阿久根市長
[2010年08月31日(Tue)]
話題の鹿児島県阿久根市長の本を読んで見ました。
竹原信一『独裁者 ブログ市長の革命』扶桑社、2010年。
二元代表制など幻想に過ぎない。機能している地方議会など日本にはない。
全国の地方議会では、首長が議会のご機嫌を伺って議案を通している。私はそうしないから、議案が通らないのだ。(25ページ)
竹原市長のこの主張には私自身も全面的に賛成です。
そこから、竹原市長は、確信犯的な行動で二元代表制の矛盾、そのもとでの地方議会の腐敗、堕落に注目を集めようとしているわけです。
十分理解できる戦略ではありますが、この延長線上には解決策はありません。私が繰り返し書いているように、議会一元制に転換する以外ないのです。
河村名古屋市長や橋下大阪府知事や竹原阿久根市長などが出てくるのも、それが市民から支持されるのも、二元代表制の矛盾とそのもとで不可避的に生まれる議会の堕落からして当然のことです。しかし、この対立でどちらが一時的に勝とうとも、一時的な解決にしかなりません。
そろそろ、相乗り体制による無風状態=停滞、堕落と、飛び跳ねた首長の登場と対立激化という両極を揺れ動くことに終止符を打つために、問題の根源である二元代表制の矛盾を俎上にのせるしかない時点に来ていると思います。
その意味でも、「二元代表制など幻想に過ぎない。機能している地方議会など日本にはない」という認識を徹底することが重要です。
ついでに言うと、竹原市長は一市民としてブログで問題提起をしていた時代、市議会議員になった時代、市長になった時代を通じて、阿久根市を何とかしたいという思いは一貫しています。
橋下知事も、大阪府、大阪市をこうしたいというのが根本動機だということは伝わってきます。
名古屋の河村市長が彼らと違うのは、名古屋市をこうしたいというのは建前で、本当にやりたいことは議会リコールによって全国の注目を集めるということだという点にあります。要するに、市長の職務に対して根本的に不真面目だということです。そのことは、橋下知事や竹原市長はきちんとマネジメントをやっているのに、河村市長はマネジメントはほとんどやっていないということに示されています。
いずれにしても、首長と地方議会の対立が全国的に注目されている今こそ、二元代表制の矛盾という問題の核心にその注目が向かうようにするチャンスです。
そのためには、地方議員自らが、議会一元制(地方議員内閣制)のもとで、自分たちが自治体経営の責任を負う覚悟があるという姿勢を示すことが不可欠です。
二元代表制のもとで安住しながら高い報酬を維持しようとするなら、今後もさらに首長や世論の標的になるでしょう。竹原市長が主張するように地方議会はいらない、という結論になりかねません。というか、ほとんどの市民は今でもそう思っているでしょう。
地方議員、地方議会には果たして議会一元制を主張することで存在意義を主張するだけの覚悟はあるのでしょうか。
10月2日の横浜での全国シンポにどれだけの議員が集まるかに注目したいと思います。
竹原信一『独裁者 ブログ市長の革命』扶桑社、2010年。
二元代表制など幻想に過ぎない。機能している地方議会など日本にはない。
全国の地方議会では、首長が議会のご機嫌を伺って議案を通している。私はそうしないから、議案が通らないのだ。(25ページ)
竹原市長のこの主張には私自身も全面的に賛成です。
そこから、竹原市長は、確信犯的な行動で二元代表制の矛盾、そのもとでの地方議会の腐敗、堕落に注目を集めようとしているわけです。
十分理解できる戦略ではありますが、この延長線上には解決策はありません。私が繰り返し書いているように、議会一元制に転換する以外ないのです。
河村名古屋市長や橋下大阪府知事や竹原阿久根市長などが出てくるのも、それが市民から支持されるのも、二元代表制の矛盾とそのもとで不可避的に生まれる議会の堕落からして当然のことです。しかし、この対立でどちらが一時的に勝とうとも、一時的な解決にしかなりません。
そろそろ、相乗り体制による無風状態=停滞、堕落と、飛び跳ねた首長の登場と対立激化という両極を揺れ動くことに終止符を打つために、問題の根源である二元代表制の矛盾を俎上にのせるしかない時点に来ていると思います。
その意味でも、「二元代表制など幻想に過ぎない。機能している地方議会など日本にはない」という認識を徹底することが重要です。
ついでに言うと、竹原市長は一市民としてブログで問題提起をしていた時代、市議会議員になった時代、市長になった時代を通じて、阿久根市を何とかしたいという思いは一貫しています。
橋下知事も、大阪府、大阪市をこうしたいというのが根本動機だということは伝わってきます。
名古屋の河村市長が彼らと違うのは、名古屋市をこうしたいというのは建前で、本当にやりたいことは議会リコールによって全国の注目を集めるということだという点にあります。要するに、市長の職務に対して根本的に不真面目だということです。そのことは、橋下知事や竹原市長はきちんとマネジメントをやっているのに、河村市長はマネジメントはほとんどやっていないということに示されています。
いずれにしても、首長と地方議会の対立が全国的に注目されている今こそ、二元代表制の矛盾という問題の核心にその注目が向かうようにするチャンスです。
そのためには、地方議員自らが、議会一元制(地方議員内閣制)のもとで、自分たちが自治体経営の責任を負う覚悟があるという姿勢を示すことが不可欠です。
二元代表制のもとで安住しながら高い報酬を維持しようとするなら、今後もさらに首長や世論の標的になるでしょう。竹原市長が主張するように地方議会はいらない、という結論になりかねません。というか、ほとんどの市民は今でもそう思っているでしょう。
地方議員、地方議会には果たして議会一元制を主張することで存在意義を主張するだけの覚悟はあるのでしょうか。
10月2日の横浜での全国シンポにどれだけの議員が集まるかに注目したいと思います。