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〜おうちで弥生の森ミュージアム!第8回 常設展リニューアル その4「猪目洞窟(いのめどうくつ)遺跡の人骨」〜 [2020年06月10日(Wed)]

 おうちで弥生の森ミュージアム!
 出雲弥生の森博物館を紹介していきます。おうちでのんびりゆったり、博物館を楽しんで
ください♪
 さて、今回紹介するのは、リニューアルした常設展その4「猪目洞窟(いのめどうくつ)遺跡の人骨」です。


 今回の常設展リニューアルの見どころの1つが、展示室の出口近くに展示されている「猪目洞窟遺跡から出土した人骨」です。この人骨は、これまで企画展などの際には時々登場していましたが、普段は収蔵庫の中で眠りについていました。しかし見学の問い合わせが多いこともあり、このたびのリニューアルでいつでも見学いただけるようになりました。


展示状況.JPG

展示のようす


 猪目洞窟遺跡が発見されたのは、戦後間もない1941(昭和23)年10月のことです。出雲市猪目町の海に開けた洞窟で、船置場を整備する工事中に大量の土器や木器、さらに人骨などが発見されたのです。
 遺跡は、発見の一報を聞いて駆け付けた大社考古学会の会員により、調査が行われました。工事と並行して行われたおよそ1か月の調査の結果、縄文から古墳時代にかけての土器や石器、木器、魚や動物の骨、木の実などたくさんの遺物とともに、弥生時代と古墳時代のものとみられる20体分以上の人骨が確認されました。

猪目洞窟全景.jpg

1948(昭和23)年頃の猪目洞窟


12号人骨.jpg

人骨の出土状況



 この遺跡が多くの注目を集める理由は、大量の人骨が出土した古代の埋葬地であることと同時に、この場所が奈良時代の『出雲国風土記』に記された「黄泉の坂・黄泉の穴」にあたると言われている点です。「古代人骨の大量出土」と「死後の世界の伝承」。この2つが結びつく猪目洞窟遺跡は、発見時から現在まで多くの人の興味を惹き続けています。

『出雲国風土記』宇賀郷.JPG

『出雲国風土記』に記された「黄泉の穴」
(クリックすると大きくなります!)


 今回のリニューアルでは、出土人骨の中で最も保存状態のよい古墳時代の人骨1体と、遺跡から出土した縄文・弥生・古墳時代の土器などを新たに展示しました。以前から引き続き展示している弥生時代の貝輪とあわせて、ぜひご見学ください。

文章:石橋 紘二


 この機会にぜひ、リニューアルした常設展をご覧ください!みなさんのご来館をお待ちしています♪


参考サイト
博物館ホームページ

〜おうちで弥生の森ミュージアム!〜
第1回 マスコットキャラクター「よすみちゃん」
第2回 春季企画展「『日本書紀』1300年記念 硯から見た古代の出雲」
第3回 常設展リニューアル その1「縄文時代の土器・石器」
第4回 ギャラリー展「田儀櫻井家のたたら製鉄 その1 宮本鍛冶山内遺跡
第5回 速報展「1/80の調査 ―史跡鰐淵寺境内の調査から―」
第6回 常設展リニューアル その2「弥生時代」
第7回 常設展リニューアル その3「古墳時代後期」
第9回 常設展リニューアル その5「史跡 鰐淵寺境内」