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飲み放題プラン禁止 [2010年05月22日(Sat)]
 WHO世界保健機関では、以前からの主要議題であった、お酒による健康被害を防止する決議を採択した。その中で、飲食店における飲み放題プランは止めようという決議もある。勿論、これは法的な拘束力はないので、各国での努力目標ということなのだが、今後の政府厚労省の対応が注目されるところである。

 そもそも、どうしてWHOでこんな決議がされたかというと、各国においてお酒による健康被害が相当に広がっているという現実があるからだ。死因の24%がお酒の影響によるものだという。酒は百薬の長と言われているが、とんでもない誤解ということだ。しかも、酒の悪影響は、死因だけでない。酒に酔って、大変な失態を演じた経験を持つ人は多いことだろう。さらに、酒酔い運転による交通死亡事故も後を断たない。酔って犯罪を起こす人もかなりの数に登る。アルコール依存症による医療費の無駄遣いも問題だ。

 そうは言っても、お酒の効用もある。適度な飲酒は、精神をリラックスさせストレス解消にも役立つ。人間関係の潤滑油として、重要な働きもする。または、古来よりお祭りなどを盛り上げるには、必要不可欠なものであった。うつ病になるのを防ぐ、『躁的防衛』の役割があるとも言われる。このように、お酒も節度を守れば、社会に潤いを与える重要な働きがあることは明白なのである。私も、時折嗜む程度だが、お酒が好きである。特に、吟醸系のフルーティな日本酒は大好きだ。

 そんなお酒であるが、飲み方によっては人間関係を円滑にもするし、だいなしにしてしまう場合も少なくない。やはり、節度を持った飲み方が要求されるのである。しかしながら、お酒好きの人にしてみれば、その適度な飲酒というのが難しいようである。酔いが回るに連れて、ついつい飲みすぎてしまうのが常らしい。飲酒により、ドーパミンという快楽の脳内ホルモンが出ることもあり、ブレーキが効かなくなってしまうのである。なにしろ、この脳内ホルモンドーパミンは、人間の自制心を麻痺させてしまうのだ。だから、酔うと不始末をしてしまうのである。

 お酒さえ飲まなければ、大人しくて良い人なんだという評価の人がいる。お酒が入ると、性格がまるで変わってしまう人である。実は、この評価は完全に間違っていると、脳科学者は断言する。そもそも、お酒によって性格が変わるのではなくて、飲酒によって元々持っている性格が現れるという言い方のほうが正しいということだ。飲酒しないときは、大脳辺縁系が欲望を抑えているが、飲酒によってそこが麻痺してしまい、本来その人間が持つ欲望が表に出てしまうのだ。だから、いやらしいことや悪いことをしてしまうのである。ということは、お酒のうえでの出来事だと、弁明するのは間違いなのである。

 このように、人間はお酒を節度を持って飲むということが、なかなか出来ない生き物なのである。であるから、WHOが飲み放題プランなどというとんでもない間違いを、全面禁止にしようという決議も、正しい選択であるということが分かる。そもそも、お酒というのは『ハレ』の日に適度に嗜むものである。『ケ』という普段の日に、浴びるほど飲むものではない。飲み放題などと言われると、料金分以上に飲もうと、無理して飲む傾向が強くなる。健康被害を防ぐ為にも、そして飲んで失態を演じたり犯罪を犯したりしない為にも、厚労省は英断を下してほしいものだ。飲み放題プランは、人間を駄目にしてしまうのだから。
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