• もっと見る

〔後房雄のブログ〕

現実関与型の政治学者が、日本政治、自治体改革、NPOやサードセクターの動向などについて話題を提供しています。一応研究者なので、面白かった本や論文の紹介もします。


減税よりも社会システム? [2012年02月07日(Tue)]
今日の中日新聞の県内版で、河村市長の記者会見の詳報がありました。

記者もなかなか的確な質問をしています。

―橋下市長は減税よりも社会システムについて考えようと主張している。減税して行革を進めるという河村市長の考えとは違う。

(河村)名古屋も減税ありきじゃないですよ。民間でお金を回していくシステムをつくっていく。社会の仕組みを考えずに減税はあり得ない。減税すれば世の中がすべて良くなると言ったことは一度もない。


すごい。さすが政治屋です。そういうことしか言ってこなかったくせに、本当によく言うよ、という感じです。減税をテコにやると言っていた行政改革すらどうやったらいいかわからず、いわんや社会システムなど想像もつかないくせに。ぜいぜい、寄付を集めてNPOにばらまくなどというおせっかいを思いつくくらい。リチャード・クーばかり読まず、ハイエクやフリードマンくらい読んでから「自由」を語りなさいね。

―減税の定義を広くとらえている。 (おいおい、ここは減税ではなく社会システムの話を突っ込むところでしょう?)

(河村)前からそうですよ。新年度から小規模事業者の設備投資に助成をしますけど、これも形を変えた減税。


要するに、前から一つ覚えの設備投資減税だけ。社会システムなどかけらも出てきません。記者も、あまりに空々しい発言は咎めたらどうでしょう。たとえば、ニュー・パブリック・マネジメントについて(知らないとは思うが)どう考えますか、くらいの嫌味がいえないものでしょうか。

「首長」の仕事をほとんどしていない人も首長連合に入れるんでしょうかね。