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〔後房雄のブログ〕

現実関与型の政治学者が、日本政治、自治体改革、NPOやサードセクターの動向などについて話題を提供しています。一応研究者なので、面白かった本や論文の紹介もします。


新しい公共 [2010年01月30日(Sat)]
29日午後、鳩山首相の施政演方針演説が行われました。就任後の所信表明演説に続いて、「新しい公共」がキーワードの一つでした。

市民やNPOが教育や子育て、街づくり、介護や福祉など身近な課題を解決する「新しい公共」を支援し、肥大化した「官」をスリムにしたい。「新しい公共」の担い手を拡大する社会制度の在り方について、五月に提案をまとめる。

内閣府では、1月26日に「新しい公共」円卓会議も開催されたようです。

ちょうど鳩山演説が行なわれている頃、私や藤岡事務局長のほか、宇都木さん、曽根原さんなどJACEVOの理事も運営委員となっている、「新しい公共をつくる市民キャビネット」の設立協議会が開かれました。市民セクター、サードセクターと民主党政権との間に本格的な政策提言のためのチャンネルができたことになります。

藤岡さんが「子ども子育て部会」として、私が「公共サービス改革部会」としての政策提言を行ないました。


政府、与党からは、平野官房長官や10人近くの副大臣、政務官の方々が出席され、それぞれ積極的な期待を表明されました。

市民キャビネットの3人の代表の一人に選ばれた福島浩彦さんは、基調講演で、「新しい公共」とは、官と民の関係性を転換することだと話されました。NPOや市民活動を漠然と理想化するような議論に陥らず、省庁別の外郭団体・天下りに象徴される行政による民間団体の従属化構造を転換し、民間団体の自律性を保障するような行政−民間団体関係を実現することに焦点を当てるもので、きわめて的確な指摘です。

民主党政権が、「新しい公共」の担い手を拡大する社会制度の在り方として、突飛な提案でなく、事業委託契約、指定管理者制度、バウチャー制度などのより良い制度設計にきちんと取り組み、フルコスト・リカバリーの保証などのインフラ整備という本筋を進むことを期待したいと思います。

資金提供と基本方針を政府行政が行ない、実施を民間団体に委ねるという「第三者政府」への認識が不明確なことがやや不安ですが。
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コメント
ありがとうございます。

最後の勝負は、市民が声を上げ、動くかどうかだと思っています。
Posted by:ウシロ  at 2010年02月26日(Fri) 23:36
私は名古屋市内で、主に小学校において臨時教諭として勤務する河辺(56歳)と申します・
昨夜の討論会には、私も参加させていただきました。ただ、同じ千種区在住ですが私は千種学区ですので、オブザーバーとして発言は控えさせていていただきました。
私はしばらく前から今回立候補された名大生の玉置さんとツイッターでフォローし合っていますので、彼も含めて皆さんがどのような発言をなさるか非常に興味がありました。
前回の説明会のときと同じく、実に生き生きとした住民の皆さんのご様子に、私も励まされました。行政や政治一般に対して不信とあきらめが共通語となってしまっている今日、新しい時代の到来と、いよいよ庶民が自分自身の主人公になれるかも…という期待で胸が膨らむ思いでおります。
後先生や河村市長は、私のようなささやかではありますが、応援・支持そして何らかの力になりたいと思っている名古屋市民がたくさんいることを覚えていてほしいと思います。
皆、期待しておりますし、後に続きたいと考えております。
2月23日
Posted by:河辺正太郎  at 2010年02月23日(Tue) 12:43