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〔後房雄のブログ〕

現実関与型の政治学者が、日本政治、自治体改革、NPOやサードセクターの動向などについて話題を提供しています。一応研究者なので、面白かった本や論文の紹介もします。


選挙遊び [2010年11月26日(Fri)]
中日新聞朝刊の1面トップの見出しです。

河村市長辞職、再出馬へ
愛知知事と同日選に


例によって中日だけへのリークで、思惑通りの1面トップでしたが、その1面解説の見出しが「任期途中 大義なし」でしたから、河村氏もがっくりでしょう。

中日の記事によれば、議会リコールで「必要署名数に足りなかったけじめをつけるため」、来月下旬に辞職し、再出馬する方針を決めた、とのことです。

署名数が足りなかったことや、組織的不正行為が発覚したことなどの「けじめ」なら、ただ辞職すべきで再出馬するべきではありません。

署名運動側がまだ、無効署名に異議申し立てをして成立させようとやっきになっている最中に、親分が白旗を揚げてどうするのでしょう。

最大の思惑がはずれて、どん底まで気分が落ち込んだ中でヤケクソで口走ったというのが真相でしょう。中日でなくても、あまりの大義のなさ、タイミングの悪さに呆然です。

署名が理由なら、前から言っていたように来年4月の市議会議員選挙にぶつける方がまだ理屈があります。立候補予定者たちもそれを願っていることでしょう。

そういうなかで、知事選とぶつけるだけのための辞職ですから、これを支持する人はまずいないでしょう。焼酎を飲みながらの思いつきの作戦もそろそろ限界のようです。

たぶん、「県と市の連携による地域発展」というのを後出しで考えているのでしょうが、橋下大阪府知事(大阪都構想)のマネで県に市を吸収するというのでは名古屋独立論と矛盾してしまうので、さて、何を出してくるのかお楽しみです。
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