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官邸斜向かい〜霞門の眼 by 石川和男

政治・経済・社会の動向から明日明後日を読むということで。


奨学金滞納に法的措置強化 〜 訴訟急増4233件 [2010年08月24日(Tue)]

 今朝の読売新聞ネット記事によると、巨額滞納が問題となっている奨学金の貸倒れを防ぐため独立行政法人日本学生支援機構が法的措置を強化しているとのこと。
 


【記事抜粋】
・機構は「不況の影響もあって滞納者自体が増えており、訴訟は今後も増えるだろう」。
・昨年度滞納額は33万6000人797億円と要返還額の2割。3か月以上滞納者21万1000人、債務総額2629億円。5年間で2万8000人、842億円増。
・機構は昨年10月から9か月以上滞納者全員に申立を行うようにし、訴訟急増。
・機構は「訴訟まで至るのは返還手続を放置している場合が多。様々な対応をとることができるので、連絡してきてほしい」。

 ↓

 公的措置としての融資という手法には自ずと限界があるという話。公的融資には結果的に貸倒れが多いことは、当初から理解されている。不況の影響もあるだろうが、そもそも公的融資は審査基準が銀行よりも甘いことが最大の要因。

 公的融資の優遇対象は金利や融資比率だが、政策的に手厚く優遇すべき対象は元本そのものへの補助である。奨学金制度にも言えるが、公的融資制度の最大の欠陥は、取立・回収に係る姿勢と態勢。

 民間金融でないことを以て、返済可能性を低く見ておくのが当然のこと。返済必要分と返済不要分の混合比率を経済社会情勢で柔軟に変化させる仕組みが望ましい。殆どの公的与信は回収率が比較的低い。銀行取引とは前提条件が異なる。
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コメント
石川さん おはようございます。

経済(Grossではなく一人当たりGDP)収縮に転換した社会では、様々な処で軋みや痛みが生じる。
特に援助関連の公的制度ではお役所仕事という与件があるので、事業理念に厳しさが欠けているのでしょう。収縮経済の下では、当然の結果として【最大の欠陥は、取立・回収に係る姿勢と態勢】が浮き彫りになる。個人の援助と違い、組織の特に公的組織の援助は其れでは拙い。

勉学を望む学生を相手にする「美しい援助機関」が無機質で冷徹な法律に訴えて裁判を起こすという事態に、大きな違和感と援助機関の成熟不足を感じました。【様々な対応をとることができる】という有機的な姿勢が本来の姿だが、【連絡してきてほしい】と能動的に動かず「来るのを待っているだけ」の態勢が大間違い。その間違いが無機的な法的措置という次なる大間違いを生む。「援助が欲しければ来て下さい、来たら援助を『して上げます』」では、援助機関の考え方ではないし、カネを融通する者の姿勢では決してない。カネに係わる手間は知恵を使って合理化するべきであって、省略したり無しで済ませて仕舞ってはその事業は失敗する。

現実の個々のケースでは、信じ難い低い次元の事例が少なくないのでしょうが・・。

Posted by:CrazyDog  at 2010年08月25日(Wed) 10:09