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官邸斜向かい〜霞門の眼 by 石川和男

政治・経済・社会の動向から明日明後日を読むということで。


貸金特区構想 〜 府がアンケート調査 [2010年09月03日(Fri)]

 今日の朝日新聞ネット記事によると、「貸金業特区」構想を巡り、大阪府はノンバンク利用者に実施したアンケート結果を公表したとのこと。

【記事概要】
・府が8月にネットなどを通じて匿名アンケート。回答は経営者233人と消費者500人。
・消費者500人のうち「総量規制に抵触している」は184人、うち「返済余力がある」は103人、府は「返済能力があるにもかかわらず必要な資金を借りられない現状がある」。
・法改正で借入ができなくなるなど「影響を受けた」と答えた人のうち、7〜8人に1人がヤミ金融業者から借りたり、それを検討したりしていた。
・大阪弁護士会や大阪司法書士会は「法改正の趣旨を完全に捨て去るもので容認できない」。
・橋下知事は「周りの声とか事業主と接して肌感覚と照らし合わせて、方向を決めるのが政治家。僕の政治感覚なら、このまんま放っておくことは絶対できない」。

 ↓

 “法改正”なるものの趣旨と手法に大きな齟齬があるという話。大阪府特区構想で目指している中小企業や個人の資金繰り円滑化策は、“法改正”の趣旨を逸脱するものではない。

 本来借入(貸付)してはいけない資金需要者への与信を絞ることが趣旨であるのに、必要な資金繰りまで絞ることは“法改正”の趣旨ではない。弁護士会や司法書士会は過剰な心配をしているとしか思えない。

 返済能力や返済余力のある人に適正な対価で資金を貸し付けることは、民間金融として当然のこと。それを理解しようとせずに“法改正”の趣旨に拘泥していると、もっと他の複数の悪影響が噴出することになる。

 特区創設であれ法再改正であれ、円滑な資金繰り環境を早急に取り戻す必要がある。その際、福祉的な公的金融に依存してはならない。税金の無駄遣いになる。福祉こそ、本当に必要な人々のために税金が使われなければならない。
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