を承認し合い、政府活動や公的資金に関する国民へのアカウンタビリティを確保しつつサードセクターの自律性を最大限に保障するためのルールについて合意することが中心的内容となります。

これを出発点に、サードセクターを担い手として位置づけた公共サービス改革、(担い手の選定、成果を明示した契約、フルコストの保障など)政府によるサードセクター支援政策、サードセクターが担い手として活動しやすいようなインフラ整備などの政策が展開されていくことが期待されます。
公共サービス改革における要点も明記しておくのがよいと思われます。

4 協約の締結主体
サードセクターの代表の問題
現在日本のサードセクターは各省庁よりタテ割りにて、まとまり弱いということを理由に政府側からの一方的な指針などとするのではなく、パートナーとしてのサードセクターの形成をしていくことが必要です。その必要性を捉え出発点とする方法を考えるのがよいと思います。策定プロセスが重要となってきます。
またイギリスでは、セクターを代表した団体が署名、ワーキンググループのメンバーが署名、ローカルコンパクトになると個々の団体が署名するという方法がとられていました。ワーキンググルーメンバーによる署名も、個々の団体の素案に対する意見を求めフィードバックするという手順を踏んだために個々の団体の理解が得られたのではないかと思われます。

5 締結までの手順(案)
●政府側委員と民間側委員とで、協約の締結までのプロセスに責任をもつ委員会を設立し、締結までの基本方針を決定する。
●従来の政府‐サードセクター関係の実態や課題を調査し、適切な政府‐サードセクター関係を構築するために双方がどのような責務や姿勢を約束すべきかを検討する。(現在調査中)
●政府側、サードセクター側がそれぞれ協議を行い、相手側及び自らの側の課題、約束すべきことについての草案を作成する。
●政府、サードセクターがそれぞれ相手側の草案について検討し、意見書をまとめる。
●委員会において、双方の草案と意見書を総合的に検討したうえで、協約の第一次案を作成する。
●広くパブリック・コメントを求める機会を設け、政府、サードセクター、国民などからの意見を求める。
●委員会において協約の最終案を決定する。
●政府の代表(首相および担当大臣)が協約に署名する。その後、サードセクターを代表する複数の団体、もしくは素案作成委員、自治体の首長などが署名する。なお、自治体毎に両セクターの協議を経て独自に協約を締結することも奨励される(自治体版協約)。
●協約の共通原則や政府側の約束の部分については、それを「基本法」の形で法律化することが望ましい。サードセクター政策や公共サービス改革についてのより具体的な方針については、「大綱」の形で閣議決定されることが望ましい。

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