トリプル
[2010年12月16日(Thu)]
選管の審査の結果、名古屋市議会のリコール署名は必要数をわずかながら上回り、政令市初めてという住民投票が行われることになりました。
来年2月6日に、愛知県知事選挙、名古屋市長選挙、住民投票がトリプルで行われるそうです。
直接民主主義の手段が発動されたこと自体は画期的ですが、直接かかわった人以外は後味の悪い感じがぬぐえないでしょう。
市民の権利であるリコールを公然と市長が政治的思惑で使ったこと、922名分の署名の偽造を典型として、とても市民運動とは呼べないようなルール違反が発覚したこと、などです。
マスコミも、その時々の流れに掉さすだけの無定見な報道姿勢が変わりません。朝日のS、中日のU、などは論外ですが、骨のある記者があまりに少ないです。
ともあれ、知事選のための思惑からの河村市長の辞職表明などによって、この一連の経過の基礎には、河村騒動を名古屋市から愛知県へと広げて、さらに全国的注目を集めたいという河村氏の個人的思惑があることが明らかになってきたと思います。
最大の問題は、議会でも河村派で過半数を握って、河村氏の思いつきがすべて実行できるようにするという以外に、自治の仕組みについて二元代表制の矛盾を解決する見通しがまったく示されていないことです。
ついには、中京都構想という、愛知県知事選挙とダブルで市長選挙をやるための口実で、名古屋市を解体する思いつき構想まで発表するに至りました。橋下大阪府知事の単なるパクリというのもあまりに恥ずかしいです。
市議会が自分の政策を通さないからと言っていますが、昨年12月にマニフェストの二大公約を議会は一旦可決したわけで、そのあとにマニフェストにもない議会の報酬と定数の半減案を出して否決させて議会リコール署名を始めたという経過からみて、それがまったくの口実にすぎないことは明らかです。
日本の政治家の業ともいうべき政界再編幻想にブレーキをかけ、二大政党を中心とする「政権交代のある民主主義」を確立するうえで、名古屋市、愛知県のトリプルは天下分け目の関ヶ原のような意義をもつことになってしまいました。
民主党は石田さんを最後の切り札と考えているようです。私もありうる最強のカードだと思いますが、石田さんも政治生命がかかる以上、民主党の本部と愛知が、来年2月のトリプルがもつ全国的な意味に見合った覚悟をどこまで見せるかを確認したうえでないと決断できないでしょう。
2月6日に、役者がそろった選挙で、有権者が最終的な判断を示す状況を作れるかどうか、政治家たちの本気度が問われます。狭い意味の自己利益を超えて、全体状況を良い方向に転換するために動ける政治家がどれだけいるかです。
あまり幻想を持たないようにしながら見極めたいと思います。
来年2月6日に、愛知県知事選挙、名古屋市長選挙、住民投票がトリプルで行われるそうです。
直接民主主義の手段が発動されたこと自体は画期的ですが、直接かかわった人以外は後味の悪い感じがぬぐえないでしょう。
市民の権利であるリコールを公然と市長が政治的思惑で使ったこと、922名分の署名の偽造を典型として、とても市民運動とは呼べないようなルール違反が発覚したこと、などです。
マスコミも、その時々の流れに掉さすだけの無定見な報道姿勢が変わりません。朝日のS、中日のU、などは論外ですが、骨のある記者があまりに少ないです。
ともあれ、知事選のための思惑からの河村市長の辞職表明などによって、この一連の経過の基礎には、河村騒動を名古屋市から愛知県へと広げて、さらに全国的注目を集めたいという河村氏の個人的思惑があることが明らかになってきたと思います。
最大の問題は、議会でも河村派で過半数を握って、河村氏の思いつきがすべて実行できるようにするという以外に、自治の仕組みについて二元代表制の矛盾を解決する見通しがまったく示されていないことです。
ついには、中京都構想という、愛知県知事選挙とダブルで市長選挙をやるための口実で、名古屋市を解体する思いつき構想まで発表するに至りました。橋下大阪府知事の単なるパクリというのもあまりに恥ずかしいです。
市議会が自分の政策を通さないからと言っていますが、昨年12月にマニフェストの二大公約を議会は一旦可決したわけで、そのあとにマニフェストにもない議会の報酬と定数の半減案を出して否決させて議会リコール署名を始めたという経過からみて、それがまったくの口実にすぎないことは明らかです。
日本の政治家の業ともいうべき政界再編幻想にブレーキをかけ、二大政党を中心とする「政権交代のある民主主義」を確立するうえで、名古屋市、愛知県のトリプルは天下分け目の関ヶ原のような意義をもつことになってしまいました。
民主党は石田さんを最後の切り札と考えているようです。私もありうる最強のカードだと思いますが、石田さんも政治生命がかかる以上、民主党の本部と愛知が、来年2月のトリプルがもつ全国的な意味に見合った覚悟をどこまで見せるかを確認したうえでないと決断できないでしょう。
2月6日に、役者がそろった選挙で、有権者が最終的な判断を示す状況を作れるかどうか、政治家たちの本気度が問われます。狭い意味の自己利益を超えて、全体状況を良い方向に転換するために動ける政治家がどれだけいるかです。
あまり幻想を持たないようにしながら見極めたいと思います。
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