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〜おうちで弥生の森ミュージアム! 第2回 春季企画展「『日本書紀』1300年記念 硯から見た古代の出雲」〜 [2020年04月29日(Wed)]

 おうちで弥生の森ミュージアム!
 出雲弥生の森博物館を紹介していきます。おうちでのんびりゆったり、博物館を楽しんでくださいね♪
 さて、今回紹介するのは、春季企画展「『日本書紀』1300年記念 硯から見た古代の出雲」です。


1『日本書紀』が記された時代
 『日本書紀』という書物の名前をご存知でしょうか。公式にまとめられた現存最古の歴史書で、今年は『日本書紀』が完成して1300年の節目の年にあたります。
 『日本書紀』が記されたのは、7世紀後半から8世紀初めのことでした。その間、国の基本となる法律が定められ、中国の都にならった藤原京や平城京が造られて、地方でも国府や郡家などの行政施設の整備が進められました。まさに、現在の私たちが暮らす社会の基礎が形作られた時代と言えるのです。

写真@.jpg

『日本書紀』(手銭記念館蔵)



2 古墳の縮小化と筆を持ち始めた人びと
 『日本書紀』が記され始めた7世紀、時代は古墳時代から奈良時代へと変わる、大きな転換点を迎えました。
 古墳時代、各地の有力者は大きな墳丘や石室に豪華な副葬品を納める古墳を造り、一族の社会的地位を示しました。ところが、7世紀になると、全国的に古墳は縮小化しました。その背景には、個人の地位を冠の色で示す冠位制の導入があったとされています。冠位制は天皇を頂点とする序列の中に個人を位置付けるもので、その始まりは聖徳太子が603年に定めた冠位十二階です。地域の有力者やその支配下にある人びとは、その序列に組み込まれることで、役人となっていくこととなります。
 出雲でも、7世紀になると古墳の規模が縮小し、冠位制の受容とともに古墳を造る意義が失われていったことが分かります。そうした変化の中で、古墳や横穴墓に硯が供えられるようになります。このころ、出雲の人びとも、役人として筆を持ち文字を書くことにつとめ始めたようです。

写真A.jpg

上塩冶築山古墳石室


写真B.jpg

三田谷3号墳石室


写真C.jpg

宮尾横穴群の硯(松江市蔵)



3 硯から見た古代の出雲
 文字を書くのに必要となる文房具が硯です。古代には、須恵器の硯は大量に作られなかったため、当時の人びとは他の形をした須恵器を硯に使用していました。そして、文字そのものが見つかっていない遺跡でも、硯が見つかることで、文字を書ける人の存在や時代を知ることができます。
 出雲市矢野町の矢野遺跡では、出雲郡伊努郷(出雲市東林木町〜矢尾町付近)を示す「伊」と記した土器が見つかっています。当時の「斐伊川」は矢野遺跡の北側を流れ、伊努郷はその対岸に位置します。
 そして、矢野遺跡のほぼ真北、伊努郷に当たる高浜U遺跡(出雲市平野町)で、8世紀の硯が見つかっています。その周辺の遺跡では7世紀前半の硯も見つかっており、一帯に早くから文字を書ける人がいたと分かります。
 したがって、この2つの遺跡の間には「斐伊川」を渡るルートがあったと推測できます。このように、硯を通して、古代の出雲の一端が見えてくるのです。

写真D.jpg

矢野遺跡出土の硯


写真E.jpg

高浜U遺跡出土の硯


文章:学芸員 高橋 周


 春季企画展「『日本書紀』1300年記念 硯から見た古代の出雲」は、5月18日(月)まで開催しています。4月29日現在、当館は休館中ですが、開館した際にはぜひ、展示を見に来てくださいね!


参考サイト
博物館ホームページ

〜おうちで弥生の森ミュージアム!〜
第1回 マスコットキャラクター「よすみちゃん」
第3回 常設展リニューアル その1
第4回 ギャラリー展「田儀櫻井家のたたら製鉄 その1 宮本鍛冶山内遺跡
第5回 速報展「1/80の調査 ―史跡鰐淵寺境内の調査から―」
第6回 常設展リニューアル その2「弥生時代」
第7回 常設展リニューアル その3「古墳時代後期」

第8回 常設展リニューアル その4「猪目洞窟(いのめどうくつ)遺跡の人骨」
第9回 常設展リニューアル その5「史跡 鰐淵寺境内」