万葉講座(古代の猪名・万葉の猪名) [2016年09月04日(Sun)]
今日の午後、隣町の川辺郡猪名川町で活動されている「猪名川万葉の会」主催の万葉講座があり出かけてきました。講師は大阪府立大学の村田右富実先生で、「古代の猪名・万葉の猪名ー山・川・野・みなと―」と題して話されました。 最初に『住吉大社神代記』(平安時代初期の成立とみられる住吉大社の縁起)に記された河辺郡(かはへのこほり)の為奈山(ゐなやま)と為奈河(ゐながは)について解説され、そのなかで為奈河と武庫川の女(めがみ)が住吉の大神を巡って争った話が出てきました。万葉では一人の女性を巡って複数の男が争うのが通例ですが、この『住吉大社神代記』に出てくる話は古代では稀な例のようです。 万葉関連では、猪名山、猪名川、猪名野、猪名のみなとが詠まれた歌を解説していただきました。それらの歌を載せておきます。 【歌】 しなが鳥 猪名山とよに 行く水の 名のみ寄そりし 隠り妻はも (J-2708) 【歌】 かくのみに ありけるものを 猪名川の 奥を深めて 我が思へりける (O-3804) 【歌】 我妹子に 猪名野は見せつ 名次山 角の松原 いつか示さむ (B-279 高市連黒人) 【歌】 しなが鳥 猪名野を来れば 有間山 夕霧立ちぬ やどりはなくて (F-1140) 【歌】 大き海に あらしな吹きそ しなが鳥 猪名のみなとに 舟泊つるまで (F-1189)
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Posted by
katakago
at 18:30