ゴルフは自然を破壊し環境に負荷をかけているのだから、すぐに止めなさいよと先日忠告してくれる友人がいた。常日頃FBにゴルフの記事をアップしているのを見て、苦々しく思っていたに違いない。彼は地元で環境保護活動をしている見識の高い人だ。実は私も同じくゴルフが環境破壊をしていると思っていた。だから登山を25年前に始めてからは、どうしても避けられない場合を除いて、ゴルフから遠ざかっていたのである。ビジネス上の付き合いでどうしても避けられない場合だけラウンドしていた。しかし、4年前からゴルフを本格的に再開した。その頃ゴルフを始めたwifeから誘われたからという理由と、自分自身の心境の変化からである。
ゴルフ場の開発は自然破壊であり、その運営が環境に負荷をかけるというゴルフを続ける後ろめたさを少なからず感じていた。登山を始めた頃には、山に登る度に森林の中にどーんとゴルフ場があるのを見るのがつらかった。青々しく雑草ひとつない芝生は、相当に多くの農薬を使っているのだろうと想像できた。ゴルフ場で働くキャディーさんたちの農薬被害が酷いらしいという、まことしやかな噂もあった。ゴルフは自然破壊の最たるものだという定説は間違いないと思い込んでいたのである。環境保護活動をしている人たちから見たら、ゴルフほど自然を破壊しているものはないと思い、目の敵にしているのも当然であろう。しかし、本当にゴルフは環境や自然を破壊する最悪のものであろうか。そんな疑問を感じたので、公平な目で科学的に検証してみることにした。
田舎の山林を切り倒して開発されるゴルフ場は、森林破壊と呼ばれても仕方ない。しかし、現在はそんなゴルフ場開発は行われなくなった。ましてや日本で自然保護のために残したい森林は、田舎の山林ではなくてブナなどの広葉樹の自然林である。そんな奥地の自然林をゴルフ場にする計画は絶対にあり得ない。ゴルフ場が展開されるのは、いわゆる里山である。片田舎もしくは都会周辺の里山は、現状どうなっているかというと、殆ど管理されていない。ごく一部を除いて、里山は荒れ放題になっている。ゴルフ場では、その里山が残っているし、しっかり管理されている。しかも、樹木は健康な状態にあるし、芝生も美しい。荒れている里山とは対照的である。
ゴルフ場にある林には、動植物の多様性が存在する。荒れ放題の里山とは違い、鳥や小動物、そして今は貴重になってしまった植物が豊富に残っている。ゴルフ場に行ったことがない人には解らないだろうが、春から初夏はウグイスやホトトギスの鳴き声が響いている。珍しい植物の花々が咲き誇り、蝶が舞う。農薬が過剰に使用されているのであれば、こんな状況にある訳がない。また、昔は見かけなかったミミズが芝生の上に顔を出す。地中にミミズがいるということは、農薬が少ないという証拠であるし、芝生の中に縦横無尽にミミズが通った穴があるので、降った雨水の水はけがよいので自然の保全に役立っている。
都会はコンクリートで地表が覆われているので、降った雨などの浸透が出来ない為に、すぐに溢水が起きてしまう。コンクリートの地表で飲み込まれない水は、都会においては低い土地に集まってしまう。ゲリラ豪雨は、洪水を起こすことが多い。都会の近郊にゴルフ場があると、雨水を芝や土の表土から浸透させてくれるし、調整池が水を溜めてくれる。田んぼや畑のような、水の調整機能を持つのである。ましてや、コンクリートの建物やエアコン稼働が原因の都会におけるゲリラ豪雨をゴルフ場は防いでくれる。さらには、何か巨大な災害が起きたときに避難地としての機能も果たしてくれる、有難い存在でもある。豊かな植物や森林が光合成をして、二酸化炭素から新鮮な酸素に変えてくれる。地球温暖化防止に役立っている。
これから乱開発などによりゴルフ場が出来るようなことはないだろうが、自然を破壊するような新たなゴルフ場開発は困る。しかし、現在稼働しているゴルフ場は、自然保護や災害防止に寄与しているのだから、何とか残したいものである。もし、ゴルフ場が経営難になって放棄されたら、自然は荒れてしまうし折角の豊かな自然がなくなってしまう。都会近くのゴルフ場が閉鎖されたら、人工的な建造物が林立しかねない。現在、ゴルフ年齢が高齢化してしまい、利用者減少に悩んでいるゴルフ場が少なくない。自然保護や環境保全の為にも、多くの人々にゴルフ場を利用してほしいものである。ゴルフ場が自然破壊だなんて、感覚的に言うのは控えてほしものである。しっかりしたエビデンス(科学的根拠)に基づいた理論展開を望んでいる。