新聞掲載記事[2009年09月04日(Fri)]
新潟日報 9月4日掲載
中越地震5年 災害ボランティア考 <3>
芽吹き 震災知らぬ若者が支援 住民も変化 外部と交流へ
二戸だけのむらに若者の歓声が響いた。長岡市栃尾地域で旧山古志村との境に近い田代集落。中越地震で鳥居や石像が倒れたままになっていた神社に先月、大学生が集まり、境内や参道を修復し、花の種をまいた。
「神社に手が回らず困っていた。本当にありがたい」。同集落の平沢成美さん(76)は「地震で四戸から半減してしまったが、おかげで活気が出た」と歓迎する。
学生たちは首都圏のNPO法人「国際ボランティア学生協会」のメンバー。ことし春から、田代に来ては古民家に泊まり、耕作放棄された畑を耕して野菜を作る。
地震発生時からのメンバーはゼロ。過去に同協会が栃尾の仮設住宅で雪降ろしをしたという縁を継ぎ、初めから集落支援を目的に活動する。第二世代ともいえる“地震を知らない災害ボランティア”たちだ。
法政大学1年の奈良秀二郎さん(18)は、「地震は知らないけど、先輩が住民との仲を大切にしてきたおかげで栃尾に来ることができた。地元の人たちと新たな関係を築きながら、地域づくりに協力したい」と話す。
≪中 略≫
栃尾の田代集落。神社での種まきを終えた明治大学3年の市川絋介さん(21)は笑顔で語った。「今後も何度も来て、地元の人と交流を深めたい。田代の『家族』の一員になれたら、と思う」
中越地震を機に災害ボランティアの目的に加わったといわれる集落の復興支援。そこで新たな動きが生まれている。ボランティアと過疎地の住民が長期的に交流を深め、互いに刺激し合うことも一つの「中越モデル」になりそうだ。
中越地震5年 災害ボランティア考 <3>
芽吹き 震災知らぬ若者が支援 住民も変化 外部と交流へ
二戸だけのむらに若者の歓声が響いた。長岡市栃尾地域で旧山古志村との境に近い田代集落。中越地震で鳥居や石像が倒れたままになっていた神社に先月、大学生が集まり、境内や参道を修復し、花の種をまいた。
「神社に手が回らず困っていた。本当にありがたい」。同集落の平沢成美さん(76)は「地震で四戸から半減してしまったが、おかげで活気が出た」と歓迎する。
学生たちは首都圏のNPO法人「国際ボランティア学生協会」のメンバー。ことし春から、田代に来ては古民家に泊まり、耕作放棄された畑を耕して野菜を作る。
地震発生時からのメンバーはゼロ。過去に同協会が栃尾の仮設住宅で雪降ろしをしたという縁を継ぎ、初めから集落支援を目的に活動する。第二世代ともいえる“地震を知らない災害ボランティア”たちだ。
法政大学1年の奈良秀二郎さん(18)は、「地震は知らないけど、先輩が住民との仲を大切にしてきたおかげで栃尾に来ることができた。地元の人たちと新たな関係を築きながら、地域づくりに協力したい」と話す。
≪中 略≫
栃尾の田代集落。神社での種まきを終えた明治大学3年の市川絋介さん(21)は笑顔で語った。「今後も何度も来て、地元の人と交流を深めたい。田代の『家族』の一員になれたら、と思う」
中越地震を機に災害ボランティアの目的に加わったといわれる集落の復興支援。そこで新たな動きが生まれている。ボランティアと過疎地の住民が長期的に交流を深め、互いに刺激し合うことも一つの「中越モデル」になりそうだ。