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カキツバタ [2013年04月30日(Tue)]
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 ビオトープ池のカキツバタ(あやめ科)が咲き始めました。カキツバタは万葉歌には7首詠まれており、一昨年(2011.5.7)と昨年(2012.4.30)の記事に歌を載せています。参考までにこれまでの記事は
      ↓
URL https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/8
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/daily/201204/30

 ここでは、巻七の比喩歌から次の歌を紹介しておきます。
【原文】 墨吉之 浅沢小野之 垣津幡 衣尓摺著 将衣日不知毛 (F‐1361)
【読み下し文】 住江(すみのえ)の 浅沢小野の かきつはた 衣に摺り付け 着む日知らずも
【口語訳】 住吉の 浅沢小野の かきつばたを 衣に摺り付けて 着るのはさていつのことやら
 表の意味は口語訳のようになりますが、「かきつはた」に作者が思いを寄せる女性を、「衣に摺り付け」に妻として迎えることが譬えられています(結婚の日を待ち望む男の歌)。

 なお、来月11日には、カルチャーセンターの現地講座で住吉・堺方面に出かけることになっていますが、住吉の浅沢社でもカキツバタが咲いているものと思われます。 

 
 ビオトープ池の傍では今、同じあやめ科のヒメシャガも咲いています。苗はカルチャーセンターの講座の知り合いに頂いたものです。
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Posted by katakago at 11:57
フジ(藤波の花は盛りに) [2013年04月29日(Mon)]
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 裏山で自生のフジが花を咲かせていました。蔓が右巻に巻いているのでノダフジ(まめ科)と思われます(ヤマフジは左巻)。
 万葉歌に27首詠まれており、一昨年の記事(2011/5/5)にも紹介しています。
                 ↓
 URL https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/7

ここでは別の歌を載せておきます。
【原文】 藤浪之 花者盛尓 成来 平城京乎 御念八君 (大伴四綱 B‐330)
【読み下し文】 藤波の 花は盛りに なりにけり 奈良の都を 思ほすや君
【口語訳】 藤の花は 今満開になりました 奈良の都を 恋しく思われますか
 ここで藤浪はその花房の風に揺れるさまを波にたとえた歌語で、大宰帥であった大伴旅人の邸宅で開かれた集宴で詠まれたものと考えられています。その第一首目は、小野老の有名な次の歌から始まります。
【歌】 あをによし 奈良の都は 咲く花の 薫ふがごとく 今盛りなり (B‐328)
【口語訳】 (あをによし) 奈良の都は 咲く花が 爛漫たるように 今真っ盛りでした
 次いで大伴四綱の歌が続き、その後に主人大伴旅人の5首が載せられています。そのうちの一首に次の歌があります。
【歌】 我が盛り またをちめやも ほとほとに 奈良の都を 見ずかなりなむ (B‐331)
【口語訳】 わたしの元気だった頃が また戻って来ることがあろうか ひょっとして 奈良の都を見ずに終わるのではなかろうか
 高齢(60歳を過ぎて)で辺地に派遣され、望郷の念やみがたく弱気な歌を残していますが、後に大納言となって帰京しています。 
Posted by katakago at 10:05
アマドコロ [2013年04月28日(Sun)]
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 アマドコロ(ゆり科)の花が咲きました。ポットで育てているものです。以前、裏山に自生していると思っていたものはナルコユリでした。草姿や花の形はよく似ていますが、ナルコユリの茎には稜がなく、アマドコロの茎は6稜の違いがあります。
 次の万葉歌で、にこ草(原文は似児草と表記)として詠まれている植物に、アマドコロをあてる説があります(他にうらぼし科のハコネソウをあてる説もあります)。
【歌】 葦垣の 中のにこ草 にこよかに 我と笑まして 人に知らゆな (J‐2762)
【口語訳】 葦垣の 中のにこ草の にこやかに 私に笑顔を見せて 二人の仲を人に知られるでないぞ
 「葦垣の 中のにこ草」は、ニコの同音繰り返しで「にこよかに」を起こす序です。
なお、類想歌に次のような歌があります。
【歌】 青山を 横ぎる雲の いちしろく 我と笑まして 人に知らゆな (C‐688)
【口語訳】 青山を横ぎって行く雲のように はっきりと わたしに微笑みかけて 二人の仲を人に知られないようにしてください 



Posted by katakago at 11:27
ユリ類の生育状況 [2013年04月27日(Sat)]
 ユリの生育状況をお知らせします。
 オトメユリ(ヒメサユリ) 来月には開花見込みです。
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 ササユリ 6月中旬には開花の見込みです。
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 ヤマユリ 7月中旬には咲くものと思われます。
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このほか、ヒメユリ・コオニユリ・オニユリ・カノコユリ・タカサゴユリ等も植えています。

 
 万葉歌に詠まれた植物ではありませんが、植物園では今、シャガ(あやめ科)の花が咲いています。
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Posted by katakago at 09:47
講演会「難波の万葉歌」 [2013年04月26日(Fri)]
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 昨日(4/25)、大阪府立大学で「万葉の道を歩く」の7回目の講演会が開催され聴講しました。今回は村田右富実先生が「難波の万葉歌 ー 大和の表玄関を詠む −」と題して講演されました。

 村田先生の講演配布資料より当時の難波宮に関する事項を以下に引用しておきます。、難波は瀬戸内海の最奥に位置し、大和川・淀川水系が交わるその地理的位置から内外交通の要衝の地として重視されてきた。大化元年(645)に始まった「大化の改新」に伴って行われた難波遷都で、白雉三年(652)に完成した「難波長柄豊崎宮」は、孝徳天皇崩御後、都が飛鳥に遷った後も難波の地に存続し、天武十二年(683)の複都制の詔によって飛鳥と並ぶ都となったが、朱鳥元年(686)失火により全焼した。その後、聖武天皇の即位〜行幸を機に、神亀三年(726)、藤原宇合が知造難波宮事に任じられ、難波宮の再建が本格化した。

 講演では、神亀二年に聖武天皇が難波宮に行幸された時に、当代の宮廷歌人(笠金村・車持千年・山部赤人)が詠んだ長反歌(巻六928〜934)を中心に解説されました。万葉歌の掲載順に、金村は難波宮を讃える歌を詠み、千年は遊覧の地である住吉(すみのえ)の風光を讃え、赤人は「御食(みけ)つ国」としての淡路の奉仕の様を詠んでいます。
 なお、『萬葉集釈注』でも、当代宮廷歌人が主題を分担して織りなした一連の作であるとみられています。
 




Posted by katakago at 18:10
雨上がりのビオトープ池で ー トンボの羽化 [2013年04月25日(Thu)]
 今朝(6時半ごろ)ビオトープ池のフトイの茎で早くもトンボが羽化しているのを見かけました(ギンヤンマか?)。
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 カキツバタの花茎も伸びて来ました。来月初めには咲き始めるものと思われます。
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Posted by katakago at 09:52
ヤマツツジ [2013年04月24日(Wed)]
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 ミツバツツジやキリシマツツジに次いでヤマツツジの花が咲き始めました。
 つつじは万葉歌に10首詠まれており、いくつかは一昨年、昨年の記事に載せています。
ここでは巻十三の問答歌の長歌を載せておきます。
【歌】 物思はず 道行く行くも 青山を 振り放け見れば つつじ花 にほえ娘子 桜花 栄え娘子 汝をそも 我に寄すといふ 我をもそ 汝に寄すといふ 荒山も 人し寄すれば 寄そるとぞいふ 汝が心ゆめ (L‐3305)
【口語訳】 何の物思いもせずに道を辿りながら、青々と茂る山を振り仰いで見ると、目に入るのは色美しいつつじ花、その花のようににおいやかなおとめよ、 咲き誇っている桜花、その花のように照り輝くおとめよ、そんなお前さんを世間では私といい仲だと噂しているそうだ。 こんな私をお前さんといい仲だと噂しているそうだ。荒山だって、人が引き寄せれば寄せられるものだそうだ。お前さん、ゆめゆめ油断するなよ。(『萬葉集釈注』より)
 「つつじ花 にほえ娘子」の「にほえ」は、美しく照り映える意。
 口語訳を採った『萬葉集釈注』では、男の求婚の歌で、「用心しないと、噂どおり、こんな男といい仲になるぞ」と、おどす形で、女の気を引いている、と解説されています。


 ツツジのこれまでの記事は
      ↓
URL https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/11
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/daily/201204/28
  
Posted by katakago at 11:14
ポポーの花 [2013年04月23日(Tue)]
 第二果樹園では、4/5の記事にも書きましたが、バークを敷き詰める作業を行っています。毎回3トン車で運んでもらって、今日は3回目です。写真のようにほぼ果樹園内に広げましたが、草を抑えるための厚さを保つにはもう二回ほど運んでもらう必要がありそうです。
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 昨年ポット植えのポポー(バンレイシ科)の苗木を貰ってここに6株植えていますが、そのうち4株で花が咲きました。木がまだ小さいので結実するかは分かりません。
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Posted by katakago at 22:24
飛鳥を愛する会(現地講座二日目)ー 飛鳥から巨勢路・葛城古道を巡る [2013年04月22日(Mon)]
 2日目は二台のバスで葛城山麓の史跡と万葉の舞台を巡りました。コースは、近鉄橿原神宮前駅(出発8:30)→ 磐余池推定地 → 巨勢寺跡 → 阿吽寺 → 水泥古墳 → 栄山寺 → 一言主神社 → 鳥谷口古墳 → 近鉄橿原神宮前駅(17:20頃帰着)
 集合時間が早く6時前に家を出なければなりませんでした。朝方まで降っていた雨も出発のころにはやんでくれました。盛りだくさんな見学場所で同行の講師の先生方から、詳細な資料とともに詳しく解説していただきました。以下訪問場所のいくつかを載せておきます。

 磐余池推定地(発掘現場は埋め戻されていました)での坂本先生による万葉歌の解説
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 昨日の和田先生の講演にもありましたが、大津皇子関連の万葉歌を『日本書紀』・『懐風藻』等の関連記事を交えながら解説していただきました。
 一昨年の現地見学会の記事に堤跡の写真を掲載しています。
        ↓
  URL https://blog.canpan.info/inagawamanyo/daily/201112/17

 巨勢寺塔跡で岡崎先生による解説
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 創建時期は遺跡出土の古瓦より白鳳期頃のようで、この地の豪族巨勢臣が造った寺とみられています。塔の心礎の中央には円柱孔があり、その中に同心円の三重の溝が穿たれ、それを連結させる溝によって水を心礎外に排出する構造になっている。中心には舎利を納める孔があいている。

 阿吽寺での大島先生による万葉歌の解説
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 阿吽寺の万葉歌碑(揮毫は犬養先生)
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【歌碑の文字】 巨勢山乃 列列椿 都良都良尓 見乍思奈 許湍乃春野乎
【読み下し文】 巨勢山の つらつら椿 つらつらに 見つつ偲はな 巨勢の春野を (坂門人足 @‐54)
【口語訳】 巨勢山の つらつら椿を つらつらと 見ながら偲ぼうよ 巨勢の春野を
 大宝元年(701)9月に太上天皇(持統天皇)が紀伊国に行幸された時の歌で、椿の花のない晩秋ではあるが、花咲く春のさまを思い遣ろう、と詠われています。

巨勢寺跡西南1.7kmの所にある横穴式石室を伴う円墳の見学(解説は岡崎先生)
 水泥南古墳
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 石室内には、玄室と羨道にそれぞれ一基ずつの家形石棺がおかれ(玄室の石棺は二上山の凝灰岩、羨道の石棺は竜山石)、羨道の石棺の蓋の縄掛け突起には蓮華文があり、古墳文化と仏教文化の統合の一例として注目されています。
 水泥塚穴古墳(西尾氏邸内にある)
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 石室内に入って見学できました。民家の敷地内にこんなに大きな石室をもつ古墳があるのは驚きです。
 出土品の展示(西尾氏邸内)
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 須恵器や金銅製の耳環等が展示されていました。

 一言主神社では影山先生による解説
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 『記紀』に記された雄略天皇と一言神主神の説話と、葛城地方の万葉歌について解説していただきました。
境内にある万葉歌碑
【歌碑の文字】 葛木之 其津彦真弓 荒木尓毛 憑也君之 吾之名告兼
【読み下し文】 葛城の 襲津彦真弓 荒木にも 頼めや君が 我が名告りけむ (J‐2639)
【口語訳】 葛城の 襲津彦の弓の 荒木のようにしっかりと 頼りにする気であなたは わたしの名を人に話したのでしょうか
   葛城古道と一言主神社および万葉歌碑の関連記事は
           ↓
    URL https://blog.canpan.info/inagawamanyo/daily/201204/27

 鳥谷口古墳(当麻町染野字鳥谷口)
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 築造時期は7世紀末と考えられ、石槨の石材は石棺蓋の未製品が転用されている。大津皇子の再葬場所とする説(和田先生)があります。

 
Posted by katakago at 21:58
飛鳥を愛する会 春季総会・講座(4/20) [2013年04月21日(Sun)]
 昨日(4/20)から2日間にわたって、飛鳥を愛する会の春季総会と現地講座があり参加しました。ここでは一日目の様子をお知らせします。
 午前中は総会に引き続き、木下正史先生による「最近の飛鳥の発掘成果から」と和田萃先生による「大津皇子事件の背景ー磐余池跡と鳥谷口古墳」の二題の講演が行われました(明日香村中央公民館にて)。午後からは明日香村の周辺遺跡を先生方の解説を聴きながら見学しました。

 講演される和田先生
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 『万葉集』には、大津皇子が謀反の罪で処刑される時に磐余の池の堤で涙を流して作られた歌が載せられています。その「磐余の池」に関して、和田先生は40年ほど前に地勢(周辺の畔の続き具合など)や小字名(嶋井など池に関連した)の調査などより磐余の池の推定地に関する論文を書かれていたそうですが、一昨年の発掘調査ではその推定場所から池の堤跡が発見され、ご自分のお考えが考古学からも実証され大いに祝杯をあげられたとのことでした(この場所は2日目に訪ねることになります)。

 揮毫された人麻呂の泣血哀慟歌の歌碑の前で坂本先生の解説を聴きました。
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 この歌の関連記事は
      ↓
 URL https://blog.canpan.info/inagawamanyo/daily/201202/05

 昨年末に橘寺境内に新しく建立された歌碑の前で(坂本先生の解説)
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この歌碑の除幕式の記事は
       ↓
 URL https://blog.canpan.info/inagawamanyo/daily/201211/26

 橘寺塔跡の心礎の前で(木下先生の解説)
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 稲淵宮殿跡で坂本先生による万葉歌の解説
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 犬養先生揮毫の万葉歌碑(稲淵宮殿跡)
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【原文】 明日香川 七瀬之不行尓 住鳥毛 意有社 波不立目 (F-1366)
【読み下し文】 明日香川 七瀬の淀に 住む鳥も 心あれこそ 波立てざらめ
【口語訳】 明日香川の 七瀬の淀に すむ鳥さえも 深い心があるからこそ 波を立てないのだろう
  
Posted by katakago at 22:08
ヤマザクラ(あしひきの山の際照らす桜花) [2013年04月19日(Fri)]
 裏山に自生しているヤマザクラ(3本生えています)が咲き始めました(1枚目の写真)。3年前には畑に数本の苗木を植えましたが、そのうちの一本が今年初めて花を咲かせました(2枚目)。
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 サクラは万葉歌に40首詠まれています。昨年の記事にも一首を載せていますが、ここでは巻八の春の雑歌より山部赤人の歌を載せておきます。
【原文】 足比奇乃 山桜花 日並而 如是開有者 甚恋目夜裳 (G‐1425)
【読み下し文】 あしひきの 山桜花 日並べて かくし咲けらば はだ恋ひめやも
【口語訳】 (あしひきの) 山の桜花が 幾日も こんなに咲いていたら ひどく恋しくは思わないだろう
「はだ恋ひめやも」は反語で、花期が短いからこそこんなにも恋い慕う、と詠われています。

 昨年のヤマザクラの記事は
        ↓
 URL https://blog.canpan.info/inagawamanyo/daily/201204/25

Posted by katakago at 11:12
裏山に咲く春の野草 [2013年04月18日(Thu)]
 この時期、裏山のあちらこちらでタケノコが生えて来ます。竹になってからの処分は大変なので、見つけ次第堀上げています。良さそうなものは一輪車に積んで持ち帰り、茹で上げて自家消費するとともに知り合いに送ったりしています。裏山での作業や畑・果樹園での仕事で忙しい季節になりました。

 裏山で咲いている花の写真を載せておきます。
 ホウチャクソウ(ゆり科)
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 和名の宝鐸草は下垂する花の姿を寺院や五重の塔の宝鐸(ほうちゃく)に譬えたものだそうです(漢名は淡竹花)。

 クサイチゴ(ばら科、実は食用になる)
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 人麻呂歌集の次の万葉歌に詠まれた「壱師(いちし)花」は諸説(ヒガンバナほか)ある中でクサイチゴとみる説もあります。
【原文】 路辺 壱師花 灼然 人皆知 我恋孋 (J‐2480)
【読み下し文】 道の辺の いちしの花の いちしろく 人皆知りぬ 我が恋妻は
【口語訳】 道ばたの いちしの花の いちしろくーはっきりと みんなに知られてしまった わたしの恋妻をば

 キランソウ(しそ科)
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 別名ジゴクノカマノフタは、『原色牧野植物大圖鑑』では春の彼岸の頃に花が咲くからいう、とあります。4/14付け日経新聞には皇居吹上御苑の林地に生えるキランソウの記事が載っていました。ここでは、地面を上からぐっと締め付け蓋をするようにも見えることから、とありました。
 またこの記事には、「葉には光沢があり毛が生えている。光沢はクチクラ層と呼ばれるワックス状の物質で、水をはじくとともに乾燥から葉を守る。毛にも蒸散を抑える働きがある。これらのおかげで、日の当たる裸地でも生きていける」とありました。裏山以外でも、畑の畔道や庭先のコンクリートの割れ目でも見かけます。
Posted by katakago at 10:30
果樹園で見かけたツグミ [2013年04月17日(Wed)]
 果樹園では柿や栗の若葉が目に鮮やかで、毎朝見に出かけるのが楽しみです。最近小鳥を毎日のように見かけますが、図鑑によればツグミ(秋にシベリヤ等から日本に来る代表的な渡り鳥)でした。
 第一果樹園全景
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 手前中央はプルーンで今花を咲かせています。左右は花が終わったスモモで、右後方の実を付けているサクランボ(暖地桜桃)には防鳥ネットを張っています。

 若葉が出た栗の木に止まるツグミ
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 畑で見かけたツグミ 
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Posted by katakago at 11:20
すみれ二種 [2013年04月16日(Tue)]
 裏山ではタチツボスミレの群生が見られ、4/2の記事にも写真を掲載していますが、それ以外に二種類のすみれが咲いていました(日本では50種あまりが知られているようです)。
 一つはスミレ(裏山で)
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 もう一種はシロスミレ(ビオトープ池の堤で)
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 野外での若菜摘み(野遊び)は、豊穣を予祝して春先に行われた民間行事で、すみれも食用とされたようです。関連の万葉歌は昨年の記事に載せています。
         ↓
   URL https://blog.canpan.info/inagawamanyo/daily/201204/09






Posted by katakago at 08:40
ウワミズザクラの花 [2013年04月15日(Mon)]
 裏山に自生しているウワミズザクラ(ばら科)の花が咲いています。
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径0.6〜0.8cmほどの小さな花で写真のような総状花序です。図鑑によれば、和名はこの材に溝を彫って亀卜に使ったので上溝桜と言い、それが転訛した名前のようです。


 先に(4/7)、一重のヤマブキの写真を掲載しましたが八重の品種も咲き始めました。
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Posted by katakago at 07:40
第49回川西市源氏まつり [2013年04月14日(Sun)]
 今日は49回目の川西市源氏まつりです。午前中に畑仕事を終え、懐古行列の出発地である多田神社に出かけました。境内では源氏まつり協賛の奉納射会が催され、またお茶会や植木即売会も行われ、模擬店も賑わっていました。
 境内や沿道で撮影したスナップ写真を掲載します。
 多田神社境内(賑わう模擬店)
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 懐古行列開始(早稲田摂陵高等学校ウィンドバンドを先頭に出発)
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 馬上の巴御前(川西観光プリンセス)
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 沿道をゆく騎馬武者の行列(先頭は川西市長扮する源満仲、源頼光・源頼信・源頼義・八幡太郎義家・巴御前と続く)
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 昨年の源氏まつりの記事は
      ↓
  URL https://blog.canpan.info/inagawamanyo/daily/201204/08





Posted by katakago at 15:56
春の宝塚植木まつり [2013年04月13日(Sat)]
 宝塚植木まつり(14日まで開催)に出かけて、苗木を購入してきました。天気も良く大勢の人で賑わっていました。
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 昨年秋にも出かけましたが、今日はクルメツツジ・リンゴ(姫国光)・イチジク(サルタン)の苗木とカキツバタ2株を購入しました。
 午後から早速植え付けました(写真はクルメツツジ)。
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Posted by katakago at 19:40
ナシの花 [2013年04月12日(Fri)]
 ナシの花が咲き始めました。こちらは園芸種で、万葉歌に詠まれたヤマナシは実生苗を育てて数年になりますが花は未だ咲きません。
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 巻十六に、ナシが詠まれた次のような歌があります。
【原文】 成棗 寸三二粟嗣 延田葛乃 後毛将相跡 葵花咲 (O‐3834)
【読み下し文】 梨棗 黍に粟次ぎ 延ふ葛の 後も逢はむと 葵花咲く
【口語訳】 梨(離)棗(早) 黍(君)に粟(逢)と続いて (延ふ葛の) いずれは逢おうと 葵(逢う日)の花が咲く
 『新編日本古典文学全集 萬葉集』では、次のように解説されています。梨と棗との取り合わせは、『遊仙窟』の中で、棗(音サウ)は「早」と、梨は「離」と、それぞれ類音であることを踏まえて、五嫂と十娘の二人の女性が、「相知ルコト棗ニ在ラズ(早く知り合いにならなかったのが残念)」と言い、「忍ビズシテ分梨ス(辛いけれどわざと離れている)」と言ったのによる。今は離れているが早く、の意を込める。「黍に粟次ぎ」は、「君」に続けて「逢はむ」の意で、「延ふ葛の」は、「後逢ふ」の枕詞。「葵」は、あおい科の植物で、「逢ふ日」をかける。
  



Posted by katakago at 18:11
オキナグサその後 [2013年04月11日(Thu)]
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 オキナグサの花の写真は3/23に掲載していますが、咲き終わった後の様子です。和名の翁草は、果時の長花柱が集まっている状態(そう果の集合体)が老人の白髪のようであるところからきているようです(漢名は白頭翁)。

関連記事は
   ↓
URL https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/299
Posted by katakago at 17:52
果樹園の下草除草 [2013年04月10日(Wed)]
 第一果樹園で、除草の目的で果樹の周囲を耕運機で耕しました。株もとの草は手取りで行うことになります。
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 スモモの花も終わり、今はカリンとサクランボ(品種不明)の花が咲いています。
写真はカリンの花
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 3/13の記事で花の写真を掲載したサクランボ(暖地桜桃)は、今写真のように実が成っています。収穫時期は5月中旬の予定です。
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Posted by katakago at 18:08
多田小学校で入学式 [2013年04月09日(Tue)]
 今日は朝から忙しい一日でした。10時から始まる多田小学校での入学式に参列する前に、7時半頃から日課にしている尺八の練習を一時間ほど行い、午後からNHKカルチャーの万葉集の講座(梅田教室)と夕方からは朝日カルチャーの尺八講座(芦屋教室)があるので、その受講準備もして学校に向かいました。大きな鞄を抱えて出かけることになりました。
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 多田小学校では第134回目の入学式で、87名の新一年生が入学しました。明日から皆元気に登校してください。

 来賓には、PTAからお祝いの紅白のお饅頭をいただきました。

 ちょうど今、裏山の植物園では紅白のミツバツツジが咲いています。数年前に苗木を植えたものです。
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Posted by katakago at 21:24
若菜祭 [2013年04月08日(Mon)]
 昨日(4/7)、明日香村中央公民館で若菜祭が開催されました。今年は、講演会のほか、人丸信仰の調査報告と参加者による明日香の万葉歌の朗唱が行われました。
 講演会では、村田右富実先生(大阪府立大教授)が、「入江泰吉と明日香皇女挽歌を読む」と題して話されました。
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 村田先生の講演を聴講するのは、今年になって3度目です(1回目は大津皇子関連、2回目は人麻呂の泣血哀慟歌)。今回は、文武四年(700)に薨去された明日香皇女の殯宮の時に人麻呂が作った挽歌が取り上げられました。この歌は制作年次の分かる人麻呂最後の作とされ、長歌と反歌二首です(巻二の196,197,198)。パワーポイントで入江泰吉撮影の明日香の風景写真を映し出しながら歌の解説を進められました。
 時間には毎年繰り返される永遠回帰の時間(自然の時間)と、一方向にしか流れない不可逆の時間(人間の時間)があり、この長歌では、明日香皇女は永遠の命をもっていた(自然の時間)はずであるのに今は死んでしまった(人間の時間)と詠われ、再び生前回顧で夫君との永遠の愛情の時間が続く(自然の時間)と思われたが二度目の死去(人間の時間)が表現されている、との解説は興味深かいものでした。


Posted by katakago at 22:32
ヤマブキの花 [2013年04月07日(Sun)]
 
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 ヤマブキの花(一重)が咲いています。八重はこれからです。
ヤマブキは万葉歌には17首詠まれており、一昨年、昨年の記事でも紹介しています。
                ↓
   URL https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/6
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/daily/201204/15

ここでは別の歌を載せておきます。
【原文】 花咲而 実者不成登裳 長気 所念鴨 山振之花 (I‐1860)
【読み下し文】 花咲きて 実は成らねども 長き日に 思ほゆるかも 山吹の花
【口語訳】 花だけ咲いて 実はならないのに 長い間待たれることよ 山吹の花は
 「実は成らねども」は、八重の品種には実が成らないのでこのように言われるが、集中、「実成らず」・「実に成らず」は、しばしば実らぬ恋の比喩に用いられるため、この歌にも寓意があるかとする説もあります。
 
 植物の種類は異なりますが、大伴家持の紀女郎への贈答歌では次のように詠まれています。
【歌】 我妹子が 形見の合歓木は 花のみに 咲きてけだしく 実にならじかも (G‐1463)
【口語訳】 あなたに 頂戴したねむは 花ばかり 咲いておそらく 実を結ばないのではないでしょうか
『新編日本古典文学全集 萬葉集』によれば、この歌には、「あなたの私に対する愛情は一時的なものではないでしょうか、の寓意がある」と解説されています。 


Posted by katakago at 20:19
モミジの若葉 [2013年04月06日(Sat)]
 モミジの若葉の後方では、3/31掲載のサクラの花が未だ咲いていますが、今日の雨風で散ってしまうことでしょう。
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 モミジは、万葉歌には、かへるて(原文は蝦手・加敝流弖と表記)として二首詠まれています。そのうちの一首は巻十四の次の東歌です。
【原文】 児毛知夜麻 和可加敝流弖能 毛美都麻弖 宿毛等和波毛布 汝波安杼可毛布 (M-3494)
【読み下し文】 子持山 若かへるての もみつまで 寝もと我は思ふ 汝はあどか思ふ
【口語訳】 子持山の 楓の若葉が 紅葉するまでも ずっと寝ようとわたしは思う おまえはどう思うかい
『萬葉集全歌講義』には、「男性が恋人である女性に問いかけた形ではあるが、万葉集に載録されるに至ったのは、謡われていたからで、個人間で歌い交わされて終わった歌では無論ない。子持山周辺でうたわれた歌であったろうか。」とあります。
 子持山は群馬県の渋川市・吾妻郡高山村・沼田市にまたがる山で、一昨年の万葉旅行でも訪れています。その際子持神社境内に建てられたこの歌の歌碑の写真も撮影しました。関連記事は
           ↓
 URL https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/161?1354691043
 


Posted by katakago at 12:08
果樹園での防草作業 [2013年04月05日(Fri)]
 蓮池の隣に第二果樹園(100坪ほどの広さ)として、柑橘類・柿・栗・ポポーなどを植えています。苗木を植えて1〜2年目ですが、除草作業の省力化のため、果樹園にバークを敷き詰めることにしました。これまでは年に何度か除草のための耕運機かけや草刈りを行っていました。
 今日はその作業の第一弾として、3トン車のダンプでバークを運んでもらいました。一輪車で何十回も運んで果樹園内に広げました。全部敷き詰めるにはあと3〜4回は必要かと思われます。
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 柿の苗木も新芽が出て来ました。
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Posted by katakago at 11:36
さわらびの萌え出づる春 [2013年04月04日(Thu)]
 ワラビ(コバノイシカグマ科)も萌え出て来ました。
石走る 垂水の上の さわらびの 萌え出づる春に なりにけるかも (G‐1418)
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わらびが詠まれた志貴皇子の万葉歌は、昨年の記事に解説を載せています。
                      ↓
 URL https://blog.canpan.info/inagawamanyo/daily/201204/13


 ミツバツツジも花が咲き始めました。
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Posted by katakago at 14:15
今年初めてのタケノコ [2013年04月03日(Wed)]
 裏山の一角にある竹藪で、タケノコが頭を出しているのを見つけました。シイタケとともに旬の食材が得られました。
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 植物園の脇にはイチリンソウ(きんぽうげ科)の群落があり、花を咲かせ始めました。
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Posted by katakago at 12:46
ヤマブキやツツジも咲き始めました [2013年04月02日(Tue)]
 例年よりも暖かい日が続くので、他の植物も開花が早まっています。
 ヤマブキの蕾が開き始めました(隣に八重の株も植えています)。
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 白花のツツジも咲き始めました。
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 ツツジ類では、間もなくミツバツツジも開花しそうです。他にヤマツツジ・モチツツジも自生しています。

 カタクリは3/14に今年初めての写真を掲載しましたが、その後も順次開花しています。
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 タチツボスミレの群生もみられます。
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Posted by katakago at 10:27
野菜の生育状況(タマネギ・エンドウ) [2013年04月01日(Mon)]
 昨年秋に植え付けたタマネギは順調に生育しています。
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 エンドウも花を付け始めました。
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Posted by katakago at 14:30
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