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官邸斜向かい〜霞門の眼 by 石川和男

政治・経済・社会の動向から明日明後日を読むということで。


専門スタッフ職 〜 やっぱり高給 人事院が追加勧告へ [2010年12月31日(Fri)]

 今朝の産経新聞ネット記事によると、政府は審議官以上で出世コースを外れた省庁幹部を処遇する高位の「専門スタッフ職」の年収を1200万〜1400万円とする方針とのこと。

〈記事要約〉
・主要ポストを外れた幹部が省内に残ることができるようにし、天下り防止目的で新設。
・退職管理基本方針に盛り込まれ、職務は「部局横断的な重要政策の企画立案サポート」。
・各府省にはポストから外れた課長補佐、室長、課長級を処遇する専門スタッフ職(年収650万〜1100万円)がある。
・審議官級の年収は1369万〜1585万円、局長級が1734万円。
・人事院は総人件費増抑制を条件に年明け以降に追加勧告を行う方針。取りまとめを行う内閣官房に「特別な調査・研究能力を有する」など基準厳格化を要請。

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 一人ひとりの行動様式にもよるが、最悪の場合、“高級窓際官僚”ならぬ“高給窓際官僚”が量産されるという話。国会が決める公務員の新しい人生設計図には従うことになる。

 記事の内容がそのまま通るとなれば、十分過ぎるほどの説明をしても、公務員へのやっかみ半分の批判は収まりようがないだろう。総人件費2割削減という民主党の現マニフェストが実現できてさえ、あまりにも単価が高い。

 これだと、単価を下げて人数を増やせとなりかねない。どんな変更案にも激しいいちゃもんがつけられることが予想される。しかし、何らかの変更を早晩しないといけない。

 総人件費削減を伴うもの以外の妙案は、今のところ思い付かない。その古くて新しい案こそが、実は最終案ではないだろうか。本件に係る最大の焦点はスト権付与云々ではない。総人件費の定義とその削減率である。
公務員給与削減法案 [2010年11月16日(Tue)]

 今夕の読売新聞ネット記事によると、菅首相は「次の通常国会で給与を(人事院勧告より)削減できるという法案を出すことによって、言ったことを実現していく」と述べたのこと。

<記事抜粋>
・国家公務員に労働基本権を付与する「自律的労使関係制度」を設ける法案を来年の通常国会に出し、労使交渉による給与改定を実現することで、人事院勧告より給与を引き下げることを目指す。

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 法案要綱を見ていないので具体性に欠けるが、人事院勧告の存続意義を否定することになるに違いない。3年以内に国家公務員の「総人件費2割削減」によって年間1.1兆円の財源捻出効果を導き出すことがマニフェストに掲げられている。

 「総人件費2割削減」という表現は、給与水準の低減もあれば、定員削減による給与支給総額の低減もある。更に、これらの包括策でも良い。労使交渉に委ねること自体は一つの改革になるだろうが、交渉の行方は何ら担保されていない。

 記事にある提出予定法案の法益が総人件費削減にあるとしたら、法案の理由にはその趣旨が盛り込まれることになるはず。事実上、労使交渉は必ず総人件費削減率を争う場になる。

 人事院勧告がプラスの場合にそれをゼロに下げることも法案の趣旨に合致するなどと説明したら、まやかしの謗りは免れない。となると、人事院勧告がプラスになることも許されなくなる。となれば、人事院勧告制度の廃止こそが必然的帰結となる。
国家公務員退職勧奨1590人中拒否2人 〜 大半裏下り? [2010年10月14日(Thu)]

 今夜の毎日新聞ネット記事によると、09年9月の政権交代から8月までに早期退職勧奨を受けた国家公務員1590人のうち、勧奨を拒否したのは法務省の2人だけだったとのこと。

【記事抜粋】
・政府は09年9月16日から8月6日までの退職勧奨状況で、社保庁廃止に伴う65人と若年定年の自衛官77人に再就職をあっせんしたが、残りにはしていないとの見解。
・民主党政権は、省庁が組織として再就職をあっせんしていなければ天下りには含まない考え。退職したOBは「自力で再就職した」との立場。
・総務省調査によると、338法人421ポストで官僚OBが5代以上連続して就任し、これらのポストに就いたOBは延べ2105人。
・官僚OB役員が出身省後輩を後任に選ぶケースが多いとされ、役所を通さず人選するため、民主党政権では天下りに含めておらず「事実上の天下り=裏下り」。
・片山総務相は「何らかの以心伝心、問わず語りはあったのでは。過渡期は苦肉の策があるんだろうと推測される」。

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 こんなことをしているから信用されないという話。天下り禁止を謳っていた野党時代が懐かしい。禁止するにせよ、黙認するにせよ、堂々と認めるにせよ、公務員の人生設計図を与党議員が描かなければならない。

 自分たちの“部下”の処遇をどう考えていくのか。それなくして公務員制度改革も公務員総人件費削減も説得力を持たないのではないか。裏下りが公然と蔓延し続けることは必至だろう。

 どう考えても、民主党政権が事実上の天下りを堂々と認めているとしか解されない。厳密でないにせよ、一定程度の評価軸でメリハリを付けていくことから始めないといけない。数値目標の作れない仕事ばかりだから、仕方がない。
公務員給与 〜 基準の見直し示唆 [2010年09月21日(Tue)]

 今夜の読売新聞ネット記事によると、片山総務相は国家公務員給与に関する人事院勧告制度について、「現在の調査の形態が唯一絶対では必ずしもない。来年度以降、基準を見直すこともあり得る」と述べたとのこと。

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 人勧を適宜見直すのは当然のこと。しかし、民主党政権内にいるとなると、マニフェストの国家公務員総人件費2割削減との整合性が必ず追従してくる。

 これとの連動を考えながら人勧制度を改革するとなると、制度の基幹作り如何にもよるが、場合によっては非常に難しい問題に直面する。

 だとしても、公務員給与の体系と水準を現代風に新たにすることは歓迎すべきことである。
農水省出先 〜 食品偽装表示 検査遅れ48% [2010年08月18日(Wed)]

 今朝の読売新聞ネット記事によると、農水省の食品表示監視について、総務省が9か所の地方農政局・農政事務所の06年度と07年度の実績を調べたとのこと。

【記事要旨】
・偽装表示など情報把握から業者への立入検査や任意調査までに1週間以上かかった事例が48%。
・総務省は農水省に配置見直しなど今月中に勧告。
・監視担当職員は全国農政局・事務所に1700人、東北農政局や東京農政事務所など9か所に500人。
・総務省はJAS法に基づく立入検査と任意調査の計508件を抽出、情報把握から検査着手するまでの日数を調べたところ、48%244件が7日以上。
・担当職員当たり取扱件数も最大4.2倍の差。

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 お役所仕事と言えばそれまでの話。それまであまりにも平穏無事だった場合、突発的不祥事やその後の制度整備には相当の時間を要する。JAS法の検査・調査に限らず、法定検査・調査の体制や手法を民間から公募してみるべき。

 民間からの提案を採用するかしないかは、その時々の判断に依るだろうが、それ以前に、公的規制の手法などに関して多くの知恵が民間側にあることを顕にすることが必要である。

 技術的には、現場にいる人々が一番熟知しているに決まっている。規制の内容や運用方法も、周辺事情や技術動向とともに進化していかなければならないはず。お役人による直接的な検査・調査だけが規制の趣旨を体現できるわけではない。
年金記録確認 〜 総務省と厚労省が押しつけ合い [2010年08月13日(Fri)]

 今日の読売新聞ネット記事によると、持ち主不明の年金記録「5000万件」が発覚して3年過ぎる中、政府内で「消えた年金」記録訂正業務の押しつけ合いが始まったと報じている。

【記事概略】
・作業を担う「年金記録確認第三者委員会」を所管する総務省が厚労省に引き受けるよう求めたが、厚労省は反発。
・第三者委は07年6月発足。総務省中央委と全国50か所地方委。運営のため同省職員1300人の半数を投入。経費は10年度126億円。
・訂正処理申立てはこれまで18万件、14万件が判定受け。申立ては毎週1000件前後。
・背景は行政刷新会議09年11月「行政評価機能の抜本強化」。同省は毎年度約12本、各省の事業や業務の調査、改善を求めてきたが、第三者委設置後は実績半減。「第三者委を続けながらの強化には限界がある」。
・厚労省は「年金記録問題解決への取り組みは軌道に乗ったばかり。第三者委の見直しは停滞や混乱を招く」。

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 役所間の諍いは『宙に浮いた年金』の受給予定者には甚だ迷惑だという話。こういうのを“消極的権限争い”と呼ぶ。旧社保庁が信頼できないから総務省に設置されたのが第三者委であるが、これは旧政権時代末期の“政治主導”によるもの。

 現政権の“政治主導”は、これを本来あるべき役所に移すというお役所仕事。大臣同士も押し付け合うようなことがあれば、この点でも現政権は“政治主導”を更に疑われる。 

 第三者委の所管が総務省であることは総務省組織令で決まっているので、現行制度上は立派な総務省所管業務。年金記録問題の解消に向けて速度を落としてはならないはず。

 従前の役所所管業務の在り方という建前論はさておき、「行政評価機能の抜本強化」を目指すのであれば、それを霞が関内部で行うことそれ自体を全面的に見直さなければならない。

 年金記録確認業務を厚労省に返上することよりも、行政評価機能を質・量ともに霞が関外部に創造することを真剣に実行すべき。その行き先は旧態とは異なる永田町のはず。
国民年金保険料 〜 悪質滞納、国税庁が徴収 [2010年08月11日(Wed)]

 今朝の日経新聞によると、長妻厚労相は国民年金保険料の悪質滞納者について、国税庁に財産差し押さえを含む強制徴収を委任するとのこと。

【記事抜粋】
・国税庁委任は日本年金機構発足に伴って施行された改正国民年金法に基づく措置。
・国民年金未納者は321万人、学生や低所得者も多い。
・対象は前年度所得1000万円以上で財産を隠すなど悪質滞納者、当面400人程度。
・月1万5100円の国民年金保険料は納付期限2年経過すれば徴収権利が時効。強制徴収額は延滞金含め最大50万円程度。
・民主党マニフェストに「社会保険庁は国税庁と統合して『歳入庁』とし、税と保険料を一体的に徴収する」。
・巨額脱税摘発を大きな使命とする国税庁も最大50万円程度という国民年金保険料徴収は事務効率の低下を招くとの警戒感。

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 日本年金機構の発足それ自体が既に民主党マニフェストを逸脱しているが、それはさておき、悪質滞納者には相応の対処が必要だという話。厳密には税金と年金保険料は全然違う性格のものだが、普通の国民からすれば自分の財産から強制徴収されるおカネである点では同じようなもの。

 天引きでない人に滞納者が多いことは当然のことかもしれないが、一概に納得できるものでもない。『歳入庁』への昇華に関して国家的メリットが説明できるのであれば、積極的に推進されるべき。人事の問題は中長期的には些細なこと。

 本来、行政組織の抵抗は政権与党が抑えれば良い訳だが、なかなかそうもいかないのが政と官の実際の関係。年金記録問題の影響もあり、社保庁経験者ではなく国税庁経験者に委ねるという案は十分あり得る。行政経験者がやる方が効果的な仕事はたくさんある。
人事院勧告 〜 政府内に勧告見送り論 [2010年08月10日(Tue)]

 今夜の毎日新聞ネット記事によると、国家公務員年間給与1.5%減を求めた人事院勧告に対し、政府・民主党内で追加削減を模索する動きが始まっているとのこと。

≪記事概要≫
・人勧は国家公務員一般職の10年度給与について月給0.19%、ボーナス0.2カ月分引下げ。
・平均年間給与は9万4000円減(1.5%減)633万9000円。
・玄葉公務員改革相は勧告以上の給与削減を求めた。原口総務相らが「公務員の労働基本権が制約されている現状では勧告を尊重すべき」と反論。
・総人件費2割は1.1兆円、今回勧告の削減幅790億円。
・労組系議員から「追加削減は容認できない」との大合唱。

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 民主党政権が公務員制度改革についてマニフェストを遵守しようとすると、あと3年で790億円を1.1兆円に拡大していかなければならない。直近では“敗選マニフェスト”となってしまったが、それを逆手に取る狡猾さは見られない。

 労組に属していようがいまいが、公務員制度改革を進めてほしいと考えていない公務員が99.9%以上だろう。追加削減が容認できないと発言している民主党議員はどのような対案を持っているのか、民主党自身が示さないといけない。

 いずれにせよ、今の民主党政権では公務員総人件費2割削減が達成できるとは思えない。政権運営上は、早いうちにこの非常に危険な公約項目を大幅に修正していく必要があると思われる。
  
民間出向 〜 審議官級に拡大 退職後天下りも [2010年07月29日(Thu)]

 今日の毎日新聞ネット記事によると、政府は所管民間企業へ公務員を出向させる対象を幹部公務員に広げるとのこと。8月中に人事院規則を改正。

【記事概要】
・「各省庁の天下りあっせん禁止に伴う人事滞留の解消と公務員総人件費抑制が目的」。
・出向制度は中堅・若手が対象、原則3年(5年まで延長可能)。給与は民間負担。
・出向対象者を幹部公務員に拡大。省庁所管企業でも審議官らが出向前2年間に所属した部局が直接監督関係などになければ出向を認める。
・幹部公務員が退職後、かつての出向先企業に再就職することも「制度の趣旨に合わず適当ではない」としつつ「出向の成果を公務に十分還元したと認められる場合はその限りではない」。
・政府は6月、官僚の独法や特殊法人への出向を拡大、日本郵政やNTT東日本など38法人を新たな出向先に決めている。

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 どんどん「天下り」が広がっていく仕組みが出来上がっていくという話。なし崩しとは、こういう類のことをどんどん決めていく様を言う。人事院規則は国会審議事項ではないので、政治主導にも国会主導にもならない。

 議員から官僚がやっかまれる要因がまた増える。公務員の処遇であれば、先ずは公務の領域で何とかすべきだ。それが自己責任というもの。この不景気の折、幹部官僚出身者だけが再就職の途を堂々と敷かれるのは、国民感情からして許容されるとは到底思えない。

 この記事リークが本件を潰すためのものであるとするならば、他のより良い知恵を絞り出す好機となるだろう。そこまで戦略的でないにしても、である。
国の出先機関 〜 職員6万人削減 [2010年07月24日(Sat)]

 今夕の読売新聞ネット記事によると、原口総務相は国の出先機関の原則廃止に伴う国家公務員削減「6万人」を目指すとのこと。

〔記事要旨〕
・出先機関職員20万7000人(08年度)について、分権推進委は08年12月に3万5000人削減を目指すとした。
・総務相発言は、民主党政権下で2万5000人削減上積み。
・「生首は切れない」と、新規採用者大幅抑制や定年退職自然減によって実現する考え。

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 要するに新規採用抑制だけだという話。自然減のことを「削減」と呼ぶのは本来おかしい。公務員のリストラはできないと言いながら、国際競争力強化のために民間にリストラを迫る政府の姿勢は、雇用政策の観点からは大きな矛盾を孕んでいると言われてしまう。

 そうなるともはや、民間にリストラを慫慂できなくなる。“公務員=官僚”だとすると、議員定数削減はどうするのだろうか。順番からすると、@官僚OBへの公費投入削減、A議員・秘書の人件費削減、B官僚・公務員の人件費削減となるはず。
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