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〔後房雄のブログ〕

現実関与型の政治学者が、日本政治、自治体改革、NPOやサードセクターの動向などについて話題を提供しています。一応研究者なので、面白かった本や論文の紹介もします。


民主主義は暴走する [2012年07月04日(Wed)]
朝日新聞の3日付け15面に、鹿児島県阿久根市の竹原信一前市長を支援し、出直し市議選で市議になった牛之浜由美さんのインタビューが載っています。

竹原氏にコミットしたことの功罪を語っていますが、コミットした者同士、同感する点も多いです。
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竹原さんの暴走を予測できなかったのは、「人間性を読めなかった自分の底の浅さ」と反省しています。でも、最初竹原さんを支持したことに後悔はありません。あの人が市長になったおかげで、議会も四民も政治に目覚めたと思います。

市民の厳しい監視の目のおかげで、議会にも役所にも「しっかり仕事をしなければ」という意識が生じたのが、一番大きな変化だと思います。

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安全圏にいて評論だけしている人たちには理解できないと思います。間違いを犯さないことを最優先したら、どんなコミットもできないでしょうから。

偶然ですが、ちょうど読んでいる土屋恵一郎『怪物ベンサム』(講談社学術文庫)という18世紀末の急進改革派であったベンサムの評伝に次のような一節があります。歴史は繰り返してきたのでしょう。
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シェルバーン、ベンサム、小ピットの眼から見れば、ホイッグの門閥政治は、ただ党派的利害のためのものでしかなかった。たとえ国王と結びついても真の改革を進めることができるのであるならば、それを選ぶ。それがシェルバーンとベンサムに共通する心情である。

改革の効率を権力のうちに求めるのは危険である。だがその危険を冒してでも前進しようとするのが、いつの時代でも変わることのない「改革者」という気質をもった人間の行動の仕方である。(168ページ)

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良い悪いというより、気質の問題なのでしょう。
それにしても、「改革の効率を権力に求める」というのは光と影の両面を含意する的確な表現ですね。
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