
「はじまり」 〜震災から生まれた絆の物語〜[2010年11月29日(Mon)]

新潟県長岡市栃尾。
この『栃尾』に首都圏から年間500人以上の学生が2年連続で訪れました。
訪れたのはNPO法人国際ボランティア学生協会(IVUSA)に所属する学生たちです。
IVUSAでは、栃尾地域の活性化を目指して、拠点となる古民家を借り、栃尾の住民の方とともに活動を行っています。
私たちIVUSAの学生はこの2年間で、耕作放棄地となっていた畑を開墾し、作物を植え、そして田植え、稲刈りを行いました。
また、栃尾祭りや裸押し合い祭りなどにも参加するといった活動も行ってきました。
そんな私たちの活動は「栃尾ふるさとづくり活動」と名付けており、栃尾を第二のふるさとと考えています。
栃尾との出会いは『中越大震災』がきっかけでした。
IVUSAは、北海道南西沖地震や、阪神・淡路大震災などでもボランティア活動を行うなど、「災害ボランティア」を活動の柱の一つとして掲げ、設立当初から被災地での救援活動を行っている団体です。
さらに、私たちIVUSAのOBであり、非常勤事務局員を務める桑原望(長岡市議)が長岡に在住していることもあり、中越隊震災発生当初から被災地での活動を開始しました。
ボランティアセンターの設立・運営、避難所の運営、家屋の片づけ、救援物資の仕分けと配送、炊き出しの実施など、被災地での活動は多岐に渡り被災者の方に必要とされる活動を行ってきました。
活動した地域も、旧長岡市はもちろん、山古志村、川口町、小千谷市、十日町など被災地といわれるほぼすべての地域で活動を行いました。
しかし、私たちが長期に渡る活動を行う中で見えてきたのは、震災よりもある意味で深刻な地域の衰退、過疎化でした。この問題を解決するためには、これまでのような活動ではなく、地域を絞って、地域の住民と学生が顔の見える関係になる必要があると考えました。
一方、『栃尾』は山古志村に隣接し、震災の被害が大きいにも関わらず、マスコミに取り上げられることも少なかったため、義捐金やNPO、ボランティアといった外部からの支援もほとんど来ない地域でした。
そのため、あるマスコミは栃尾のことを「見捨てられた被災地」と呼びました。
そこで、私たちは長期的に取り組む対象として『栃尾』を選びました。
その栃尾とIVUSAが出会うのはその約一年後。
中越大震災の被災地を歴史的な豪雪が襲いました。
※NPO法人国際ボランティア学生協会(IVUSA)
IVUSA(イビューサ)(http://www.ivusa.com/)は、1993年より活動を開始し、2002年にNPO法人として認証された、国際協力・災害救援・地域活性化・環境保護を活動の柱に掲げる学生ボランティア団体です。
現在では首都圏や関西地域を中心に約1300名、80大学の学生が所属しています。