がん哲学外来
[2010年04月13日(Tue)]
がん哲学外来という専門外来があるという。順天堂大学の樋野教授という病理学の教授が開設したらしいが、この外来では何と治療らしい治療をしないらしいのだ。えっ、と不思議がる人が多いかもしれないが、投薬するわけでもなくメンタルケアーをするわけでもないという。ただ、患者さんと向き合い話を聞いて、いろいろと相談を受けるとのことだ。癌に罹患した患者さんが、自分と向き合い、自分の癌という病気と向き合い、どう生きるのか、どう死ぬのかということを哲学するサポートをするだけということだ。西洋医学の殿堂とも言える大学病院で、こんな外来が出来たのが驚きである。
そもそも、ガンという病気は何ものなのであろうか。がん細胞は常に出来ては、すぐに破壊されていくという運命らしい。そのサイクルが何らかの変異によって、作られたがん細胞を破壊するメカニズムが滞った時にがん細胞が増殖して、ガンを発症するという。つまり、がん細胞は常に身体の中に作り出されているということになる。別な言い方をすれば、自分自身でがん細胞を作っているということであろう。でもそれは、あくまでも無意識のうちに、自分で作り出したものである。わざと作り出しているのではないということであり、自分でコントロールできるものではないということである。
ガンになりやすい人となりにくい人がいる。それは、生まれつきの遺伝子も関係しているが、主に食事などの生活習慣による影響と、生き方の違いによる影響によると言われている。特に、ガンになりやすい性格があるのだ。C型的性格と呼ばれる人は、ガンになりやすい。ひと言で言うと、いわゆる『いい人』である。自分の中にふつふつと湧いてくる悪い感情を我慢して、周りの人々に対する配慮から、常にいい人を見せている人である。真面目で誠実で優しいから、人々から信頼され好かれる。こういう人をC型人間と言い、ガンになりやすいし、重い病気になり短命になることが多いという。
ということならば、このC型性格を緩めて生きれば、ガンになりにくいということになる。以前、NHKTVのプロジェクトXで、拡張型心筋症になってバチスタ手術を受けた人がしみじみと語った言葉がある。病気になって、生き方が劇的に変わった。おかげで、人間にとって何が大切かを教えてもらった気がすると語り、病後に生き生きとした人生を送っていた。つまり、死を覚悟する病気をすることにより、生き方や人生を見直すことが出来たらしい。ガンという病気も、実は自分の生き方を変える為に、わざわざ無意識の自分が、自分の身体の中に作り出したと言えないわけでもないだろう。がん哲学外来というのは、そんな気付きをするための外来だと思われる。がんという病気は、死と隣りあわせだ。だからこそ、自分の生き方を変えるきっかけになりうるのだろう。
このがん哲学外来のルーツを探ってみると、驚くべき事実にぶつかる。今から60年前くらいに活躍した病理学者がいる。吉田富三博士という研究者で、東京大学の医学部教授や医学部長、癌研の所長を歴任している、世界的に著名な学者である。彼は、こんな言葉を残しているという。「がん細胞で起こることは、人間社会でも必ず起こる」と。けだし名言である。がんという病気を、60年も前に哲学的に捉えていたのである。彼は、福島県の浅川町に生まれ育った。白河市の近くにある鄙びた町である。現在、吉田富三記念館が建てられて、彼の功績を称えている。順天堂大の樋野教授は、その精神を受け継いでいるという。そして、福島県立医科大学で、月1回このがん哲学外来が開かれるというニュースが流れた。がんに苦しむ人々には、朗報である。
そもそも、ガンという病気は何ものなのであろうか。がん細胞は常に出来ては、すぐに破壊されていくという運命らしい。そのサイクルが何らかの変異によって、作られたがん細胞を破壊するメカニズムが滞った時にがん細胞が増殖して、ガンを発症するという。つまり、がん細胞は常に身体の中に作り出されているということになる。別な言い方をすれば、自分自身でがん細胞を作っているということであろう。でもそれは、あくまでも無意識のうちに、自分で作り出したものである。わざと作り出しているのではないということであり、自分でコントロールできるものではないということである。
ガンになりやすい人となりにくい人がいる。それは、生まれつきの遺伝子も関係しているが、主に食事などの生活習慣による影響と、生き方の違いによる影響によると言われている。特に、ガンになりやすい性格があるのだ。C型的性格と呼ばれる人は、ガンになりやすい。ひと言で言うと、いわゆる『いい人』である。自分の中にふつふつと湧いてくる悪い感情を我慢して、周りの人々に対する配慮から、常にいい人を見せている人である。真面目で誠実で優しいから、人々から信頼され好かれる。こういう人をC型人間と言い、ガンになりやすいし、重い病気になり短命になることが多いという。
ということならば、このC型性格を緩めて生きれば、ガンになりにくいということになる。以前、NHKTVのプロジェクトXで、拡張型心筋症になってバチスタ手術を受けた人がしみじみと語った言葉がある。病気になって、生き方が劇的に変わった。おかげで、人間にとって何が大切かを教えてもらった気がすると語り、病後に生き生きとした人生を送っていた。つまり、死を覚悟する病気をすることにより、生き方や人生を見直すことが出来たらしい。ガンという病気も、実は自分の生き方を変える為に、わざわざ無意識の自分が、自分の身体の中に作り出したと言えないわけでもないだろう。がん哲学外来というのは、そんな気付きをするための外来だと思われる。がんという病気は、死と隣りあわせだ。だからこそ、自分の生き方を変えるきっかけになりうるのだろう。
このがん哲学外来のルーツを探ってみると、驚くべき事実にぶつかる。今から60年前くらいに活躍した病理学者がいる。吉田富三博士という研究者で、東京大学の医学部教授や医学部長、癌研の所長を歴任している、世界的に著名な学者である。彼は、こんな言葉を残しているという。「がん細胞で起こることは、人間社会でも必ず起こる」と。けだし名言である。がんという病気を、60年も前に哲学的に捉えていたのである。彼は、福島県の浅川町に生まれ育った。白河市の近くにある鄙びた町である。現在、吉田富三記念館が建てられて、彼の功績を称えている。順天堂大の樋野教授は、その精神を受け継いでいるという。そして、福島県立医科大学で、月1回このがん哲学外来が開かれるというニュースが流れた。がんに苦しむ人々には、朗報である。



