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出雲弥生の森博物館
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出雲弥生の森博物館職員
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〜おうちで弥生の森ミュージアム! 第6回 常設展リニューアル その2「弥生時代」 〜 [2020年05月27日(Wed)]

 おうちで弥生の森ミュージアム!
 出雲弥生の森博物館を紹介していきます。おうちでのんびりゆったり、博物館を楽しんでください。
 さて、今回紹介するのは、リニューアルした常設展です。


1 王の証…ガラス勾玉
 常設展示室に入って最初に目に入ってくるのは、西谷3号墓から出土した2つのガラス勾玉です。これらは、当館のメイン展示物です。鮮やかなコバルトブルーの勾玉は、1800年経った今も当時と変わらぬ輝きを保ち、来館者を迎えます。
 今回のリニューアルでは、女王の頭部右側からガラス勾玉が出土した様子を展示しました。これらは、200点近いガラス小玉や管玉と一緒に木箱に入れられ、女王の遺体のそばにそえられていました。これらのガラス製アクセサリーは、日本で同じものはなく、中国や朝鮮半島で作られ輸入された珍しいものです。出雲王の装飾品にふさわしい品々です。

常設展リニューアル_1.jpg

右側はガラス勾玉の出土の様子(勾玉はレプリカ)



2 出雲王の外交…筑紫から吉備
 初代出雲王が埋葬された西谷3号墓には、吉備(岡山県)から運ばれた土器や丹後や越(北陸地方)の特徴をもつ土器が出土しています。このことから、これらの地域との政治的なつながり(外交)があったと推測されています。
 今回のリニューアルでは、3代目の出雲王が眠る西谷4号墓から出土した筑紫(九州北部)周防・安芸(西部瀬戸内)の特徴をもつ土器を展示しました。西谷4号墓からは吉備の土器も出土していて、3代目出雲王は筑紫から吉備にかけての勢力とのつながりをもちながら、出雲をまとめていたのでしょう。

常設展リニューアル_2.jpg

西谷4号墓出土の九州北部系(左)と西部瀬戸内系(右2点)の土器



3 出雲平野の特産?…漆
 漆(うるし)の名は「うるわしい」から転じたとされ、その黒く輝く美しさは今も昔も日本の美を代表するものの一つです。弥生時代の出雲平野でも、漆を使った製品や道具が出土しています。その中の漆生産・塗布にかかわる道具を紹介します。
 写真にある高さおよそ10pの小形土器の中には、漆が付着していました。これは、漆を採集したり貯蔵したりした専用の土器と推測されます。
 この漆を入れた専用の土器は、弥生時代後期の矢野遺跡や中野清水遺跡、下古志遺跡から出土しています。他地域での出土例は多くありません。これらの土器に蓄えた漆を土器や木製品などに塗っていたことでしょう。
 漆は、10年育てた一本の木から300g程度しか採取できません。たくさん採取するには、木を栽培し、計画的に管理する必要があります。専用土器の存在は、弥生時代の出雲平野で漆の木を栽培管理し、漆を採取していたことを教えてくれます。漆を特産にしていたのかもしれません。


常設展リニューアル_3漆の容器(立っているのが下古志遺跡、寝かしてあるのが矢野遺跡出土).jpg



4 石と鉄のオノの共存
 オノ(斧)は、木製の柄の先に刃のついた石や鉄を装着して、木を伐採したり、加工したりする道具です。石のオノのうち、厚みがあり重いものは伐採用、厚みが薄く小形の軽いものは木の表面を整える加工用で、出雲平野では縄文時代から使われています。
 約2000年前の弥生時代中期、出雲平野にも鉄のオノが出土するようになります。石よりも鉄のほうがすばやく木を伐採できますが、すぐに石から鉄に置き換わるわけではありません。弥生時代中期後半の出雲市杉沢U遺跡では伐採用、加工用それぞれの石のオノと同時に鉄のオノも使われていました。その後、後期にも伐採用の石のオノは使われ続け、古墳時代には使われなくなります。石と鉄の道具は、用途に合わせ使い分けされ、共存し、徐々に石から鉄へ置き換わっていくのです。


常設展リニューアル_4.jpg

杉沢U遺跡の石と鉄のオノの共存



5 ムラの鏡とガラス小玉
 出雲平野の弥生青銅器と言えば、荒神谷遺跡が有名です。市内でその他、銅鏃(どうぞく・青銅製の矢じり)や銭貨が出土する程度でしたが、2017年に白枝荒神遺跡から中国で作られた青銅鏡が出土しました。弥生時代の鏡としては、出雲市内初の出土例です。故意に割られていますが、元は直径約15pで、1世紀後半以降に中国(漢)で作られた内行花文鏡(ないこうかもんきょう)と考えられます。出雲王が活躍していた頃に入手したものでしょう。
 
 島根県内の最古のガラス製品といえば、弥生時代後期前半(1900年前)に造られた邑南町の順庵原1号墓の出土品でした。2013年に中期後半(2000年前)の出雲市の杉沢U遺跡の住居跡からガラス小玉が出土しました。これが、現在、県内最古のガラス製品となりました。
 これらは、墓からではなくムラから出土した資料です。貴重な品々がムラでも使われていたことがわかります。

常設展リニューアル_5.jpg

青銅鏡とガラス小玉


文章:学芸員 坂本 豊治


 この機会にぜひ、リニューアルした常設展をご覧ください!みなさんのご来館をお待ちしています♪


参考サイト
博物館ホームページ

〜おうちで弥生の森ミュージアム!〜
第1回 マスコットキャラクター「よすみちゃん」
第2回 春季企画展「『日本書紀』1300年記念 硯から見た古代の出雲」
第3回 常設展リニューアル その1「縄文時代の土器・石器」
第4回 ギャラリー展「田儀櫻井家のたたら製鉄 その1 宮本鍛冶山内遺跡
第5回 速報展「1/80の調査 ―史跡鰐淵寺境内の調査から―」
第7回 常設展リニューアル その3「古墳時代後期」
第8回 常設展リニューアル その4「猪目洞窟(いのめどうくつ)遺跡の人骨」
第9回 常設展リニューアル その5「史跡 鰐淵寺境内」