• もっと見る

<< 2026年02月 >>
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
カテゴリアーカイブ
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
キリマンジャロの雪 [2009年11月03日(Tue)]
 キリマンジャロの雪が消える?そんなセンセーショナル記事が新聞に載っていた。これも地球温暖化の影響らしい。アフリカ大陸の最高峰キリマンジャロは、標高5,895メートルを誇り、頂上には万年雪が覆う。その山容の美しさは素晴しいが、その美しさのひとつである頂上の雪がなくなるのは実に寂しい。

 キリマンジャロの雪というと、文豪アーネスト・ヘミングウェイが著した短編を思い浮かべる人も多いことだろう。グレゴリー・ペックの主演で映画化されている。その小説の中で、『キリマンジャロは、高さ19710フィートの、雪におおわれた山で、アフリカ第一の高峰だといわれる。その西の頂はマサイ語で“神の家”と呼ばれ、その西の山頂のすぐそばには、ひからびて凍りついた一頭の豹の屍(しかばね)が横たわっている』という一節があるという。その豹は何を求めて、そんな極寒の頂上に登ったのであろうか。

 日本においても、山の頂上には『神や仏』が住むと言われている。また、死者の霊が住む場所だという意識もあったらしい。山岳修行の世界では、山に登るというのは、一度死ぬことだという認識でもあったとも聞き及ぶ。一度死の世界で魂を磨き浄化して、下界に戻ってくるらしい。輪廻転生という世界観が色濃く反映しているようだ。山頂というところは、特別な何かが存在する場所だという認識は、世界共通なのであろう。

 くだんの豹が神を求めてキリマンジャロを登った訳ではあるまいが、特別な何かを求めて登ったのかもしれない。下界では満たされない何かを求めて、死を賭して登ったような気がしてならない。ヘミングウェイもいずれは死を求めてキリマンジャロの頂上にと、思いを馳せていたに違いない。彼は悲しい死を後年迎えることになるが、出来ることならキリマンジャロの頂上での最期を望んでいたように思う。あの美しいキリマンジャロの雪がなくなるということを、天国のヘミングウェイも嘆くに違いない。
トラックバック
※トラックバックの受付は終了しました
コメント
プロフィール

Naturalさんの画像
リンク集
https://blog.canpan.info/inakagurasi/index1_0.rdf
https://blog.canpan.info/inakagurasi/index2_0.xml