政府系金融機関も再々編へ
[2010年02月10日(Wed)]
今朝の日経新聞によると、日本政策金融公庫の国際部門である国際協力銀行(JBIC)を同公庫から分離する構想が浮上してきたとのこと。
〔記事概要〕
・JBICは、組織上は公庫の国際部門、勘定も分離管理、実質的独立体の性格。
・より機動的な資金調達や組織・事業見直しに動けるよう、独立の株式会社にする内容。
・JBICを分離独立させると、事業基盤を強化しようと業務拡充に突き進みかねないため政投銀と統合し、業務効率化につなげる考え方も浮上。
・JBICはリーマンショック後の金融危機に伴い、特例措置として先進国で事業展開する日本企業向け貸付・保証事業の一時復活を認めるなど機能拡大。
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05年10月の郵政民営化関連6法(資金の入口改革)成立直後から、政策金融改革(資金の出口改革)を目的として政府系金融8機関の統廃合が進められた。当時もJBICの扱いは最後まで大揉めに揉めたが、結局は小泉首相の裁定で民営化しない政府系金融機関は日本政策金融公庫に一本化することとなった。
政府系金融機能の視点からは、JBICは旧3公庫からも政投銀からも親和性の距離感は近いとは言えない。従って、その機能を政府系金融機関として存続させるのであれば、JBICは組織上独立している方が自然である。
その代わり、JBICを公庫から分離独立させるという現状変更は、官僚機構の拡大につながることも間違いない。この点でも、民主党政権は再びマニフェストの“天下り根絶”部分を逸脱せざるを得ない。
政策的には容易に理解される話ではあるが、国民感情的には許容し難い(というか、民主党は逸脱してはいけないマニフェスト項目を逸脱し、卒業すべきマニフェスト項目を卒業していない)。本件は、記事の構想通りに進むものと思う。大騒ぎしてまで阻止する政策ではない。
旧政権と異なることを実行することだけが政権交代への期待感ではない。それを次期参院選マニフェストでどのように斟酌するかで、「与党民主党」の見識が問われる。旧政権の政策であっても、修正すべきは修正すべきだが、継続すべきは継続すべきである。


その時期に得た感覚からすれば、今回の分離は彼我お互いの為に好い方向だと思います。
逆にいえば、当時の行政改革が遣ったのは、事業目的がGrant以上のものではないODA部隊と、資金回収を必然とするFinanceである開発銀行と輸出入銀行組織を、合体する合理的な意味は全くなかった。単に官製金融組織の表面的な「数の減少」でしかなかった、旧政権が造った、多数ある知恵の無い愚かしい「目晦まし」の一つに過ぎない。
逆に、翻す刀で・・・:
今回のこの動きを、新政権が旧政権の所業を正しているという短絡的な理解で済むなら誠に単純で幸せなことです。政府系の金融機関群の上位に、CommonKitchenとして国家的企画機能を担うHolding会社を設けて、各社から人員を吸い上げて総体として人員を削減するべきだと思います。
政府は、国家経費や人員を削減するだけで仕事をしたと誤解して貰っては困るのであって、創造的破壊とは、削減した人員に立派で継続性のある職業を用意することが、肝心要なのだが・・。