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斑鳩・龍田を訪ねて(カルチャーの現地講座) [2014年05月11日(Sun)]
 昨日(5/10)は、毎日文化センターの万葉講座(市瀬雅之先生)の現地講座があり参加しました。半年に一度の行事で、今回は斑鳩・龍田方面に出かけました。
 JR法隆寺駅を起点に、龍田神社・斑鳩文化財センター・藤ノ木古墳・法隆寺・上宮遺跡公園を巡った後、三郷駅から磐瀬の森・神奈備神社・龍田大社も訪れました。法隆寺では百済観音の他、夢殿本尊特別開扉中で、救世観音も拝観することが出来ました。
 以下、藤ノ木古墳関連と万葉歌碑の写真を掲載しておきます。

 
 整備された国指定史跡の藤ノ木古墳(6世紀後半の築造とみられている)
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 石室入り口の扉前では人感センサーにより石室内に照明が灯り、ガラス越しに内部を見ることが出来ます(中央奥に石棺)。 
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 近くの斑鳩文化財センターでは古墳の遺物(レプリカ)の展示が行われています。学芸員の説明も聴くことが出来ました。展示品はレプリカであるため写真撮影はOKでした。
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 金銅製鞍金具(後輪)のレプリカ
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 石室の奥壁と石棺の間からは、龍・鳳凰・象等の絵が施された金銅製鞍金具など、装飾性の豊かな馬具が出土している。3年前に韓国を訪れた際、国立中央博物館でも類似の馬具を見た記憶があります。

 石棺内遺物出土状況の復元展示  
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 未盗掘であったので、2体の人骨や多数の副葬品(刀剣類・玉類・金銅製筒形品・金銅製履・冠など)が埋葬当時の状態で発見された(1988年)。

 斑鳩文化財センター前庭の説明パネルより(石棺の模型が展示されている)
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 上宮遺跡公園(飽波宮伝承地)で見つけた万葉歌碑(揮毫は犬養先生、平成4年建立)
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【原文】 斑鳩之 因可乃池之 宜毛 君乎不言者 念衣吾為流 (K-3020)
【読み下し文】 斑鳩の 因可の池の 宜しくも 君を言はねば 思ひそ我がする
【口語訳】 斑鳩の 因可(よるか)の池の 宜しいように あなたを人が言わないので わたしは思い悩んでいます

 磐瀬の森の万葉歌碑(生駒郡三郷町)の前で市瀬先生による説明の様子
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【歌】 神奈備の 磐瀬の社の 呼子鳥 いたくな鳴きそ 我が恋増さる (鏡王女 G-1419)
【口語訳】 神奈備の 磐瀬の森の 呼子鳥よ そんなにひどくは鳴いてくれるな 恋しさが増すから (呼子鳥はカッコウとする説もあるが不明)

 犬養先生の龍田万葉歌碑(生駒郡三郷町、昭和60年建立)の前で市瀬先生による説明の様子 
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【原文】 吾去者 七日者不過 龍田彦 勤此花乎 風尓莫落 (高橋虫麻呂 H-1748)
【読み下し文】 我が行きは 七日は過ぎじ 龍田彦 ゆめこの花を 風にな散らし
【口語訳】 われわれは 七日以内に帰ってまいります 龍田の神よ どうかこの花を 風で散らさないでください

 龍田大社(生駒郡三郷町)境内の坂本信幸先生揮毫の万葉歌碑(平成19年4月建立)
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【歌】 島山を い行き巡れる 川沿ひの 岡辺の道ゆ 昨日こそ 我が越え来しか 一夜のみ 寝たりしからに 尾の上の 桜の花は 滝の瀬ゆ 散らひて流る 君が見む その日までには 山おろしの 風な吹きそと うち越えて 名に負へる杜に 風祭りせな (高橋虫麻呂 H-1751)
【口語訳】 島山を 行き巡っている 川沿いの 岡辺の道を つい昨日 わたしは越えて来たばかりなのに たった一泊 しただけなのに 尾根の 桜の花は 滝つ瀬を 散っては流れている あなたがご覧になる その日までは 山おろしの 風を吹かせ給うなと 竜田道を越えて行って 風の神として名高い社で 風祭りをしよう
 難波で一泊し翌日平城京に戻って来た時、高橋虫麻呂が詠んだ歌で、「君」は藤原宇合とみられています。「名に負へる社」は龍田神社(現龍田大社)で、穀物に風害の無いように祈る風神祭を行う神社として有名。
Posted by katakago at 18:42
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