猪名川万葉植物園四季の写真

万葉歌では、「妻無し」の名を持つ梨の木の意に掛けて「妻梨の木」が詠まれています。
【歌】　もみち葉の　にほひは繁し　然れども　妻梨の木を　手折りかざさむ　（巻十・2188)
【口語訳】　もみじ葉の　彩りはとりどりだ　でもやはり妻なしの木を　折って髪に挿そう
【歌】　露霜の　寒き夕の　秋風に　もみちにけりも　妻梨の木は　（巻十・2189)
【口語訳】　露の　冷たい夕べの　秋風で　紅葉したのだな　妻なしの木は
　類例として、「君待つ」の意に掛けて「君松の木」（巻六・1041)、「夫(つま)待つ」の意に掛けて「夫松の木」（巻九・1795）が詠まれています

　桜紅葉（さくらもみじ）

　秋に樹木や草の葉が赤や黄色に色づくこと、またその葉を、万葉歌ではもみち（名詞）・もみつ（動詞）と詠まれ、その表記のほとんどが「黄葉」です。関連記事を下記のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/1312
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/226

　庭のイロハモミジ（ムクロジ科）が真っ赤に紅葉しました

　ケヤキ（アサ科）の黄葉も見られます。

　今年初めて銀杏が生ったイチョウ（イチョウ科）も見事に黄葉しました。

　裏山では赤い実を付けたヤブコウジ（サクラソウ科）を見つけました。

　畑ではノジギク（キク科）が咲き始めました。

Posted by katakago at 14:42

植物園写真 | この記事のURL | コメント(0)

キジバトの群ー刈り取られた田んぼで　[2020年11月07日（Sat）]

　先月中旬にコンバインで刈り取られたお隣の田んぼで、キジバトの群れが落ち穂を漁っていました。近づくと一斉に飛び上がって行きました。

　この時期の植物園の様子をいくつかの写真で紹介しておきます。
秋の七草のうち、フジバカマ（キク科）が今も咲いています。写真左手前はタカサゴユリの蕾で、これからも花を咲かせそうです。

　初夏に白い花を咲かせたノイバラ（バラ科）は、赤い果序を付けています。

　マユミ（ニシキギ科）の実がピンク色に色づきました。

　実がはじけて中から赤い種が花を咲かせているように見えます。

　マユミが詠まれた万葉歌は次の一首。
【歌】　南淵(みなぶち)の　細川山に　立つ檀(まゆみ)　弓束(ゆづか)巻くまで　人に知らえじ　（巻七・1330)
【口語訳】　南淵の　細川山に　立つ檀の木　弓に出来上がるまで　人に知られないようにしようね
　この歌の関連記事は次のURLに掲載しています。　
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/231

　ネコヤナギ（ヤナギ科）の芽