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砂上の楼閣 [2011年03月01日(Tue)]
 ニュージーランドの地震は、大変な人的被害を与えたことで、世界中に大きなショックを与えた。日本人の被害者も多数含まれていて、グローバル化はこういうことにも影響するものなのかと驚きを受けた。それにしても、地震エネルギーはマグニチュード6.3という中規模にも関らず、予想外の被害を受けたというのは、地震研究の専門家にとっても想定外だったらしい。なにしろ、その前に起きたマグニチュード7.0の地震の余震である今回の地震で、本震よりも大きな被害が起きるとは予想さえしないものだったらしい。本震の後に、主な建物の耐震審査を実施していたのに、今回の被害予想を見過ごしていたということになる。

 震度は6強程度と言われているが、地震の加速度は神戸の震災を上回る1,840ガルだったという報道もされている。ということは、被害が甚大だった原因が、建物の強度だけの問題だけではないということだ。地震エネルギーや震度はたいしたことがなくても、揺れの質が強烈だったのではないかという想像が出来るであろう。または、局部的に記録以上の強い揺れがあったのではないかということだ。一部の場所では、地面が液状化現象によって砂浜のようになり、車のタイヤがめり込んでいる画像も目にした。このクライストチャーチという街は、非常に軟弱な地盤に作られたのかもしれない。それが、強烈な揺れと建物の脆弱性を引き起こしたのではないだろうか。

 そういえば、阪神淡路大地震の際も、同じ神戸市内でありながら、地震の被害が大きい地区と比較的小さい地区が対照的だった気がする。神戸の海近くの平野部においては、建物倒壊の被害が多くて、山の手は比較的少なかったようである。震源から離れていた大阪でも、地区によって震度のばらつきがあったような気がする。新潟地震でも、平野で液状化現象があったことが知られている。海岸に近い平野部や、河口近くの扇状地、埋立地、または砂泥地域などの地区などで地震の被害が多いということが言えないだろうか。軟弱な土地ほど震度が大きくなるということは、国の調査でも明らかであり、強震が起きる可能性が高いと発表されている。

 しかしながら、大都市というのは殆どそういう軟弱な土地に造られている。日本の大都市もおしなべて、そういう軟弱な土地に存在している。広大な平野部というのが、そういう場所にしかないのだから仕方ないことかもしれない。現在の建築技術は、大変な進歩を遂げている。高層ビルの耐震性能と免震性能は驚くほどの高機能らしい。しかし、本当に大丈夫なのだろうかと不安に思う人も多いに違いない。今回のような震度やマグニチュードはたいしたことがなくても、地盤の弱さによって加速度が非常に高い揺れが起きたらと、不安に思った人もいるに違いない。

 最近、福島県の県南地区、とりわけ白河市が地震や災害が起き難い地域だということで、こんな不景気にも関らず、巨大な工場やデータセンターの進出が相次いでいる。勿論、それだけではなくて、交通アクセスの良さや適切な気候も進出する要因ではあるが、安全な地域だということが選択された一番の要因だったのではないかと思われる。なにしろ、白河という地域は強固な岩盤に守られているのだ。だから、例え近隣で地震が発生しても、大きな被害がないと予想されている。震度6以上の地震がここ30年以内に起きる可能性は、全国の中でもトップクラスで低い土地の一つだと評価されている。

 地震は起きるかどうかは、誰にも予測がつかない。だから、例え大地震が起きる可能性が高いと言っても、大都会に住んでいたほうが便利だし快適だと思う人も多く、移住しようとするまでは考えないと思われる。しかし、今回のニュージーランドの地震から得られる教訓から、地震という震災は、人間の人智を遥かに越えた被害をもたらすということが明らかになった。ましてや、地盤が軟らかくて砂のような土地に建てられた建造物は非常に脆いということが判明した。つまり、軟弱地盤の高層ビルは、まさに砂上の楼閣のような危うさを持っているということが解ったのである。いずれにしても、岩盤の固い白河のような土地に永住するか、危うい脆弱な地盤の高層マンションを住まいにするかの選択は、あくまでも本人次第である。
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