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天国と地獄 [2010年01月01日(Fri)]
あけましておめでとうございます。

 何かと慌しい大晦日ですが、読みかけの『極北クレーマー』という小説を昨日読み終えました。この本は、日本の医療崩壊に警鐘を鳴らす力作ですが、物語としても面白い内容でした。日本の医療を破壊したのは、厚労省を初めとした官僚機構そのものだろうと思っていましたが、現役医師の作者も歯に衣を着せぬ痛烈な論調で批判してました。その巻末のほうに、こんな逸話がありましたので、紹介します。

 地獄というものは恐ろしい所だというイメージが定着していますが、実際はそうではないそうです。美味しい食べ物が豊富にあって、地獄に落とされた者は、食べ放題なのだそうです。しかしながら、それらの御馳走をつまむ箸は、とてもとても長いので自分の口に運ぶことが出来ないそうです。目の前の豪華な料理を目の前にしながら、空腹を満たすことが出来ずに悔しい思いをしているのが、地獄なのであります。

 天国というのは、実はその地獄のすぐ傍にあるのです。やはり同じように豪華で美味しい食べ物が豊富にあって、長い箸が置いてあるだけです。しかし、天国においては誰もがその食べ物を口にして幸せな気分になっています。何故かと言うと、その長い箸を使って、お互いに食べさせ合っているからです。地獄では、自分の空腹を満たそうという自己中心的な思いだけで、回りの人に食べさせることをせず、いつまでも皆が空腹です。

 この逸話から思ったのは、私たちのNPOやボランティア活動というのものが、このような天国のような社会を作り上げることなんだという認識でした。今の私たちは、自分だけの幸せを求め過ぎて、ともすると地獄に向かいかけてしまいます。回りの人々を幸せにしていくことこそが、自分の幸福に結びつくことなのだという認識を広めていくことこそが、私たちの使命なのではないでしょうか。

 周産期医療・小児医療や救急医療の崩壊が騒がれていますが、医療行政だけにその責を負わせるのは誤りではないかと思います。実は、そんな状況を作り出してしまったのは、私たち国民の意識なのではないかとも考えられます。そして、その破壊されてしまった医療を再生するのも私たち国民なのだろうと確信しています。現代社会を天国か地獄かどちらにするのかを選択するのは、私たちなのですから。

本年もよろしくお願いします。
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