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〔後房雄のブログ〕

現実関与型の政治学者が、日本政治、自治体改革、NPOやサードセクターの動向などについて話題を提供しています。一応研究者なので、面白かった本や論文の紹介もします。


本の買い出し [2011年03月05日(Sat)]


ローマの4日ですが、パルディ上院議員の秘書さんから事前に読むべき資料を受け取りに上院に行ってきました。インタビュー自体は火曜日になりそうです。

そのあと、その近くの本屋を回って、本の買い出しをしてきました(写真)。ネットで買える時代ですが、やはりパラパラめくりながらでないと隔靴掻痒の感は否めません。これがイタリアに来る楽しみでもあります。

テーマの執政中枢と議会に関する本をどっさり見つけました。また、政党、政治家関係のものもいろいろ面白そうなものがたくさんありました。

全体的印象では、ベルルスコーニや北部同盟について、一時的な逸脱現象として片づけれる時期は過ぎ、その高い支持の理由や基盤を本格的に分析する傾向がはっきりしてきています。

「自由の人々」は下降気味とはいえ最近でも27・2%で第一党の支持率を持っていますし、北部同盟は2008年総選挙の8・3%から11・8%へと3%以上も伸ばしてきています。対する民主党は24・3%まで追い上げており、ヴェンドーラたちの「左翼、エコロジー、自由」も8・2%まで来ています。

ちなみに、政治リーダーの支持率では、ベルルスコーニのナンバー2であるトレモンティが50・4%、ヴェンドーラが48・8%競っています。民主党のベルサー二が39・2%、ボッシが31・6%、ベルルスコーニが30・4%となっています。

ベルルスコーニ離れが進んでいると同時に、トレモンティという後継者の支持が高いこと、左派ではヴェンドーラが驚くほど支持が高いことが注目されます。

なお、その他の勢力では、中道連合が7・1%、「価値あるイタリア」が5・9%ですから、反ベルルスコーニ連合ができれば勝てる状況ではありますが、特にフィーニがそこまで踏み切れていません。

昨日の下院でも、フィーニ派の造反にもかかわらず、ベルルスコーニはボッシと連携して、都市への財源移譲(財政的連邦制の一部)の法案を内閣の信任をかけて採決し、314対291で可決させました。これで、おそらく今年中の解散総選挙はなくなったというのが大方の観測です。

フィーニは、ベルルスコーニと決裂し、カジーニやルテッリと「イタリアのための未来と自由」を結成するところまで来ていますが、ベルルスコーニ打倒のために民主党などと組んで総選挙を戦う決断まではできないということでしょう。

ともあれ、日本のように、とりあえず別々に選挙をやってみて、そのあと組む相手を考えるなどというアホなことは選択肢にも上がりません。この点はまっとうです。
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