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〔後房雄のブログ〕

現実関与型の政治学者が、日本政治、自治体改革、NPOやサードセクターの動向などについて話題を提供しています。一応研究者なので、面白かった本や論文の紹介もします。


首相府、バチカン博物館 [2012年11月09日(Fri)]
11月3日はフィレンツェからローマに移動したあと、夕食を食べながら朝日新聞のローマ支局長からお話を伺いました。

11月4日はコロッセオ、フォロ・ロマーノなどを回った後、首相官邸、下院などの場所を確認にいきました。

11月5日は首相府事務次官、首相府の議会関係局の局長、局次長にインタビューしました。日本では政府側が国会審議についてほとんど権限がありませんが、イタリアではかなりの程度、政府・与党が主導できる制度が整備されてきていることが確認されました。

1986年に一部例外を除き秘密投票が廃止され、採決での造反議員が出にくくなったそうです。1999年に国会の議事日程(3か月の審議予定表、1か月の審議予定表など)を以前のような全会派の議員団長の全員一致から、75%の議席を持つ議員団長の賛成で決められるようになり、そこで決まらない場合は、議長の権限で決めたり(下院)、議長の権限で本会議に提案して採決できる(上院)ようになったそうです。

また、議長が招集する議員団長会議が大きな決定権を持ち、そこには政府から国会担当大臣が出席して要望を述べることができるそうです。

また、暫定措置令(decreto-legge)というイタリア独特の制度があり、これが法律と同様の効力を持つと同時に60日以内に法律に転換されないと効力を失うわけですが、その転換については優先的に審議されるので、これが政府が立法を主導する重要な手段として活用されているようです。

写真は、首相府事務次官のストラーノ氏を囲んだものです。通常は国務院の判事がなることが多いそうですが、彼は首相府の生え抜きだそうです。
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